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アケビ

こういう特徴のある5枚セットの葉(小葉5枚の掌状複葉と言うそう)のつるは身近にもあって、
木や柵などに絡んでいるのを見てはこれがアケビなのかな・・と思ってたのだけど、
4月に花を見つけた。なかなかユニークな花。
1本の木に雄花と雌花がつく(雌雄同株で雌雄異花)。
花序の先端に雄花、根元には雌花がぶら下がるようにつき、雌花の方が大きく色も濃いのだそう。
ということは、写真の真中のは雄花で、左上に見えているピンク色のが雌花かもしれない。
雄花が開き、雄しべが見えている。白い花びらに見えるのは萼片。
アケビは受粉の最適期は短く、自家受粉しにくく(自家不結実性)、実がなりにくいそうで、
栽培する場合は他品種を一緒に植えるのがよく、人工受粉したりもするそう。
アケビの葉は長楕円形の小葉5枚の掌状複葉なのに対して、
同属のミツバアケビは波型のギザギザのある小葉3枚で1セット。
ミツバアケビはより高い山地や寒冷地に生えるそうだけど見てみたい。
こんなところにも!
何に巻き付いているんだろ?

アケビは、食べたことがない気がする。少なくとも記憶にはないんだなぁ。
なので、上の写真の花が結実するかどうか、時々見に行ってみようと思う。

名前は、秋に楕円形の果実がつき、熟すと縦に割れて白くて甘い果肉と黒い種子が見える様子から「開け実」の意味で名付けられたものだそう。
果実だけでなく若葉や花芽も食用にされ、つるは薬用や籠編み材として、茶花、生け花、盆栽などにも使われ、親しまれてきたと。
北海道を除く日本全国の山間部には「アケビ」、「ミツバアケビ」、この2種の自然交雑種の「ゴヨウアケビ」(実がならないのもある)の3種類が自生していて、果実も、山菜としても、アケビよりミツバアケビの方が美味しいみたいだ。
ミツバアケビはより高い山地や寒冷地に生えるそうだけど、アケビと混じって生育している場合もあるらしい。探してみよう。

アケビ(木通、通草、山女、丁翁、学名:Akebia quinata Decaisne)
アケビ科アケビ属のつる性落葉低木。花期は4~5月。
原産地は日本や中国、朝鮮半島など。
アケビ属(学名: Akebia)に属する植物の総称でもある。
やぶ地や、やや日陰がちな場所に樹木に巻き付いて生育する。
果期は9~10月で、10cmほどの長さの果実が紫色に熟して縦に裂けて白色の果肉が出る。

下のサイトを参考にさせてもらうと、「3~6月の新芽や若葉やつる、花が食用になります。」ただし「一番おいしいのはミツバアケビ」だそう。
東北地方では、山菜として食べられる他に、葉を乾燥させてアケビ茶にしたり、アケビの種子から搾油して食用油としていた地域(岩手県や秋田県)もあって、この油はかつては「食用油の王様」と呼ばれる高級品で、2017年に復活が試みられて商品化されたとのこと。

つる性の茎を輪切りにして乾燥させたものは、生薬名「木通(もくつう)」で、日本薬局方に登録されている。利尿作用、抗炎症作用、通乳作用などがあり、漢方製剤として使われている。
果実を乾燥させたものは生薬名「八月札(はちがつさつ)」または「預知子(よちし)」で、民間療法では、熱感がある尿管結石、睾丸腫瘍に対する薬効が期待され利用されてきた。

ミツバアケビ(三つ葉あけび)
より高い山地や寒冷地に生じる品種で、アケビに比べて果実部が大きく、甘みも強いため、食用としてよく用いられている。

似たものとして、アケビ科「ムベ」がある。
ムベ(アケビ科ムベ属)
小葉が3枚または7枚で、葉が常緑で厚みがある。花が淡黄白色。
アケビより果実が小さく、果肉は甘いけれど食べにくいので商業的価値はほとんどないけれど、現在でも生産農家はあり、皇室や神社などに献上している。


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