スナック青一 ドーナツモーニングブッククラブ_第10回 『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 』(2019/1/28)
外資系広告会社マッキャンエリクソンのプランニング部が運営する「スナック青一」ですが、月1回朝も開店し、いわゆる「読書会」を開催しています。
その名も「スナック青一 ドーナツモーニングブッククラブ」。頭がすっきりクリアな朝の時間帯に、本を肴にプランナー同士がディスカッションし、刺激を交換し合うイベントです。
毎月、指名されたプランナーが気になっている本を1冊紹介し、その場ではおいしいドーナツやパンも振舞われます。
第10回 :『社員をサーフィンに行かせよう パタゴニア創業者の経営論 』
「ドーナッツモーニングブッククラブ」の活動も2年目を迎えました!
さて、第10回目となる2020年初の「スナック青一 ドーナツモーニングブッククラブ」は、マッキャンエリクソンのプランナー、出口さんが担当。パタゴニアの創業者・イヴォン・シュイナードさんの『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 』を取り上げてくれました。
ちなみに今回の朝食は、代々木のベーカリー「365日」のおいしいパンでした!
Patagoniaの8つの理念
まず、本書の章に沿って、Patagoniaの8つの理念を具体的なケースをビデオを交えつつ紹介してくれました。
①製品デザイン ー常に最高を目指すー
②製造 ーコストより品質を優先するー
③販売・流通 ー顧客と関係を結ぶー
④マーケティング ーメッセージを伝えるー
⑤財務会計 ー利益を目的としないー
⑥人材活用 ー働きやすさを重視するー
⑦経営指針 ー価値観を共有し挑戦するー
⑧地球環境 ー企業として責任を全うするー
たくさんの具体的なPatagoniaの取り組みを紹介してくれた出口さん。例えば、製造過程においてコストより品質を優先するPatagoniaは、1996年にすべてのコットン製品をオーガニックコットン100%にしたそうです。また、オーガニックコットンを栽培する過程でも農薬を使用しないと徹底した品質管理を行っています。
出口さん:「農薬を使わないオーガニックコットンのメリットは何だと思いますか?」
会場からは、「農薬を使っていないから、土に還る」「オーガニックだから環境に優しい」「ぶっちゃけ一般的なコットンと何が違うのか分からない」など様々な声が上がりました。
実は、本書によると農薬を使わないメリットは製造工程だけではなく、着る人自身にもあるそうです。Patagoniaの独自の研究によると、従来の遺伝子組み換えのコットンで作られた製品には発がん性があることが分かっています。持続可能な社会と着る人のことを考え、品質管理を徹底しているということがよく伝わってくるお話でした。(参照:Patagonia 『オーガニックコットンの20年』 https://www.patagonia.jp/20-years-of-organic-cotton.html)
その後、改めてサステイナビリティーとは何かを参加者みんなで議論しました。具体的には、出口さんからの問である「環境問題・サステイナビリティーをビジネスに取り入れるために何ができるか?」「広告代理店ができることって何だろう?」について話し合い、大きい事象だから自分ゴト化するのが難しいが、環境問題を自分ゴト化させることに成功したケースから学んでいき、小さいことからでも行動することが大切だという結論になりました。
出口さんにとってのサステイナビリティーとは、
「思いやりをもって、愛をもって、モノ・人に接すること。」
気づきと学び
今回はPatagoniaが取り組んでいる行いをご紹介いただき、日々環境問題に向き合っている出口さんの熱意にインスパイアされ、みんなにとってのサステイナビリティーとは何か、自分たちにできることは何か、と読書会が終わった後にもディスカッションが広がっていたのが印象的でした。
下記は、発表を担当された出口さんのコメントです。
今回は私が憧れブランドPatagoniaの『社員をサーフィンに行かせよう』という本を紹介しました。個人的に環境問題への取り組みなどすごく興味があったので、この本を通して皆さんにも日ごろの生活・そして広告代理店目線でどのような環境問題に取り組めるか考えるきっかけになればと思います。
(おわり/MR)