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集中するためには「歩く瞑想法」がいいですよ

今までに何度か瞑想を試みましたが、いつも妄想に邪魔されて、うまくできませんでした。自分には、瞑想は無理だ、とあきらめかけていた時に、「歩く瞑想法」を知りました。
スマナサーラが「頭が突然鋭くなる瞑想法」の中で紹介しています。

スマナサーラがいう「ブッダのヴィパッサナー瞑想法」には、4つの種類があります。

・座ってやる座禅(代表的なものですね)
・立ったままやる立禅
・歩いてやる歩行禅
・寝てやる横臥禅

この中で、一番妄想に邪魔されにくいのが、「歩いてやる歩行禅」だと思います。

まず、しっかり立つ。しっかり立ってからしっかり歩く。歩くときは、下を向いて歩くのではなくて、まっすぐ前を見て歩く。・・・歩くときは何も判断しない。ただ歩くことに集中するのです。
歩くときに判断しないと言われてもわからないと思います。そこで、こういうふうに心の中で言います。「歩きたい」、「立ちます」、「左足」、「右足」と頭の中で言葉にするのです。
「左足」と言ったら左足に意識を持っていって、左足を前に出す。「左足、上げます、運びます、降ろします」と言って左足を降ろすのです。
それから、「右足」とまた頭の中で言葉にするのです。「右足」と言って、右足に意識を持っていく。そして右足を心に感じながら、「右足、上げます、運びます、降ろします」と右足を降ろします。
右足を降ろしたらさらにまた、「左足、上げます、運びます、降ろします」と、そういうふうに歩くのです。そうやって30分間歩くと、それは立派な30分の瞑想です。
「左足、右足、左足、右足・・・」と、どんどんやっていると心が落ち着いてくるのがわかってきます。とことん足の動きだけに集中する。足の動きだけを感じる。そうすると世界が消えてしまい、自分の足の動きだけがわかるようになります。
・・・
この自分の今の全てを観察しながら歩く方法を、われわれは瞑想と言うのです。歩く瞑想です。


手術の前に、早速実践してみました。最近、手術の調子があまり良くありませんでした。無駄な動きが多く、手術に集中できていなかったんです。いつもイライラしているのを感じていました。

それで、その日は、朝から歩く瞑想法を実践しました。病院の玄関から医局までの階段を上る時も「右、左、右、左」と。そして手術室に向かう廊下でも、「右、左、右、左」と心の中で唱えて歩きました。
そうすると、イライラしなくなりました。手術室で周りを観察する余裕が出てきました。
以前は、「緊張しているのは執刀する自分だけで、スタッフは気楽なもんだ」とイライラしていたのですが、スタッフも緊張感を持っているということがわかりました。手術の内容によっては、私以上に緊張していることもわかりました。
周りを信頼する余裕が出てきたおかげで、手術に集中することができました。その結果、手術もとてもスムーズに行うことができました。

人間の行動は、ほとんどが無意識に支配されているといいます。無意識を整えることで、パフォーマンスが上がります。無意識を整えるためには、瞑想が必要です。
座ってする瞑想が難しくても、歩く瞑想なら、容易に取り組めます。歩かない人はいないのですから。
これからも、この歩く瞑想を日常にとりいれたいと思います。

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