最近読んだ/見た、小説/漫画/映像作品感想メモ_202004〜05

いつもはTwitterで脈略もなく喚いてるだけなのでまとめたくなって、書いたもの。
備忘録も兼ねて月一ぐらいで習慣化したい、という気持ち。
ネタバレはしないように気を付けているので原則ない……と思う。
202004~05分。

●読んだ・見たもの

小説

『厭魅の如き憑くもの』三津田信三


結構前に友達に「ホラー読みたいです!」って言ったら渡された何冊かの一つ。同作家の「ついてくるもの」「のぞきめ」が面白かったので合ってるのかもと思ってシリーズに手を出す。「刀城言耶」シリーズの一作目らしいです。
内容はホラーというよりもホラーミステリだったんだけど、これが結構好みだった。怪異の仕業としか思えない一連の殺人事件が、最終的には理屈がつけられて説明されるというのが、TRPGのCoCのセッション後シナリオ解説( KPに色々説明してもらってなるほどーってなるこのパートが自分は一番好きです)的で読んでて非常に気持ちがいい。もちろんそれが真相なのかは分からなくて(劇中ではあくまで主人公たちの解釈の一つとして説明される)、本当は全て怪異の仕業だったのでは……という謎が残るという塩梅も良い。
色々と思った以上に好みだったのでびっくりした。ホラーもミステリもあんまり読んできてないんだけど、ホラーミステリ好きなのかもしれん……。
主人公の刀城言耶くんが怪奇譚クソオタクなのも可愛くて好き。
多分シリーズ二作品目以降も読むと思う。

『人間たちの話』柞刈湯葉


「横浜駅SF」の柞刈湯葉のSF短編集。
あらゐけいいち先生による表紙がめちゃめちゃに良くて、文庫本としてすごく可愛い。
内容としては、バカSFあり、パロディあり、不気味なお話もありというバラエティに富んだエンタメ色強めのSFが、軽快な文章で語られる。
消化器官を持つやつなら全員客と豪語する宇宙ラーメン屋の話「宇宙ラーメン重油味」、ジョージ・オーウェルの1984年の裏側をコミカルに描く「たのしい超監視社会」、突然自室に現れた巨大な岩と同居することになる「記念日」あたりがすごく好みで、他の話も面白くほぼ一気読みになってしまった。
軽くて読みやすいし、楽しいし、可愛いし、凄く良い本だった。
「横浜駅SF」は未読なので、そのうち読みたい。


『Genesis 2 白昼夢通信』


創元から出てる書き下ろしSFアンソロジーの第二弾。
第一弾(一万年の午後)からそうなんだけど、カシワイさんの表紙を含めた装丁が本当に可愛くて、つい実物を買ってしまうんだよな……。
内容としては粒揃いのSFアンソロジーという印象。
空木春宵「地獄を縫い取る」と石川宗生「モンステリウム」が凄く好み。
「地獄を縫い取る」は性犯罪を取り締まるためのAI・ジェーンと室町時代の遊女・地獄太夫が並行して語られる、恐ろしげな雰囲気を持つ伝奇SF。劇中に登場するデバイスに〈蜘蛛の糸〉という名前がついていて、「スパイダースレッド」とルビが振られてるこのセンスが好き。
少し前に読んだ同作家の「終景累ヶ辻」(『時を歩く 書き下ろし時間SFアンソロジー』収録)もホラーテイストの伝奇SFで、凄く良かったな。伝奇もの、時々無性に読みたくなる時期がある……。
「モンステリウム」は町の広場に突如として現れたはいいけどちっとも動かない巨大モンスターとそれを取り巻く人々とその日常の話。
同作家の「吉田同名」(普通のサラリーマンの吉田さんがいきなり20000人ぐらいに増殖するSF。石川宗生『半分世界』収録)と同じく、奇妙奇天烈としか言えない話が淡々と語られていて、独特の空気感がすごく魅力的。もっと読んでいたくなる。
「吉田同名」は確か日本年刊sf傑作選で読んだので『半分世界』は未読。これもそのうち読みたい。
読みたい本が無限に増えていく……。


『しあわせの理由』グレッグ・イーガン


一応SF好きって言ってるけど、そういえばイーガン全く読んだことないと思ってちょっと調べ、入りやすいらしい短編集から触れてみることに。
なんというか、難しい……おれは雰囲気でイーガンを読んでいる……。
全然似てない双子の姉妹が、遺伝子由来の感染症にかかって改めてお互いを意識する「血をわけた姉妹」が好きだった。
後半、展開が一気に加速するのが良い。
アクションSF映画的雰囲気のある「闇の中へ」や幸福感がテーマの表題作「しあわせの理由」も面白かった。
正直、なるほど分からん……てなる話も多かったので、今後色々読んでイーガン作品楽しみ方を学びます……という感じ。
次は「祈りの海」か「順列都市」あたりを読む予定。買うだけ買ってはいる。


『My Humanity』長谷敏司


「あなたのための物語」や「BEATLESS」の長谷敏司のSF短編集。
上記長編二作、なんだか合わなくて序盤で投げてしまった過去があり、若干の苦手意識があったんだけど、大森望、伴名練の『2010年代SF傑作選』で「allo,toi,toi」(『My Humanity』にも収録)を読んでめちゃくちゃ面白かったので、短編はむしろ好みかもと思い、読もうかなーと。
「allo,toi,toi」は小児性愛者の矯正のお話で、正直内容的に読むのしんどいんだけど、凄く良い。何か好きなものがある人、いわゆるオタク的人種なら刺さると思っている。「好きが世界を回す」んだよな……。
「父たちの時間」はナノマシン禍における研究者の苦悩の話。ナノマシンの霧を恐れて、街中の人がマスクをつけてるというシーンがすごくタイムリーで、良いタイミングで読んだかもと思った。
「あなたのための物語」、再挑戦しようかなあみたいな気持ちに。

漫画

『シャドーハウス』ソウマトウ


推し(我が推し、バーチャルYouTuber 名取さなちゃんのことです)のオススメ。
顔を持たない“シャドー一族”とその世話をする“生き人形”の話。現在、既刊四巻。
主人公である生き人形エミリコとその主人ケイトを中心に、奇妙な日常の中で一族や生き人形に関する謎が徐々に明かされていく、ちょっとダークな漫画。気になる謎が多すぎて、続きがめちゃくちゃ気になる〜〜。
キャラクタの可愛さと設定の不気味さのバランスが絶妙。
ジョン様とショーンくん、パトリック様とリッキーといった男の子コンビがめちゃくちゃ可愛くて好き。


『北北西に曇と往け』入江亜季


友達にずっと勧められていた。勧められてすぐ読まなかったことをちょっと後悔した。
アイスランドが舞台のジュヴナイルミステリ。現在、既刊四巻。
主人公は機械と会話ができる御山慧っていう男の子なんだけど、この慧くんがあまりにかっこいい。やることなすことかっこいい。好き。
日本から親友の清くんが訪ねてきて、慧くんがアイスランドを案内する話があるんだけど(というか二巻はほぼ全編それ)二人の仲良しさとアイスランドの美麗な景色がすごく魅力的に描かれていて、読んでいて幸せな気分になった。
ミステリだけあって、これも続きが気になる。ちょっと怖い。リリヤちゃんは可愛い。


『スキップとローファー』高松美咲


友達のお勧め。現在、既刊三巻。
高校入学を機に地方から上京してきた主人公のみつみちゃんと、それを取り巻く人々の話。
優しい……世界が優しい。
みつみちゃんと志磨くんの関係性も良いし、みつみちゃんの友達になってくれる子たちがみんな良い子で可愛くて、すごく癒される……。


『メタモルフォーゼの縁側』鶴谷香央理


とっても好き漫画。これも現在。既刊四巻。
ひょんなことから本屋でBL漫画を手に取ってしまったお婆ちゃん市野井雪と、その本屋でバイトしていた内気な女子高生佐山うららがその作品を介して友達になるところか始まる日常漫画。
なんだか素朴で、でもときめきに満ちていて、すごく優しい世界が描かれていて、読んでてもう〜〜泣いちゃう。
75歳にして意外なものと出会い、歳の離れた友達ができた雪さんの可愛さとか、人付き合いが苦手なんだけど、雪さんとちゃんと仲良くなりたいうららちゃんの不器用さとか、色んなものがとにかく愛おしい。
なんだか無性に人に読んで欲しくて、最近勧めまくっている……読んで……。


映像作品

『ストレンジャー・シングス』


Netflixで配信されているSFホラードラマ。
1980年代アメリカのとある田舎町を舞台に、超常現象や怪物に少年少女たちが立ち向かっていくお話。
シーズン1、シーズン2を見て、今シーズン3中盤あたりを見ている。
ポップカルチャーに対する熱いリスペクトと仕込まれた小ネタ(自分は疎いので、正直全然拾えないけど……)だったり、毎シーズン後半の息を吐かせぬ展開だったり、キャラクタの恋愛模様だったり、好きポイントはいっぱいあるんだけど、もう何よりスティーブとダスティンのコンビが好き過ぎて、もはや辛い。
シーズン1では特別絡むこともない、傲慢でただの嫌なヤツだったスティーブと冴えないお調子者の少年ダスティンの二人が、シーズン2を経てシーズン3では歳の差を感じさせないめちゃくちゃ仲良いコンビになるんですけど、これがとにかく可愛い。助けてほしい。可愛いに殺される。
誰かとスティーブとダスティンの可愛さを分かち合いたいんだけど、周りにストレンジャー・シングス見ている人がいない。寂しい。そのうち友達にNetflix数ヶ月分金払うから見て!!!って言い出しかねない。それぐらい見てほしい。スティーブとダスティンを……。


『ブラック・ミラー』


同じくNetflixで配信されているSFアンソロジードラマ。
SFと風刺色の強い「世にも奇妙な物語」という感じ。
シーズン2までは見たはず。
大統領が豚と性行為を強いられる事態になる「国歌」、起きたら全世界から狙われていて、訳も分からず逃げる「シロクマ」、人をブロックできるようになった社会を描く「ホワイト・クリスマス」あたりが今のところ特に面白い。
基本的に暗い話ばかりなので、連続で見ると段々辛くなっていく。でも面白いので次を見ちゃう。

●今読んでいる・見ているもの


『マーダーボット・ダイアリー』マーサ・ウェルズ


人型警備ロボット「弊機(これが一人称)」が主人公のSF小説。
まだ二章の途中。
弊機くん、ロボットのくせに内気で対人恐怖症で、顔を見つめられるとパフォーマンスが落ちたり、一人で連続ドラマを見るのが趣味だったり、ええ……めちゃくちゃ感情豊かで可愛いじゃん……となってる。


『プリパラ』


推し(名取さなちゃんのことです)が魂の作品と言って憚らないアニメ。
本当に最近見始めたのでまだ9話ぐらい。
まだ出てきてないからわからないけど、多分、ドロシーとレオナ好きになる気がする……。


●推し


『名取さな』


ば〜ちゃるな〜す。
可愛い。
最近よく読んだ漫画を教えてくれる。


おしまい。

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