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【発音音声付き】「発熱」って医療英語でなんていうの!?

こんにちは。あおい医療英語・英会話スクール、講師の沼田です。自分の働いている病院やクリニックに外国人が来院し対応に困ってしまった、という体験はありませんか?外国人患者さんへどう対応していいかわからない…、という医療従事者の方々へ英語でどう応対すればいいか、を解説していきます!

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「熱が出た」

「熱」というと fever と思いがちですが、それはあくまでも一般的に使われる英単語です。看護記録でも「熱が出た」とは書きませんよね。「39℃の発熱」というように書くと思います。同じように英語で看護記録を書く場合、公文書になるので「熱が出た」という風には書きません。患者がそのように話していることを表すのであれば患者が言った通りに書きますが、看護師や医療従事者が記録する場合は「発熱」にあたる単語を使います。

それは「febrile」です。

しかしこの「febrile」という単語は「fever」の形容詞型になるのであながち意味が全くわからないというような単語ではないのかな、と思います。発音としては「フェブライル」となりますが、「R」と「L」の発音に注意しなければなりません。カタカナになると「フェブライル」と「R」と「L」の違いに関係なくラ行で表されますが、「ラ」は「R」発音になり、「ル」は「L」発音になります。

では「R」発音はどうすればいいのか。イギリスやイギリス英語に近いオーストラリア英語であれば「R」の発音は日本語の「ラ・リ・ル・レ・ロ」に近く、アメリカ英語と比べて個人的にはさっぱりとした印象があります。また、英語らしくするのであれば「R」を発音する前に口を「ウ」の形にし、「R」の前に「ゥ」(小さいウ)を付けるようなイメージで「ラ」と発音するとより英語らしい「R」発音になります。「R」発音時には舌先を軽く丸めます。反対にアメリカ英語だと「ウ」と「ゥ」は変わりませんが舌先を丸めるのでより巻き舌になります。

「L」発音は日本語の「ラ・リ・ル・レ・ロ」そのままなので英語を学習している日本人は「L」発音が難しい、ということはあまり聞きません。しかしここにも注意が必要です。英語は日本語と違い、舌をよく使います。「th」が一番わかりやすい例ですね。「ラ・リ・ル・レ・ロ」は舌先を上顎前歯の根元あたりに当てさらに唇も使って発音します。「L」は舌先を上下の前歯の間に少し挟み込むようにしてから舌を口の中に引き戻します。その時に「L」の発音をします。

「熱が下がった」

また、発熱していた患者の熱が落ち着いた、解熱している状態を表す単語もあります。申し送りなどで実際に言う機会はありませんが、看護記録などでは時たま登場する単語なので覚えておいても損はないと思います。

熱が下がった状態、解熱している状態を表す医療英語は「afebrile」です。

医療用語における「a」はその後の単語を否定する意味になります。この「a-」は「prefix」と言って単語の先に付くものです。付く単語・付かない単語など細かいルールはありますが、もし付くのであれば必ず単語の先頭に来ます。これで「熱が無い」という状態を表す医療用語になるのです。しかしこれは「熱がある」という状態を表すだけの単語です。では解熱剤はどうなるのでしょうか。

解熱剤はどう言えばいい!?

解熱剤は看護師などが使用する薬のハンドブックなどでは「anti-pyretic medication」と表記されています。「pyretic」は「febrile」と同じ意味の単語になりますが「発熱している」という意味では使いません。主に解熱剤という単語の中で使われます。ですが、この「pyretic」は prefix である「a-」が付けられません。なので反対の状態を表す別の prefix 「anti-」を使います。最近はネット用語として「アンチ」が使われていますが、同様の意味です。

これもオーストラリアの病院や看護師同士の会話や申し送りなどでは「anti-pyretics」と言われます(私もよく言ってました)が、看護記録では書けません。そもそも看護記録では使った薬剤名が書かれるのでスペリング(綴り)を覚える必要はありません。ですが、薬剤を調べた時に分類で「anti-pyretics」などと書かれている場合が多いのでそれを理解する必要はあります。

では解熱剤を処方するためにまずは体温測定をしましょう。

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