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息子を産んだ日〜出産の記録2〜

ふとNoteを開くと、前回の投稿が長女の出産に関してで、何も書かないまま2年という月日が経っていたことに驚愕する。
その間、職場復帰して育児との両立に奮闘しながらも、ありがたいことにもう1人命を授かり、このたび無事出産を終えた。
こうして久しぶりに長女が生まれたときの記録を読むと、当時の様子が眼前にありありと甦るもので、またいつか懐古したくなったときのために今回の出産についても記録を残そうと思う。

妊娠38週の妊婦健診


【5月18日(木)  38w0d】

妊婦健診の際、身長を聞かれる。
赤ちゃんがすでに推定3000gほどあるので、予定日を待っていると私の身長に対して胎児が大きくなりすぎるかも、とのことで、1週間後までに自然に陣痛が来なければ管理入院して誘発することに決まる。
それからの1週間は、リングフィットしたり娘をたくさん抱っこしたり、とにかく動きまくったが前駆陣痛止まり。本陣痛には繋がらず。

管理入院当日〜出産まで


【5月25日(木) 39w0d】
10:00
妊婦健診後、予定どおり入院。個室に案内され、院内の説明を受ける。

10:30
バルーンを入れる処置
それなりに赤ちゃん下がっているとのことで、スポンジは入れずバルーンのみ。(通称"メトロ"というやつ)
過去に流産の掻爬手術を受けたとき前処置が苦痛だった記憶があり、嫌な感覚が蘇りそうでけっこう身構える。
が、予想とは裏腹に通常の内診と変わらない感じで、水を入れるときも特に痛みはなし。院長さすが。
その後1時間ほどモニターをつける。
バルーン入れた刺激か?10分間隔くらいで重めの生理痛くらいの張りを感じる。

担当の助産師さんに誘発開始からどれくらい時間かかるものか聞いてみたところ、「だいたい皆さん、何事もなく翌朝を迎えます〜」とにっこり顔で言われ、長期戦になることを覚悟する。
そこからは暇で暇で仕方がなく、ケータイでNetflixを漁りながら、少しでも運動しようと部屋の中をうろうろする。

15:30
張りに変化が出てきて、本陣痛っぽい強さを感じる。

16:00
モニターつけたところ4〜5分間隔くらいで陣痛がきている。
でもまだ全然平気、スクワットしたり腰ゆらゆらしたり。
「早く生まれろ〜」と念じる。

17:00
徐々に痛みが強くなってきた。
ナースコールするも、バルーンもまだ抜けてないみたいだし(普通は子宮口6cmくらいまで開いたら自然に抜ける)、夕食後にまたモニターつけて様子見ましょうとのこと。

『今夜中に生まれたらラッキーって感じ!』
と夫にも連絡。

18:00
夕食が運ばれてくる。最初は気分よく食べれたものの、徐々に痛みが増して1/4ほどしか食べれず...
長女出産のときは陣痛中に吐き気に襲われた記憶があったので、気持ち悪くなりそうなものを避けるようにした。
それでもまだ呼吸を意識して全然耐えれる痛み。

19:10
モニターつけに助産師さんが来る。

19:45
モニター上の数値はそれほどではないけど「けっこう痛い」という私の言葉で陣痛室へ移動することに。
歩いて移動する間にも陣痛が来て必死に吐く呼吸を意識。

19:50
陣痛室で横たわり、内診。
バルーンを抜いてもらうが、まだ子宮口6cm。

ケータイ触る余裕もあり。
夫に『まだ生まれる気配はないけど、夜中でも来る?』と余裕こいたメッセージを送る。
『そろそろ行ったほうがいい?』という問いにも、『いやまだ全然』と返信。

ところが!内診が引き金になったのか?バルーンを抜いた弾みか?ここから痛みがグーっと増す。
気づけば間隔もほぼなくずっと痛い。
あまりの痛みに「ふーっ」とか「はーー」とかめっちゃ声が出る。
なんだこれ、長女のときより痛いぞ!?というか境目がない!なぜずっと痛い??と1人プチパニック。
弾みでベッド下にケータイを落とす。やばい、自力で取れない。
静かなお産の予定だったのに、こんなはずでは。

その間、助産師さん2人、私の声を聞きつつ大急ぎで分娩室を用意。
分娩の記録にも、走り回っている様子が記されているのだとか。

20:32
「でも長女のときはこっからまだ1時間以上かかったし...」という要らぬ記憶が脳裏をよぎる。
助産師さんにケータイを拾ってもらい、
『めっちゃ痛くなってきたから、たぶん今夜中には生まれる!』
と夫に送信。これが後に、致命的なミスとなる。

20:35
内診し、「もうこれ生まれるね!頭そこにあるわ!」と急に言われ、分娩室へ移動するよう指示。
落ち着いたら動こうと言われるも、ぐんぐん波が来て全く落ち着かず、「もう待てないから行くわよ」と強制的に両腕抱えられ歩いて分娩室へ。
その間、お股を押さえられつつ、破水したのを感じる。
着いた瞬間、もういきみたい衝動。
しかも、いきんでいいらしい。まじか。ほな、いきまっせ。
あ、やばい、夫呼ばないと。

20:38
『あかん、もう生まれる。来てください〜〜』
と半分いきみながら夫に電話。
ちなみに、出たのはお母さん。すごい声を聞かれてしまった。
(長女の子守りをしてもらうため、自宅に来てもらっていた)

20:44
夫の到着を待たずして誕生。
今回は頭や肩が出てくるのもバッチリ見えた。
ただ会陰切開する間もなく生まれてしまい、無事お股が自然に裂ける。

その後、胎盤も誕生。
これも出てくる感覚バッチリ味わえた。
そして院長登場し、裂けたところを麻酔なしで縫われる。
え、なぜ麻酔なし?かなり痛かった...

夫はというと、生まれて2分後に到着。
あとから聞いたが、おくちクチュクチュモンダミンしていたらしい。
口臭なんて誰も気にしないのだから早く来ればよかったのに、と思うが、もともとは私の判断ミス。

二度の出産を経験して

【比較は禁物】
まず、前回のお産の感覚で「この痛みからあとどのくらい」とか「これがあと何時間」とか考えるのは絶対に絶対に、よくない。
お産によって違って当然なのだから、目の前のお産にだけ向き合うべき!
そして経産婦さんは、一度出産を経験した産道は、ものすご〜く広がりやすくなっていることを肝に銘じるべき。
ぎりぎりまで自宅で我慢していたら、本当に間に合わなくなると思った方がいい。
私も管理入院でなければ、どこかで産み落としていたかもしれない…

【やはり「分娩時間が短い=安産」ではない】
前回の分娩時間が約18時間だったので、約4分の1にまで短縮できたことになる。
その分、たしかに体力の消耗は少なく済んだ。
産んだ直後もヘトヘトではなかったし、分娩後に自分の個室へも歩いて戻れた。
骨盤のグラグラや全身の筋肉痛も前回より圧倒的に少ない。産後1日目からわりとすたすた歩ける。
気のせいかホルモンバランスの乱れも少ないようで、あまりガルガルしていない。
お股の感覚も麻痺してないから、赤ちゃんの頭が出てくるときや肩が通るときも全部わかる。そのかわり、縫われるときもがっつり痛い。

ただ、前回のようにお産がゆっくり進むほうが、胎児を感じながら産むことはできた。
痛みの変化もよくわかるし、赤ちゃんが降りてくるのも実感できる。
陣痛と陣痛の間もはっきりしてるし、その間に呼吸を整えることもできる。
パニックにもならない。

正直どちらがいいかは即答できない。
静かに落ち着いて産むことを理想としていた私としては、今回の方が"想像と違う"お産になった。
陣痛室で使おう!と思って入院バッグに入れていたアロマオイルや蒸気でアイマスクなどのリラックスグッズも、奥底に仕舞われたまま終わった。
見事に対照的なお産となったが、無事生まれてくれれば120点満点だし、私にとってはどちらもよいお産だったと断言できる。

何度経験しても、やはり妊娠出産は神秘的だ。
そして新生児はたまらなく尊い。
幸せなマタニティライフ(ただしつわりを除く)を送れたことと、感動の瞬間を再び味わえたこと。
家族をはじめ、関わってくれたすべての人に感謝したい。