スナック青一 ドーナツモーニングブッククラブ_第8回 『LIFE DESIGN(ライフデザイン)――スタンフォード式 最高の人生設計』(2019/10/30)

外資系広告会社マッキャンエリクソンのプランニング部が運営する「スナック青一」ですが、月1回いわゆる「読書会」を月1回開催しています。その名も「スナック青一 ドーナツモーニングブッククラブ」。

毎月、指名されたプランナーが気になっている本を1冊紹介し、その場ではおいしい朝食も振舞われます。

第8回:ビル バーネット, デイヴ エヴァンス
LIFE DESIGN(ライフデザイン)――スタンフォード式 最高の人生設計

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第8回目となる「スナック青一 ドーナツモーニングブッククラブ」はMRMの佐久間さんと小川さんがペアで担当。ビル・バーネットとデイヴ・エヴァンス共著の『LIFE DESIGN(ライフデザイン)――スタンフォード式 最高の人生設計』を紹介してくださいました。

今回の会のお供は、中目黒のTHE CITY BAKERYでした。

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現在地を知り、自分の課題を発見する

人生における3分の1の時間を私たちは仕事をして過ごすと言われています。しかし、日本人の仕事満足度は、世界35ヶ国中最下位(Indeed社調べ)。日本において仕事に対する満足度が著しく低い理由として、「仕事は辛くて当たり前という考え方に行き詰っているのでは」という佐久間さんの投げかけからスタート。

では、どうすればデザインシンキングを応用して、そんな状況を打開できるのか?佐久間さんと小川さんが本でも紹介されている2つの役立つエクササイズを紹介してくれました。

佐久間さん:まず、どの方向に進むべきかを決める前に、現在地を知る必要があります。前進する道を”考える”のではなく”築く”、デザイナーのマインドセットを意識しつつ、本の第一章で紹介されている以下のダッシュボードを埋めてみましょう。

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”人生全体を構成する4つのカテゴリー、健康 / 愛 / 遊び / 仕事 の現状の満足度を評価する。あなたの仕事が他の人生の要素とどう噛み合っているかを理解する。著しくゲージが低いところに問題がある。”

この「現在地を知る」ためのエクササイズにおいてのコツは2点あるそうです。

①重力問題ではないことを確認する
ライフデザインでは、状況、環境、現実のような自分では解決できない物事は対象外とする。例:「広告業界全体の平均所得を底上げしたい」

②成功する見込みがかぎりなく低い物事は無視する
的はずれな問題にタックルしてしまうと年単位で人生を無駄遣いしてしまう。

実際に回答してくれた新入社員Aさんの回答を見てみると…

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「遊び」と「健康」の満足度は高いですが、「仕事」と「愛」がやや満足度低めとなっています。これで何が不足しているのがクリアになりました。

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仕事におけるパッションを探す

現在地が明確になったところで、「熱中できる道を探す」ために、より業務にフォーカスした次のエクササイズを行いました。

小川さん:まず仕事の活動(日常業務、ミーティングなど)を記録し、その活動でどれくらい熱中したか、エネルギーが湧いてきたかを記録します。行動記録を振り返り、パターン、洞察、意外な点、そこからわかることを考察し、なぜそのような感情になったのかをなるべく掘り下げましょう。

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実際にこのエクササイズを2週間続けた小川さん。行動記録を付ける際には、熱中度とエネルギーが必ずしも比例していないこと、いつフロー状態に入ったかを意識することが重要だそうです。例えば、新入社員Aさんの回答の一つには、「クラインアント提出資料の作成」という没頭できるため熱中度は高いが、その分エネルギーを消耗するといったタスクが挙げられていました。

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最後に、自分がどんな仕事に対して熱中するのか、逆にしないのかを「見える化」するために参加者全員でマトリックスを作成し、代表者に発表も行ってもらいました。

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One Life, Many You!

これらのエクササイズを一通り行い、人生に唯一の正解はないのと同じ様に、「人生は一回きりだけど、送れる人生は何通りもある。」というメッセージが伝わってきました。

普段仕事をしているとどうしてもパッションを感じない瞬間が訪れます。しかし、現状把握をし、視点を変えることや時には周りへ助けを求めることで、ポジティブなエネルギーに転換できるのではと感じました。また、人によって問題と感じている部分が全く違うので、「この人はこの問題に対して上手く解決できているな」と思ったら、ためらわずに解決策を聞いてみることも大切だと実感しました。

以下、プレゼンターの佐久間さんと小川さんからのコメントです。

佐久間さん:今回のプレゼンとエクササイズは“いまの仕事をもっと好きになれるようにプロトタイプする“という目的で意図的にデザインしています。単に本の紹介ではなく本を体験していただき自己発見していただいたということです。若い人はもちろん、ベテランの方たちも色々と自分に関する新たな発見があったのが今回の我々のファインディングスでした。人生の状況というのは時と共に変化していくので、このエクササイズを3ヶ月や半年おきのペースで定点的に行い自己分析を続けることで、毎日の仕事をもっと納得感と充実感を持って取り組めるようになると思います。皆さんも気になったら一度読んでみてください!
小川さん:みなさんにマッキャンでの仕事をもっと好きになってもらいたく、ライフデザインの本をご紹介させていただきました。人生は一回きりですが、デザイナーのマインドセット(好奇心、行動主義、視点の変換、認知、コラボレーション)をもっていれば、自分の人生を好きなように設計できます。また、人生で壁にぶつかったときに、どうやってその状況から打破できるのか、あるいはどうやっていろんな可能性を引き出すかも教えてくれるので、大変役に立ちます。みなさんも仕事やプライベートで行き詰まりを感じたとき、何かをチャレンジしたいけど勇気がないときに、ぜひこの本を読んでみてください。生き方そのものを教えてくれる貴重な一冊です。

来月もぜひお楽しみに!(おわり)