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セリフの長さ【ドラマ「古畑任三郎」より】

指導を受けているシナリオスクールの教えでは、セリフは3行以内、できれば1行区切りでと、とにかく短くと指導される。なんでも、俳優が覚えられないからとか…
しかし、限られた頁数(時間枠)で細切れセリフばかり連ねていたら、いつまで経ってもストーリーは進展しないか、とても展開のスケールが小さいものになってしまうのではないかと、納得いってないのだ。
それで、実際に映像化されている面白いドラマを、映像だけから文字起こししてみた。
先日再放送された、あの田村正和さん主演の「古畑任三郎」の「犯人 イチロー」の回からだ。

やはり、3行以内には収まっていない所が結構ある。途中で無理矢理ト書きで区切ればもっと短くできるかもしれないが、話し手は同じ俳優が一続きのセリフとしてしゃべっているので、どうせ全部覚えなければならないだろう。
なのに、スクール指導の「短く」と言われるのは、これは映像を念頭のことではなく、読み手としての理解、読解力(表現力)の観点ではないのか?
それならば、長いセリフよりも短いセリフの方が頭に入りやすい、感情が引き込まれ易いという観点で理解できる。しかしそれではシナリオ本来の目的の映像と乖離してしまう面もあるのではないか…
と、どうしても納得いかないのであった。

(シーンのシナリオ前半3頁は古畑とイチローの肝となるセリフ、後半3頁はそれより前のシーンの、兄の長セリフ。途中「効果音」(BGM?)と入ってるのは、本来ならシナリオに書くべきではないだろうが、とても効果的な入れ方だったので、メモ代わりに記した。
(400字)10枚(ペラ=200字×20枚)につき放送時間約10分と言われている分量と時間の比率は大体合っている。文字数の関係で少しト書きに入れた方が良かったものを省略したかもしれない。)

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