テレビ系の都市伝説「訓練放送」について(※これはフィクションです)

※この記事はフィクションです。
※実在する個人、組織、団体および法律などとは一切関係ありません。
 なお、ストーリーの都合上、一部に実在する情報などを用いている場面がございますことをご了承ください。


謎の番組「訓練放送」とは

事の発端は2002年5月、某匿名掲示板のテレビサロン板のスレに書き込まれた「TARO」氏による一連の書き込み。
深夜にテレビで砂嵐を見ていた「TARO」氏が日本で大きな戦争が勃発したという臨時ニュースを見たが、実際には戦争など起きておらず不思議であったという。
元の投稿に番組名などは書かれていないが、ここでは便宜上「訓練放送」と呼ぶ。

2002年当時のスレッド(まとめサイトより引用)

28:名無しさん@お腹いっぱい。
投稿日:2002/05/09 19:52
5年くらい前の9月、深夜にテレビ眺めてたら急に砂嵐から変わって戦争みたいなニュースになったことある

29:名無しさん@お腹いっぱい。
投稿日:2002/05/09 20:06
>>28
どこ?関東?

30:名無しさん@お腹いっぱい。
投稿日:2002/05/09 20:32
>>29
茨城です
筑波放送だと思います

31:名無しさん@お腹いっぱい。
投稿日:2002/05/09 20:38
俺の家千葉で茨城波も受信できるけどそういうのは見たことないな
詳細求む

32:TARO
投稿日:2002/05/09 21:01
>>31
>>28 です
当時はたしか仕事で疲れ果てて、帰ってすぐ寝てました。
それでたぶん深夜に起きて、なんでかは覚えてないけどテレビをつけたんですよ。
当然そんな時間に番組なんてやってなくてなんとなく無心で砂嵐を見てたら急に画面が臨時ニュースみたいなやつに変わったんです。
アナウンサーみたいな人が青ざめた感じで「日本で大規模な戦争が勃発しました」みたいなこと言って避難を呼びかけてた。10分ぐらいそのまま。
そしたら死体?とか瓦礫とかが写って、なんだこれって思ってたら突然カラーバーになってそのあとは何も変わらなくて気づいたらまた寝てました。
朝起きてニュースを見ても日本で戦争なんてどこも放送してなかったし、夢かなにかだったんでしょうか…

33:名無しさん@お腹いっぱい。
投稿日:2002/05/09 21:13
でも96年に日本で戦争なんて起きてないよな?

34:TARO
投稿日:2002/05/09 21:27
>>33
そうなんですよね
またなにか分かったら書き込みます

(以後「TARO」氏による書き込みは無し)

直後のネット界隈

投稿がされた当初はあまり注目されてはいなかったが、2005年にかけて「深夜に突然奇妙な映像に変わる」という似通った特徴を持つ【NNN臨時放送】という都市伝説が話題になるにつれて、この投稿も徐々に注目されるようになった。
当時の捜索スレや考察ブログでは 実際に起こったニュースではなく局内での訓練のようなものが誤って放送されてしまった という説が最も有力視され、この一連の内容は「訓練放送」と呼ばれるようになった。
なお他に提唱された説は以下のようなものがあった。

  • 戦争が勃発した他の国からの異常伝播説

  • 自然災害での災害報道説

  • パラレルワールドの日本に繋がってしまった説

  • 「TARO」氏の過労による幻覚説

  • NNN臨時放送を基にした釣り(創作)説

8年ぶりに現れた「TARO」氏

そして時は流れ投稿から8年が経った2010年11月、停滞していた捜索スレが突如として再加速した。
あの「TARO」氏を名乗る人物が再び掲示板に現れ、独自に続けていた調査について捜索スレのスレ民たちに共有をしたのである。

2010年当時の捜索スレッド(まとめwikiより引用)

682:TARO:2010/11/22(月) 22:47:51 0
お久しぶりです。
2002年にテレビサロン板のスレに「訓練放送」のことを投稿した者です。
あれからいろいろなことがありましたので順を追って説明させていただきます。

684:TARO:2010/11/22(月)22:59:12 0
>>682
あの「訓練放送」を見た当時、私は福島の中でも茨城の電波を拾える地域に住んでいました。
そのためあの当時の私はてっきり福島のテレビだと思い込んでいましたが、番組表を見る限りどうやら茨城県の独立局(筑波放送)を見ていたようでした。
そして、たまたま「訓練放送」のことを茨城の電波が拾える栃木の友人に話してみたところ、その友人も私と同じように「訓練放送」を目撃していたことがわかりました。

688:TARO:2010/11/22(月) 23:34:28 0
>>684
それからというものの、ずっと動画サイトやインターネットアーカイブに「訓練放送」の映像がないかを探していたんです。
そして、ついに映像を見つけました。
youtu.be/xxxxxxxxxxx(リンク切れ)

689:TARO:2010/11/22(月) 23:41:30 0
>>688
しかし、リンク先を見ていただければ分かるように、動画は権利者(筑波放送)により削除されてしまっています。
このリンクの動画を見つけたのは今年の7月末で、見つけてすぐに栃木の友人に共有したものの、すぐに削除されてしまいました。

693:TARO:2010/11/22(月) 23:52:49 0
その後ニコニコ動画やインターネットアーカイブでも見つけた側から権利者により削除されてしまい、まるで存在することが許されていないかのようで不気味です。
筑波放送に問い合わせてみましたが「訓練の内容を流した可能性は否定できませんが、既に記録が破棄されているためお答えすることはできません」と返されました。

694:TARO:2010/11/23(火) 00:09:03 0
この放送が一体何だったのか、誰が何のために放送したのかは今でも分かりません。ですが、あの日見たものがただの幻覚ではないと信じています。
もし他にこの放送を見た人がいたら、どうか情報を共有してほしいです。

(これ以降「TARO」氏による書き込みは無し)

その後の捜索の流れ

その後、関東圏や東海圏などの何人かがTARO氏や氏の友人(栃木在住)のように「当時あの放送を見た」と名乗りを上げたが、いずれも既存の情報とほとんど同じで有力な情報とまではいかなかった。
そして、何度も「映像を見つけた」という報告が上がるにも関わらず、すぐに動画が権利者によって削除されてしまうという不可解な現象も続いているという。

「訓練放送」についての考察

目的

重要になってくるのが「なんのために放送されたのか」という目的について。
以前から推測されているような「訓練のため」だけであればここまで徹底的に存在を抹消する必要はないはずである。
放送局がやらかしたのであれば素直に認めて既成事実として過去のものにしてしまったほうが遥かに楽なのだ。
ではなぜ存在を抹消するのか。
我々が見てはいけない、我々に見られてはいけない何かがあったのではないかというのは容易に想像がつく。

過去の事例で言えばアメリカのローカル放送局であるLocal58で度々発生している放送事故に近いものがあるのではないかと考える。
これらはある種アナログ放送を続ける上での重大な懸念点とも言える。

Local58も筑波放送(現 SBH)も2021年頃までナログ放送を続けていた。
そもそも2011年のアナログ放送廃止は携帯電話等の爆発的普及に伴う周波数帯の飽和を解消することを目的としていた。
また、理論上はアナログ放送でも同じ周波数の信号を局側の電波より強く送ることで電波ジャックは可能である。

よって私は「何者かによって行われた、放送局が送出するよりも強い電波による電波ジャック」ではないかと考えた。

誰が行ったか

では仮に電波ジャックと仮定した場合、この「訓練放送」は一体誰が行ったものなのだろうか。
前述のように、「訓練放送」を筑波放送が行っていた場合、事実認定をしてお詫びすれば済む話である。抹消の必要など全く無い。

抹消しなければならないということは何か見られてはまずいものが映っていたと考えるのが妥当だろう。
TARO氏の話の中で「訓練放送」は開戦の内容という旨があったが、この時期に国内で該当する戦争はない。そんな中で死体や瓦礫が映ればおのずと気になるだろう。
私はこれこそが抹消しなければならない理由=「見られてはまずいもの」だと思う。

つまり、こちら側では起きてもいない戦争による死者や倒壊した建造物、それを見られたり知られたりしたくないのだとしたら辻褄が合わないだろうか。
突拍子もない話だが今までの話を総合すると最も可能性が高いのだ。
電波ジャックも動画の抹消も、我々の技術力を超えた強大な力を持つ別の世界からの干渉であれば説明がつく。

果たしてこの考察が事実、あるいはそれに近いものなのかを知ることはできそうにないが、この記事をご覧になった皆さんの中で「訓練放送」を見たことがある方はぜひその情報を共有してもらいたい。

蛇足

※ここからは記事本編中での設定・状況についての蛇足です※

時系列

1984/04 ㈱筑波放送(TSB)がテレビ放送を開始し、ラテ兼営局へ転換
1996/09 TARO氏らが筑波放送にて謎の開戦を伝える臨時ニュース(以下「訓練放送」)を目撃
1999/05 匿名掲示板「2チャンネル」がサービスを開始
2002/05  TARO氏が2ちゃんねる(当時)のテレビサロン板のスレッド『テレビ見てて怖い思いした話ある?』に「訓練放送」のことを投稿
2004〜2006 「NNN臨時放送」や「訓練放送」についてまとめ・考察するスレや記事が複数投稿される
2007〜2009 YouTubeに投稿された「NNN臨時放送」の再現動画が話題になる
2010/11 TARO氏が2ちゃんねる(当時)のテレビサロン板のスレッド『TSB 2002年の「訓練放送」の謎を解き明かすスレ』に2002年の投稿以後のことを投稿
2014/04 ㈱筑波放送がテレビ放送開始30年目を迎える
2017/10 「2ちゃんねる(2ch.net)」が「5ちゃんねる(5ch.net)」へ名称とドメインを変更
2021/06 社名を㈱筑波放送(TSB)から㈱柴峰文化放送(SBH)に変更、2021年度後期より事実上デジタルハイビジョン放送へ完全移行

「訓練放送」の設定

1996年9月某日の深夜に、放送休止中(砂嵐)であった筑波放送の画面が突如切り替わり、日本国内で戦争が勃発したという存在しない臨時ニュースを伝える。原因は不明、筑波放送も質問に回答する気はない。

【別世界】の電波が干渉して筑波放送の電波を一時的に乗っ取ったという設定。
世界大戦の続いていた【別世界】の政府は憲法に基づいて戦争を行わないため約140年ぶりに実質的な鎖国政策を打ち出していたが、それが気に食わなかった大陸の某国が日本に直接戦争を仕掛けたため、臨時ニュースとして開戦を伝えた、という裏設定。
【別世界】の日本は当時のこちら側の日本より技術がかなり進んでいたために、当時のこちら側の日本に干渉するレベルの電波を出していた。それを放送休止中であった筑波放送の中継局が拾ってしまい、その瞬間をTARO氏らは目撃したという感じ。
当然ではあるが待機していたTSBの職員や作業点検の整備員たちは予定にない放送をぶった切らざるを得ず、【別世界】側もこのことを把握し即座に電波の出力を変えたためカラーバーに戻った。
その後、社内の誰にも原因がわからないこの「放送事故」については決して触れてはならず話してもならないという暗黙の了解が生まれ、自分たちの存在や技術が明るみになるのを恐れた【別世界】側はなおもこちら側に干渉を続け、証拠を抹消し続けている。

謝辞

原案:しょうすけ・りー(@RheeWooChang)
架空放送局 SBH(旧TSB)の作者様です
お時間があれば、SBHについてのnoteや本記事の基となったショート動画などもどうぞ

協力:ゆうき TV メイン(@T8Loh)

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