透度

君の泣く声がした
それはまるで沈んでいく夕陽のようで
僕は追いかけて君に言う
「今宵はとっておきのサプライズがあるんだ」

いつもなら見せる輝かしく光った瞳は
今日は見せてはくれなかった。
「いつもそうやって虫の良い話ばっかり。」
うつむいた顔でぶっきらぼうに君は投げる。

そうか、君はもう僕を求めてはいないんだね
君はもう変わらない風貌と性格に飽き飽きしていたんだね

手放すのは早かった

ひとりで歩く君の後ろ姿は
次の日の朝日を求めるように前向きだった。
だけどやっぱり僕には
少し寂しそうに見えた。