碧絃

竹書房怪談文庫様/共著『瞬殺怪談 怨速』 ホラーやファンタジー小説を書いています。カク…

碧絃

竹書房怪談文庫様/共著『瞬殺怪談 怨速』 ホラーやファンタジー小説を書いています。カクヨム様を中心に活動中。 妖怪、あやかし、怪異などの話が好きです。 https://kakuyomu.jp/users/aoi-neco 絵は練習中です。

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縁切りの呪法 〜裏切りの代償〜

「もしかして、不倫……?」  夫のスーツから甘い香りがした。女物の香水の匂いだ。電車やエレベーターに乗っている間に、匂いが移ることもあるけれど——。  スーツの左袖を顔に近づけると、香水の匂いが強くなった。おそらく長い時間、密着していたのだろう。そうでなければ、こんなに濃い匂いがつくことはない。  その夜。夫のいびきが大きくなるのと同時に、諒子はそっと起き上がった。不倫をしているかどうかを確認する為に、夫の携帯電話を手に取る。  ——起きないでよ……。  夫の布団を

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