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クサギ

花が開く前はピンク色。
花が咲くと、白い花弁の花がたくさん咲くので、淡いピンク色がかった白に見える。
辺りではふわっと甘い香りが漂う。
花弁は5枚、雌しべが1本と雄しべが4本あり、
自家受粉を避けるため、雄しべが突き出して熟した後に、雌しべが熟すのだそう。
日中はアゲハチョウなどの大型の蝶が、夜はスズメガの仲間が訪れる。
葉は大きく、大きいものは長い葉柄を含めると30cmにもなる。
独特の匂いがあり、「カメムシのような」悪臭と感じる人もいれば
「ピーナツバターのような」良い香りと感じる人もいて個人差があるのだそう。
ちぎって臭いを嗅いでみたら、確かに独特の香りがある。
でも持ち帰ったらもう薄れていたので、匂いは飛びやすいみたいだ。
10~11月、紅紫色のガクに藍色の実がつく。果実もガクも草木染めに使われる。

今年は春から林道沿いなどで樹木の花が咲くのを見てきて、途切れなく花が咲く木があることに驚きつつ楽しんできたのだけど(私が見たのはほんの一部なのに)、ここににきて、この夏真っ盛りの一番暑い時期にも花が咲く木があることに感心してしまった。
少しずつ花の時期をずらしてうまく住み分けをしている木々や、それらを含む自然界ってすごいなぁと改めて思う。

一番暑い今、花を咲かせている「クサギ」は印象的な実がつくことは知っていたのだけど、花を見たのは初めてだった。葉に独特の香りがあるのでこの名前だそうだけど、繊細な作りのきれいな花や香りを知ると「クサギ(臭木)」の名前はひど過ぎるんじゃないかと思う。
花には香りがあって、夜でも目立つ白い色で、夜はスズメガの仲間が訪れるそうで、ちょうど今咲いているマツヨイグサやカラスウリ、ネムノキも同じく夜にスズメガを呼び寄せる花なので、狙いは同じでもそれぞれ個性的な花に進化してきたことを思うととても面白い。

クサギは道端に多くて、藪の状態の所に最初に侵入するパイオニアツリーだそう。果実は染料、若芽は食用、根は薬用となり、民家近くの道端や荒れ地などで見られるのは、かつて実用された名残の場合もあるそう。

クサギ(臭木、Clerodendrum trichotomum)
シソ科(従来はクマツヅラ科)クサギ属の落葉小高木。花期は7~9月。
全国に分布。身近な山野の日当たりの良いところに生える。
高さ2~6m。

秋につく青い実は空色の染料になるそう。藍以外で青色に染まる唯一の植物なのだとか。ガクは灰褐色に。

アク抜きをすれば匂いは気にならず、若芽は食用になる。
岡山県の山間部や宮崎県に「クサギ菜飯」があるそう。

茎や葉を乾燥させたものは生薬「臭梧桐(しゅうごどう)」で高血圧や下痢に使われる。


Wikipediaと、以下のサイトを参考にさせてもらって、スズメガについても調べてみた。

スズメガの仲間は多くは夜行性で、長い口吻を持ち、運動量が多いためよく蜜を吸う。
胴体が太く強力な飛翔筋を持ち、昆虫の中でも飛翔能力はトップクラスで、ハチドリのように蜜を吸うためのホバリングもでき、その姿がスズメのフォルムにも似るので「スズメ」蛾、と名がついたそう。
スズメガにあわせて進化した花を「スズメガ媒花」という。
「特徴としては比較的大型の花が夜だけ、あるいは昼夜を通して咲き、しばしば芳香を放つ。花の色は白や黄色が多くて闇夜に浮き上がって見え、長い口吻を花の奥に引き込んで効果的に頭部に花粉をつけられるように、長い花筒やが発達している。(Wikipediaより)」
代表的なものは、テッポウユリ、スイカズラ、カラスウリ、マツヨイグサ類、サギソウなどのラン、ヨルガオ、オシロイバナ、ジャスミンなどがある。



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