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まいにち

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つまらぬものですが(つまらなくはない)
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2020年6月の記事一覧

ひろいキッチンだけが夢だった

どうしても居場所が必要だった。実家は居ごこちがあまりよくなくって、自分だけの、自分のためのキッチンが欲しくてたまらなかった。 それで、いまの家に住みはじめたのが20歳。 誕生日を飛び越えたとたん、印鑑を押してお金を払えばなんでもできてしまった。成人式には出なかったけれど、成人であることをなにより実感した瞬間である。貯金していたお金をぜんぶはたいて家出した時、いまよりもっと自由だったと思う。 (これは鍵を受けとって部屋の掃除をしにいった日。ひとりで雑巾がけをしたり。と

なんでもない夜に

べつになんてこったない、ありふれた夜だ。 だいだい色のテーブルライトだけが天井を照らしている。化粧を落とす気力無くそのままベッドに横たわっていて、足もとには猫。 聞こえるのは、おもての車道をゆくトラックの音と、扇風機が風をゆらす音。それからやっぱり、ぷすーぷすーという猫のいびきも。 いつもどおりの夜である。 わたしは最近、なんでもない。ほんとうになんでもないのだ。 昔みたいにひどくたかぶることはないし、消えてしまいたくなるほど自棄になることもない。あったとしても、大