Highly Sensitive
少し前まで派遣社員をしていました。
あまり詳しくは書けないけれど、とある製造工場で色々な装置を使ってさまざまな測定をしていました。
2年の間に、シンプルなものから複雑で繊細なものまで、
それぞれメーカーも測定の用途も違う、5~6台の装置を扱っていました。
中でもひときわ繊細で沢山のセンサーがついていて、温度・湿度・気圧などの空調も常時管理されている部屋に鎮座していた、非常に細やかなオペレーションができて世界最高精度も出せるマシンがあって…
凄い装置なんだけど観察すればするほど、どこか人と似ているなと思っていました。
測定中のバックグラウンドでは見えないけれど膨大な積算をしていて、キャンセルを押しても計算をすぐには手放せなくてしばらく固まっていたり、
手放せたかと思ってたらまだジョブが残っていて忘れたころに作動したり。
操作手順を間違えると暴走して変な動きをしたり、バグったり。
ただ精密なだけじゃなくそんな様子に、とても親近感を覚えて可愛いと思っていました。
まぁ、そんな繊細なやつなので、正しい操作をしたとしても調子悪くなって動いてくれない時もあったりして。
海外メーカーで作られたこの装置は、修理を呼ぶにもこのご時世、技術者が日本に渡航できなかったりで簡単には直せない。
でも、オペレーションを教えてくれていた主担当の方が凄くて、、
普段からよく装置を観察していて、動かなくなったとしても諦めずに向き合っていました。
そのままほっといたら、ポンコツと思われて埃をかぶって他の装置で代用していたかもしれない。
でも良く見ていたから、どこに不具合の原因があるか探るのを諦めなかったから、
なんだかんだ細やかな神・微調整でいつも、動かせるようにしていました。
(ほんとに他の人が気づかないような事まで良く気づいていらした)
そして動かなかったのが嘘のように精妙な動きをして、一瞬の閃光が走るみたいにビシーっっと、キラーンと精度のとっても高い数値を叩き出すのです。
その繊細さと、本領を発揮したときのブレなさ、正確さがとてもかっこよくて。
人間に備わっている感覚を、センサーだとかCPUとか機械に例えて同じ様な事をステキに伝える方はたくさんいて、今更わたしが何か言う事でもないけれど・・
とても繊細な人ほど、
動けない、壊れた、バグった…と思っていたことが実は、
たくさんのセンサーが処理しきれないほどの情報をキャッチしているから、
細かな微調整が必要で、
とことん自分と向き合って、観察して、チューニングして・・
自分をとても大切に、無理なく過ごしていたら
ある時思いがけず、他の人にはできない、
自分だけの最高にキラキラしたものが生まれるのかもしれないなぁ・・と
いっとき、ともに過ごした繊細なマシンと重ね合わせながら、思うのでした。
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