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生理の貧困と男性の役割

この問題は経済的な側面と機会損失という課題を内包している。でも一番の問題は「男性には身近でない、縁遠いから理解しにくい」と思われていることだろう。

本当にそうだろうか?それは僕たち男性側の想像力の欠如じゃあないのか?

殆どの男性は思春期の初めての夢精、精通の時のことを覚えているだろう。パンツを汚してしまって親に見つからないように洗った人も多いだろう。それが血の色で、漏れてズボンまで染みるほどの量で、腹痛や倦怠感を伴い、意図せずして毎月自分の身に起きると想像できたら、女性の生理に対してもっと労りの気持ちを持って配慮するのが当然だと思えるはずじゃないだろうか?

家庭で、学校で、職場で。女性たちが、生まれながらに大きなハンディを抱えていることに対して、男性たちが想像力を働かせることで、もっと思いやりの気持ちを持って相手に接することができ、ひいては女性たちの生き辛さを少しでも解消することに繋がるのでは?と思っている。

極端な話と思うかも知れないが、ホームレスや路上生活をしている女性の数は男性に比べて圧倒的に少ない。襲撃や性暴力に遭いやすいということに加えて、生理の処置に困るということもその理由だと思う。男性が安易にホームレスになれる等と言うつもりはない。ただ男性に比べてホームレスになるにしても女性のハードルは高いことも女性の生き辛さの現れなのだと想像することはできる。

20年前、娘が10歳の時に妻が病死して、娘の下着や生理用品を父親の僕が買いに行くのが恥ずかしかった。当時の薬局は今のようなスーパー型のドラッグストアはあまりなくて対面販売の店が多かったから、言わなくてもいい言い訳をしながら買っていた記憶がある。恥ずべきことでも何でもない当たり前のことなのだが、当時も今も男性が生理用品を買うことに対する偏見の目があるのは変わらない。

娘の初めての生理の時は学校の先生が処置して教えてくれた。子どもたちにとって特に初潮の時は色々困る訳だし、学校のトイレには生理用品を置くのが当然だと思う。まずそこから始めることで生活必需品としての軽減税率適用や、(実質)無償化の流れをつくることができるはずだ。選択的夫婦別姓の問題と同様に、このことを女性たちだけに任せず、生まれながらにして優位に立つ男性の側からも発信して社会を変えて行かなければと思っている。

#生理の貧困
#女性の生き辛さ
#想像力の欠如

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