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#20 妖精社員(ノーマル)

レア度  ★★★
耐久力  ★★★★★
擬態力  ★★★★★
技:仕事しているふり
必殺技:トーク泥棒、鬼スルーパス

解説
世の中で妖精と言われるおじさん社員・おばさん社員の話題が最近よく聞く。
妖精の中には「Windows2000」(もはや古いが、、、)などと言われる妖精の王や女王いるが、そんなセレブな妖精はレアで世知辛いオフィスで必死に生きている妖精の方が大半である。
【注】Windows2000とは年収2000万円越えの窓際族のこと

妖精=働かないおじさん・おばさん=悪者

という切り口の記事が多いが本記事では少しだけ切り口を変えて、できるだけ妖精さん寄りの切り口で考えてみたい。

残念ながら妖精さんはおとぎ話の中と同じく毎日楽しく幸せそうに暮らしている。
仕事もそれなりにあるような感じであるが実際には「仕事しているふり」のことが多い。よ〜く観察してみると妖精仲間とおしゃべりしていたりお菓子をボリボリ食べていることところを観察できることだろう。ネットサーフィンや株、FXをしている妖精さんはほぼいない。それは最近の会社の監視体制が厳しいからである。自分のふりになるようなボロは出してはならないからである。
彼らの大好物は誰でも参加できる会議と講習会である。ゆっくり過ごすことができるし、大いに暇つぶしができるからである。

またベテランの妖精になると必殺テクニックを持っている。
トーク泥棒である。
偉い人が参加する比較的小さい打ち合わせの場が、この必殺技を出すのに適している。
誰かが素晴らしい意見や発言をすると、その終わりと偉い人が言葉を発する当にその刹那の絶妙のタイミングで、あたかも自分の発言かのような印象を与える必殺発言が飛び出すのである。
簡単に言えば、直前の発言のサマリー的なことを少しだけアレンジ、とは言っても内容は変えず言い方だけアレンジして締めくくるのである。偉い人にとってはあたかもトーク泥棒側が指導かアドバイスをしていたかのような印象を受けるのである。その絶妙さは素晴らしく自分より若く、トークを盗まれても文句を言わない人間を選ぶのである。その眼は神の目といえよう。
そして、万が一、その発言に鋭い質問が返ってきたときには、当然妖精さんには答えることはできないので「鬼スルー」である。答えるのは元の発言者がするのが当然という雰囲気を出して我関せずである。そして、ここで完璧な発言をすればまたトーク泥棒をするし、失敗すれば他人事、場合により偉い人よりの発言に乗っかって「もう少しちゃんと検討しないとあかんな」と勝っている方、偉い方に乗っかっていくのである。

こう書くと「ぜんぜん妖精の味方的な発言がないやん」と思われることだろう。
最後にちょっとだけ妖精さんの立場になってコメントすると、妖精さんも生きるのに必死なのである。こうでもしなければ生きていけないのである。
なんとか組織にしがみつくための「やっている感」と精神を維持するためのわずかばかりの「自尊心」を補給していかなければ死んでしまうのである。
仙人は霞を食べて生きていけるかもしれないが、妖精さんは霞ではないが、霞程度でもよいので「やっている感」「自尊心」が必要なのである。
だからか弱い妖精さんを見つけたら多少のことは目をつぶって優しくしてあげてほしい。


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