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あらぬことをお聞きしますが_01

「あらぬことをお聞きしますが、この辺りで景色がいい場所ありますか?」

あるお店で時間がありそうな店員さんに雑談をしてみた。先日のnoteに書いたように拒絶チャレンジなどというと大げさだけど、知らない人に小さな会話を持ちかけるという練習。旅先や客としてならともかく、普通のビルの一角の、縁もゆかりもない人に。あらぬこと、なんて言葉を使うのも初めてだ。

「いやー、この辺りはどこも微妙です。ビルばっかりでしょ?いい場所ないんですよ」

「あーそうなんですか。ちなみに、どこか好きなの場所ってありますか?」

「色々ありますよっ!実はめちゃくちゃ外出好きで、一人で色んな所に行くのが趣味なんです」

一人目で大当たりが出た。
朝の築地、昼間の中野、熱海の伊豆山神社、鈍行列車の旅(途中下車あり)、奥多摩のカヤック、江ノ島水族館。果てには、カナダでメープルを見たいなど、発展した話までしてくれた。生まれた場所、他に住んでいた場所、そんなちょっとプライベートな話まで。

30分ぐらい話したか。特別な理由、特別な場所でもないのに、他人とこういう話をする、というのは初めての体験だったかもしれない。

会話とは、自分と相手の状況でたまたま盛り上がるもの。世の中にはまだまだ知らない出会いがある。

切り上げる時には、「また来てください」とまで言ってくれた。「次会う時はLINEのQRコード用意しておきます」なんだろう、笑った。このお兄さんには、また会いにいくだろう。

コンフォートゾーンから抜け出せ、なんて言葉もある。今までの、例えば自分の中で一般的と考える方法で、自分を変えていくのは難しい。全然知らない他人に何かを話しかける、ということは継続してやってみたい。

次回はあるのか。それはわからない。

踊れよ