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魔法陣形ぐるぐる〜銀河英雄伝説 Die Neue These (2)感想
銀英伝DNTおもしれえ……、と思ったのはこれのせいであった。
まわるまわる世界は回る
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このおかげで、しばらくグルグル回るものに対して何は無くとも吹き出すようになってしまった。
すごいグルグルしてる。
リスクマネージメント能力の高いヤン准将
ようやくこの話にも主人公っぽいのが出てきた。金髪のイケメン閣下は主人公じゃなかったっぽい!
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そ、そうだよな!日本のアニメだもん!黒髪の読書家のザ・平凡な巻き込まれ体質の人が主人公でないと!!
ヤン・ウェンリー准将。同盟軍の第二艦隊次席幕僚である。
1話で第二艦隊がすげー目にあってた気がするけどまあ、まあまあ
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私は顔だけでヤンさんを真の主人公だと思い込んでいたので、平凡で内気な巻き込まれ体質の軍人がなぜか無双していく話だとこの2話のぱっと見の初見では考えていた。
でも、ヤンさんはそうじゃなかったのである——☆
帝国本部がけち臭いせいか、少ない兵力で攻めてきた帝国軍。同盟軍はそれを包囲してぶちのめそうとするけれど、包囲網が完成しない。
そんななかで、休憩でもしていたのか読書に勤しんでいたヤン・ウェンリー准将の下に、パエッタ司令官から通信が入る。
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パエッタおじさんはヤンさんの作戦案を却下する。どうしてそんなことで呼びつけられるんだ。却下であれば呼び出さずにゴミ箱にポイでいいはずなのになあ。
「君に含むところがあるわけではナイゾ!」とか言っていたが、含むところしかないんじゃないかなあと一瞬思った。だが、である。
よく考えれば、ここで一旦ヤンさんの策を却下しておけば、他の艦隊に言い訳が立つのである。2話を通して見るに、同盟はみんな勝確を信じていて、ヤンさんの作戦を受け入れるどころかヤンさんを職務放棄と見るだろう。
だが、パエッタおじさん的にはヤンさんの「負けない算段をする」作戦案に一理あると考えたから、わざわざ休憩中に呼び出して作戦案をわざわざ手渡しで返却したのかなあ?
そうすると、ヤンさんは行動しだすだろう。実際ヤンさんは行動した。戦術情報システムに、敵が紡錘陣形で攻めてきたときの対処法を仕込んでおいたのである。
パエッタおじさんは、次に述べるヤンさんのリスクマネージメント能力にものすごく期待していたが、ヤンさんの意見を認めると士気に差し障りがあると判断して却下した説を推したい。そうすると、自分が瀕死の重傷になった時に即座にヤンさんに指揮権を移譲したことに辻褄が合う。
2話を再び見て思うのが、ヤンさんは、リスクマネージメントの天才で、地道に誠実謹直に仕事をしているだけなのではないかということだ。やる気のないぼんくらが実は信じられない才能を持っていて……という話ではないって感じだ。だいたいこいつやる気あるし。自己主張を口ではしない性格なのと、やる気の源が何かはわからないだけで、怠惰ではない。
リスクマネージメントがすごい人は「常に冷静で」「慎重で用心深く」「想像力が豊かで」「先が読めて」「知識や経験が豊富」な人であるらしい。完全にヤンさんではないか。
いかにも有利だが、私が敵なら
自分がラインハルトならどうするか、ってことを想像し、冷静に同盟側の欠点を考えて、ここを修正すればいいんじゃないかな、と考えている。その案が上司に受け入れられないとなれば、どうしたら最悪の事態の対処法を皆に伝えられるだろうかとすぐに考え、戦術情報システムを利用する。
そんな人に「うまくいけば」とかいう思考はない。
「うまくいけば、帝国軍の側背をつくことも可能だろう。そうすれば、一挙に戦局は有利になる」
「恐らく無理でしょう」
また、そんな人に「リスクを新たに負う」という発想はない。
「すると君は、第四艦隊を見殺しにしろというのかッ!」
「今から行っても、間に合いません」
まるでマインドフルネスを極めた人のような飄々とした冷静さ。たぶんヤンさんは、第四艦隊を切り捨てはしたけど、第四艦隊の人員には生存して欲しいとは願っていただろう。ジャンことラップに「死ぬなよ」と願っている。たぶん、戦闘そのものには負けてしまうだろうが、何をしてでも生き延びてこいよ、という感じだろうか。
この人が出世をする理由が痛いほどよくわかる……必要な人材だろ……
ファイエられたーーーーーーーーッ!
そんな主人公(仮)が開始十分でファイエられるとは思っても見ないじゃん……
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ファイエルやべえ。
ヤンさん……南無……ここで銀河英雄伝説終わるかと思ってしまった。すぐむくっと起きたので安心した。
ここら辺は1話と一緒に見ると本当に面白かった。1話によると、ファイエルを浴びせる前に、ヤンさんたちの第二艦隊は第四艦隊の救援へ向かうと、ラインハルトたちは分析していたらしい。その分析を裏切ってヤンさんのいうように第六艦隊のほうへとっとと行ってればファイエられることはなかった。
これが第一話で「敵旗艦、被弾確認」という短い言葉で言い表された現象だと思うとなんともいえない気分になる。ファイエル怖ぇ……
起き上がったヤンさんは、1話で、キルヒアイスとラインハルトが、
「このまま殲滅できれば良いのですが」
「お前は本当に心配性だな。どうしても俺が信じられないか?」
「あなたを疑ったことはありません。ただ時折、怖くなる時があるのです。あなたがここにいるように、敵にも秀でた誰かがいたら、と」
「おかしなことを考えるのだな、キルヒアイス。もしそんな人物が実際現れたとしたら、ぜひ一戦交えてみたい。そしてできれば、顔も合わせてみたいものだな。さぞや話も弾むだろう」
だなんて会話をしている最中に体制を立て直し、ラインハルトをびっくりさせた例の演説をするのである。この間、42秒(第一話で)。
アニメ細かいなと思ったのが、ヤンさんが起きて体制を立て直し、「全艦隊に告ぐ」と演説を始める間は45秒くらい。たぶんラインハルトの乗ったブリュンヒルトから、ヤンさんの乗ってるパトロクロス(旗艦)が被弾するのを確認できたタイムラグを考えると、だいたいラインハルトとキルヒアイスが「ウフフ、お主も心配性よのーう♡」「閣下のような優秀な方が敵に現れては困りますからなグフフ♡」という会話をしている間にちゃんとヤンさんが働いているというように時間を合わせているようだ。すごく細かいよ!すごいなあ!
「心配するな。私の命令に従えば助かる」
ここで画面が切り替わり、1話と2話の時間軸が合流するのだが……。
同じシーンの同じ台詞でも、1話の帝国側と、2話の同盟側の映すラインハルト閣下の表情が全く違うのが面白かった。
①ヤンさん「我が部隊は現段階では負けているが、要は最後の瞬間に勝っていればいいのだ。負けはしない」
1話
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2話
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②ラインハルト「随分と大言壮語を吐くやつが、反乱軍にもいるのだな」
1話
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2話
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③ラインハルト「まあいい。お手並み拝見といこうか、キルヒアイス」
1話
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2話
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敵対する国同士の歴史書の同じ戦いの記述をみる時によくあるアレ
2話ではラインハルトはヤンさんに焦っているように感じるけれど、1話ではゆったりとヤンさんに相対したように感じる。帝国視点と同盟視点の違いを存分に味わえるラインハルト閣下の表情だ。
ぐるぐる
こんなにかっこいい表情で作った陣形が……
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こんなにキレ散らかしながら作った陣形が……
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まさかこんなになるなんて!!
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好きなのが、四人とも「うわ〜……自分が自分で嫌になる」っていう哀愁漂う背中をしていること。
〜この陣形を作った方々の声〜
「こんな陣形はじめて見ます!」(同盟軍・少佐)
「そうだろうねえ。私もさ。(……いや、有史以来、どこかの戦場で幾度となく繰り返されてきたことだ)」(同盟軍・准将)
「なんたるぶざまな陣形だ!」(帝国軍・上級大将)
「戦略的になんの意味もありません」(帝国軍・大佐)
個人的にキルヒアイスの「戦略的になんの意味もありません」の言い方がツボだ。やっぱ何度見てもこの魔法陣形ぐるぐるは元気になるなあ……
まとめ
・ヤンさんはリスクマネージメント力高いよね
・ファイエられた……
・1話と2話の違い
・ぐるぐる陣形(視聴者私の腹筋がいかれる所業)
・ぐるぐる陣形に腹筋が耐えたご褒美に、素敵なおじいちゃんがいっぱい出てくる。
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こんなおじいちゃんたちからすると、自分たちの子供、下手すりゃ孫のような年齢のラインハルトが後光を背負って出世するのってどういう気分だったんだろうねえ……
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ラインハルトには不本意だと思うけど、子供をほとんど亡くしているフリードリヒ4世にとっては、ラインハルトは後宮の争いで絶対死なない上に、未来へ飛翔しゆく息子(がわりの人物)である。そりゃあ期待するわ。
有能な皇子(同然の人物)に次期皇帝として武勲を立てさせ、大きな栄誉を与えるのは当然だ。
どうしよう。ラインハルト閣下、敵役だと思ってたのに、素直に主人公だったみたいだわ
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