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昇進試験に落ちたら

会社員というか社会人をしていると昇進するために試験を受けることがあります。試験内容は会社によって違います。英語や専門知識を問う筆記試験を課す会社もあれば、面接だけの会社などさまざまです。そんな昇進試験ですが全ての人が合格するわけではありません。不合格となってしまう人もかなり多くいます。そもそも試験を受ける時点で選抜されるため、昇進試験はかなり狭き門と言えるでしょう。
1回で合格する人もいれば、何度も何度も受けてようやく合格できた人もいます。私自身、いくつもの試験を受けていますが、それぞれ何度かずつ不合格となっています。はっきり言って「今年は残念な結果でした」と上司に言われる度に落ち込んだものです。特に若いときに不合格になったときの対応は振り返って考えてみると間違ったものだと思います。そんな私の不合格体験から、不合格時にどうしたらよいかをお話ししたいと思います。

昇進試験に落ちたときに思うこと
昇進試験に落ちると「自分より年下のあいつが受かってなんで自分が落ちるんだ。自分よりも出来が悪いのに、、、、」と昇進試験に受かった者と自分とを比較してしまうでしょう。
そして、悔しい気持ちで悶々とする日々を過ごしてしまい。
人によっては仕事に身が入らなくなってしまったり、場合によっては会社を休んでしまうこともあります。悶々とする期間は人によってさまざまです。なかなか悶々とする状態から回復できず最終的に会社を去ることを選んだ人もいました。それほどこの昇進試験というものは心の負担になるものなのです。特に落ちてしまうと「この世の終わり」とさえ感じてしまう人もいるのです。
それはきっと会社に依存し過ぎているためでしょう。
会社のためにがんばること、周囲の社員と切磋琢磨すること、一生懸命に仕事をすることなど、とても素晴らしいことではありますが、人生の100%を会社に捧げ依存してしまう可能性があります。昇進試験を受けるまで10年近く会社でがんばってきたとすると、その依存度というのはかなり大きいかもしれません。10年付き合った彼女にプロポーズしたら断られたくらいショッキングな出来事と言えるかもしれません。そりゃ落ち込みますよね。だから、人生の100%を会社に捧げ依存してはならないのです。

100%会社に依存しないために
会社はあなたの人生を一生面倒みてくれません。何かあれば会社はあなたのことをスパっと切り捨てます。会社にとってあなたは多くの社員の中の一人でしかありません。決して一生懸命に働くのは馬鹿馬鹿しいと言っているわけではありません。一生懸命に働くことはとても素晴らしいことです。常にそうあるべきです。しかし、誤解して依存してはならないということです。吊り橋効果というのを聞いたことがあるかと思います。吊り橋の上に男女がいると怖さでドキドキしているのに、恋心のドキドキと錯覚してしまうことです。これと同じことが会社とあなたの間で起こることがあるのです。一生懸命にがんばって仕事をしているとときに評価され嬉しくなります。当たり前ですね。あなたの働きに会社が相当の対価を支払っているだけなのですが、会社が自分を認めてくれている。会社にとって自分は必要な人間なんだ。会社は自分がいなくてはならない。などと会社があなたを特別な存在であると思っていると変な解釈をしてしまうことはとても危険です。
また、連続強化とか部分強化という言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか?いわゆるギャンブル依存症に関係する心理作用です。ギャンブルの例で簡単に説明すると最初のうちはやれば必ず勝てるという経験を継続的にします(連続強化)。十分な連続強化の後、勝てなかったり勝てたりをランダムで発生させます(部分強化)。最初の連続強化で勝てるということを刷り込み、その後の部分強化でやっていればいつかは勝てると続いて刷り込むことで、ずっとやっていればいつかは勝てると思って有り金全てを失ってしまうのです。
会社でも同じようなことが起こっています。最初のうちは簡単な仕事ということもあって一生懸命やっていれば必ず達成でき褒められます。給与も低い水準なので比較的簡単に評価され昇級することでしょう。しかし徐々に階級が上がっていくと難しい仕事を担当し、一生懸命にやったとしても期待されるれる結果に結びつくかはわかりません。その頃には給与も高くなっているので、そう簡単には評価されなくなるでしょう。意図的ではないにしてもギャンブル依存症と同じく連続強化と部分強化によって延々と一生懸命働く、会社命で評価されるまで身を削って働くようになってしまうのです。まさに依存状態と言えるでしょう。ギャンブルも生活ができなくなってようやく気づくように、相当の大きな衝撃がないとなかなか気付けないものです。気づいたときにはどうしようもないことの方が多いかもしれません。会社でも同じように会社依存に気がついたときには手遅れなんてこともあるのです。
1日のうちに多くの時間を過ごす会社ですから、依存してしまう気持ちはわかります。だからこそ会社に依存しないために一番最初にすべきことは「会社は依存性のあるものだ」ということを理解することなのです。少なくとも「会社は依存性のあるものだ」と理解することで自分の行動を変えるきっかけになるはずです。
その上で会社に依存しないために私が勧めたいことは2つあります。1つ目は自身のスキル向上であり、2つ目は趣味を持つことです。今勤めている会社は「たまたま今は勤めているだけだ」と考えて、自身が関心のあるスキルや資格を取得し他の会社があなたを必要としてくれる人材になることです。他の会社が必要としてくれている人材になれば、きっと今の会社も必要としてくれることでしょう。それでも依存はしないように気をつけましょう。あくまで主体はあなたです。あなたがあなたの関心や興味を根幹としてスキルを高めることが肝要なのです。
そして2つ目の趣味。これは当たり前すぎ〜っと言われそうですが、これを持っていないと来るべき日に大変なことになります。その来るべき日とは定年です。定年したときに会社依存症の人は趣味があるかないかで燃え尽き度が変わってきます。そのためにもスキルアップだけでなく負担なく老後までできるような趣味を1つ持っておくとよいでしょう。こういった趣味を持つことで現職世代も会社に依存しなくなる確率がかなり高くなると思います。
しかし、何度も言うように一番大事なことは「会社は依存性があるものだ。だから会社には絶対に依存しないぞ」と思うことです。

落ちたときに一番やってはいけないこと
昇進試験に落ちたとき、なんで自分が落ちたのかを上司に聞きたくなることでしょう?私も若い頃には聞いてしまったことがあります。ハッキリ言って聞いたところで一般的なことしか言われません。簡単なエッセンスだけ言うと「君もとてもよかったんだけど僅差だった。来年はいけると思うよ」みたいな感じです。だから、聞いたところで無駄なので聞かない方が身のためです。
なぜ「あなたの身のためなのか?」
それは聞かれる上司の側になればわかるでしょう。「採点者全員で採点して点数が高かった順に合否が決まったのであって、自分はあなたに高得点を入れたけど、他の採点者がどんな点数かなんて知らないからわからないんだ」というのが本音であって、「予想で言ってよいなら年齢の差、なんとなく目立つかどうかの差くらいかな」程度しか言いようがないのです。
だから「根掘り葉掘り聞かれても困る」というのは上司の本音だろう。上司を困らせるだけ自分に不利になりますから何も自分からは聞かないのが最善の方法なのです。
それにまともな上司ならば自分から聞かずとも、あなたのどこかに課題があったなら、きっと適切なフィードバックをくれることでしょう。逆に残念なポンコツ上司ならフィードバックはないかもしれませんが、聞いたところで参考になりません。だから自分から聞くのはお勧めしないのです。
ですから、ベストアンサーは「今回は受けられただけで良い経験になりました。次は合格できるように普段の仕事をより一層がんばります」と言うのがよいでしょう。強かな一言が入っているのを気がついたでしょうか?「次回」という言葉です。こういった昇進試験は行列ができている場合が多いです。今年受けられたからといって来年もまた受けられるかはわかりません。だから上司に「次回も受けさせてあげよう」と思えるような立ち振る舞いをしておく方があなたにとっては良い方向へ動く可能性が高まるのです。
また、不合格になると恥ずかしいと思うかもしれません。周りの社員には知られたくないと思いますが、これも周りの社員の気持ちになってみると逆効果です。あなたのことを親身になってくれる社員たちもあんたのことをとても心配しています。変に気を遣ってしまいせっかくの関係をギクシャクさせてしまう可能性がありましす。だから、こういう時は思い切って親しい仲間には「今年はダメだった〜来年また頑張るよ!」と言ってしまうと気が楽になることもあります。オープンにする相手は慎重に考えるべきですが、私はオープンにしてしまうことでモヤモヤする気持ちを吹っ飛ばすことができました。これは人によって、性格によって、周囲の環境、周囲の人によって変わりますのでオープンにするときは慎重にしましょう。

落ち込んでも合格することはありませんし、あなたの人生が好転することもありません。不合格になると落ち込む気持ちはわかります。しかし落ち込むのは、できれば一日、長くても1週間で落ち込みから回復して、仕事をがんばって次回に向けて実績を積み上げていきましょう。仕事に打ち込んでいると結構嫌な気持ちは忘れられます。ただし会社に依存せず自分のキャリアプランをしっかり持ってスキルを磨くことを忘れてはなりません。
あくまで会社には依存せず、その上で仕事を頑張るのです。
そして身につけたスキルをさらに磨きをかけるために仕事をするくらいに思っているのがよいでしょう。

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