見出し画像

中央大学を志す方へ

こんにちは、中央大学経済学部所属の葵井と申します。
先日弊学より2024年度の募集要項が公開されました。日に日に近づく入試の足音に、受験生の皆さんの中には不安を募らせている方もいらっしゃることかと思います。
今回は中央大学、通称中大を受験される皆様に、弊学1年生の私から中大の実情をお伝えすると共に、受験に向けての激励の言葉を掛けさせて頂きたく思います。よろしければご一読くださいませ。


中央大学をどう位置づけるか

中央大学はご存知のとおり、首都圏難関私立大学の一角として名の知れた歴史ある総合大学です。
1885年に設立された英吉利法律学校を前身とした中央大学は、爾来数多の変遷を経て現在8学部を擁する一大大学へと成長しました。今後数年内には新たに健康スポーツ学部と農業情報学部が新設されることも明らかとなっており、更なる学生数の増加が見込まれています。

ところで皆様は中央大学に対してどのような印象をお持ちですか。法科の中央、GMARCHの一角。世間では様々な声が聞かれます。難関私大だと仰る方もいれば、中央大学は難関私大ではない、要するに「大した大学」ではないと仰る方も少なからずおられます。大学が何かと偏差値で比較される今日、中央大学の偏差値は確かに最高レベルとは呼べない数値を示しています。
決して低くは無いが、お世辞にもとても高いとは言えない。それゆえかインターネットの世界では中央大学を貶すホームページや中傷する発言も数多く見受けられ、一中大生としては非常に胸が痛みます。(私が受けた印象ではありますが、なぜかインターネットでは中央大学を目の敵にして口撃する方が数多くおられるように思えます。なぜなのでしょうかね……)

ではこの偏差値に基づく大学のポジショニングは本当に正しいのでしょうか。
今回はまずこの点について、入学から半年余りが経った私の視点から述べさせていただきたく思います。

中央大学で過ごす日々

実を申しますと私は中央大学を当初志望校に据えてはおりませんでした。某国立大学の法学部と文学部への進学を希望し、1年間の浪人生活を送りました。しかしながらその夢はどちらも叶わず、多浪の文字が現実味を帯びてくる中で共通テスト利用方式の存在を思い出しました。とにかく多浪は避けたい、その一心で藁にも縋る思いで期間的に出願が可能であった中大を受験しました。

聳え立つ多摩キャンパス

合格が出るや否や慌てて準備を済ませ、私は上京しました。既に中央大学多摩キャンパスにお越しになられた方なら分かってくださると思うのですが、中大のキャンパスは大変堅牢な造りとなっています。折角ですので多摩キャンパスについて少々説明させていただくことにします。
移転からまもなく50年を迎える多摩キャンパスは確かに老朽化している箇所も見受けられますし、所謂ゲリラ豪雨の際には冠水してしまいます。また4号館(通称サークル棟)はかつての学生運動の痕跡がを色濃く残る、大変香ばしい建物となっております。(実は当初、私は4号館から醸し出される雰囲気を禍々しく思っていました。しかし慣れとは恐ろしいもので、半年も経つと余程の夜遅くでない限りは何とも感じなくなりました。)


夜の多摩キャンパス、フォレストゲートウェイを仰ぐ

4号館のお話はさておき、中大多摩キャンパスは大変広大な敷地を有していることでも知られています。一説には千葉県浦安市にあります某有名テーマパークの双方を足した面積に等しいとか…。

その広い敷地に経済学部、商学部、文学部、総合政策学部、国際経営学部が設置されています。
その敷地の広さが新入生を襲うことになるのです………。

中央大学多摩キャンパスへの通学は基本的に多摩モノレール「中央大学・明星大学前駅」を利用することになります。その際文学部や国際経営学部の方は比較的駅から各学部棟への距離が短く、通学が非常にしやすくなっております。その反面経済学部、商学部、総合政策学部の方は………。片道約1キロメートルを踏破しなければ学部棟へは辿り着けないのです。(実はこの学部棟の配置にも深い理由があるのですが今回は触れないでおきます。)入学当初はこの道のりがとにかく苦しいのですが、いつの日か慣れる時が来るでしょう。これも精神力と忍耐力の涵養になります、頑張りましょう。


中大生の精神

中大は世間一般においては「硬派な大学」であるとしばしば評されます。真面目で勤勉な学生が多いという声は様々な年代の方から聞かれます。
私自身も中大に入ってこの「質実剛健さ」を日々実感しています。(この校風が末永く護持されることを私は願っています。)

まず入学時から希望する進路を明確に定めている方がとても多いです。弁護士や公認会計士、公務員は勿論、民間企業を希望する方にも具体的な社名を概ね決められている方がとても多いです。

インターネットではこうした声も聞かれます。

「第一希望で中央大学を志望する人はいない。」

実はこの点に関しては強ち間違いであるとは言えないのです。。一般入試で中大に入学した方の多くは、国公立大学や他の私立大学を併願しています。
残念ながらそちらの合格を勝ち取ることができず、最終的に中大に入ってきたと答える方が非常に多いです。

中大が理不尽にも中傷を受ける根底として、こうした点が影響を及ぼしているのかもしれません。

しかし中大に関してはこの点が寧ろ良い効果をもたらしているように私には思えます。
中大生の多くには寛容の心があります。内部進学、指定校推薦、AO入試、そして一般入試。中大は比較的一般入試で入学する方の割合が低くなっています。しかし、よく世間で聞かれるような「一般入試組VS推薦組 」といった対立が全く聞かれません。中大には共助の精神が宿っている、と言っても過言ではありません。共に学び、共に支え合い、共に各々の目標実現を応援する。そうしたやり取りを頻繁に目にします。

資格試験や公務員試験にめっぽう強いと古くから評されてきた背景には、こうした学内の雰囲気があるのだと思います。

寧ろ中大に来たからこそ夢を実現できた、世界に羽ばたくことができたと仰る卒業生も多くいらっしゃいます。中大生として勉学に励み、一生の友と出会う。そんな学生生活を送ってみてはいかがでしょうか。斯く言う私も現在公務員や大学院進学など、様々な進路を模索しております。

講義について(経済学部の事例)

中大は国内有数の大規模総合大学であるゆえ、様々な分野を専門とされる教授・講師の方々が多数いらっしゃいます。同じマクロ経済学やミクロ経済学の講義を持たれている方でも、経済学に対する捉え方は三者三様。先生方それぞれのお考えを聞き、その差異を考えるのも楽しいものです。

必修の英語や第二外国語の講義は、担当される先生によって講義の難易度が変動します。非常に多くの準備を要する講義も存在し、大きな負担になる場合もあります。しかしその時こそ先述した共助の精神で乗り越え、成功を収めたときの喜び、達成感は筆舌に尽くしがたいものがあります。(笑)

さらに基礎マクロ経済学や基礎ミクロ経済学については大変高度な内容が扱われます。「私文にこれを勉強させるのか………。」と絶望する声も多々聞かれるのですが、経済学は文系と理系が融合した学問です。これを乗り越えなければ経済学を理解できる日は永遠に訪れない、と先輩方は口々に言われます。大変難解な概念ではありますが、理解できた際には疲れもきっと吹っ飛ぶことでしょう。(笑)

その他健康スポーツ・科学論と呼ばれる講義も要卒単位に含まれています。経済学と何の関連があるのかと訝しまれる方もいらっしゃることでしょう。しかしこの講義で学べる知識は一般教養として必ず活きる日が来ると言われます。医療の分野を軸に据えて淡々と行われる講義は非常に興味深いです。難しい講義ではありますが、これも「実地応用の素を養う」ことにつながります。頑張りましょう。


中大を受験する上で

皆様はきっと今頃中大の過去問を解かれていることでしょう。中大の入試問題は所謂難問・珍問は出題されません。残り時間はそう多くありませんが、出来る限り基本事項を押さえ、確実な確固たる知識を築いてください。中大の過去問がしっかりと解ける方は、高校で学んだ知識・あなたが自らの手で掴まれてきた知識がしっかりと頭に詰まっている理想的な受験生です。共通テストや国立大学2次試験、その他私立大学の入試問題の対策に追われている方も多いことでしょう。しかし中大の入試問題は非常に良問です。もし他の問題を解いていて引っかかるところがあれば、中大の過去問の関連した箇所を見直すことも大切です。(個人的には、英語の問題は立命館大学の入試に似ているように思えます。)

この記事を読んでくださった皆様に吉報が舞い込むことを、八王子のシギリヤロックから祈っています。


最後に

約三年間に及んだコロナ禍も日々収束の一途を辿り、再び世間はその歯車を元通り回し始めました。しかし歯車が止まっていた期間にも「入試制度」は刻々とその姿を変えてきました。私たちはこの入試改革に振り回されてきました。

しかしここで挫けるわけにはいきません。入試制度が変わったから上手く行かなかった、例えそれが事実であろうと世間は受け入れてはくれません。
大学受験をされる皆様には、各々目標があることと存じます。高邁な理想を標榜されるも良し、目の前の小さなことからのステップアップを望まれるのも良し。十人十色多種多様な望みがあるはずです。
世の中は不条理にも、学歴により社会的地位がある程度定まってしまうものです。入試は問題点も多々存在しますし、本人には如何ともし難い外的要因による格差までもが存在してしまう不完全な存在です。

この入試の波を乗り越え、皆様が図南の翼を広げ日本へ、世界へと羽ばたかれることを祈念しています。
ご覧いただきましてありがとうございました。


辞書尚友・経済学会・統計学会・文学会
葵井


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?