過去のための習作

ぼくの見事な白鳥よ
陽に透ける瞳 濡れたように見え
ぼくのてのひらからは
きみの口づけがきこえた
星が降りてきて こう言った
じきに行くよ

転がり落ちそうなこころ
撫でて抱きしめて
冬がくれば戻ってくるよ
美しき優しさに手を引かれて立ち止まり
振り返れば福寿草
永遠の幸せは悲しい思い出だと
君は飛んだ

2018.2月

#詩