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イロハモミジとヤマモミジ

モミジの種類なんて気に留めたことなかったのだけど、花と果実を見たので調べてみた。
モミジには「イロハモミジ」「ヤマモミジ」「オオモミジ」の3種類があって、中でも「イロハモミジ」は最もよく見られるもので、日本のカエデを代表する種なのだそう。

これが一番多い「イロハモミジ」。新緑もとてもきれい。
少し前、青々とした葉の下で、目立たないけれど花が咲いていた。
つぼみから、
満開。
花は、よく見ると、雄花(雄しべが8本)と両性花がある。
葉は5~7裂する。
下から見てみる。
両性花が受粉すると、葉の上側に、
ほぼ水平に開いた竹トンボのような果実ができる。
この後、10月ごろに熟してふたつに分かれ、
おたまじゃくしのような翼果が風を受けて回転しながら落下するのだそう。
果実が葉の下側にぶら下がるようにつくのは「ヤマモミジ」か「オオモミジ」で、
これは「ヤマモミジ」。
「オオモミジ」は果実も、葉も、もう少し大きいとのこと。
花はイロハモミジと変わらないように見える。
果実は、イロハモミジほど水平に開かず、ブーメラン型。
かわいいブーメラン。色もきれいだ。

「カエデ」と「モミジ」は、植物分類学上では区別はなく、園芸の世界の名前として、葉の切れ込みが深く、切れ込みの数も5つ以上あるものを「モミジ」、切れ込みが浅くて数も少ないものを「カエデ」と呼んでいるとのこと。属はカエデ属なので、植物分類的にはすべて「カエデ」ということになる。
「カエデ」の名は、葉の形がカエルの手「蝦手」に似ていることから、「カエルデ」と呼ばれ、それが転訛したのだそう。
日本ではカエデを「楓」と書くけれど、中国ではカエデに「槭」の字をあて、「楓」はマンサク科のフウを指す。フウはフウ科フウ属で、葉の形と美しい紅葉はカエデに似ているけれど、カエデとは別種の樹木。カエデの葉は対生、フウの葉は互生なことで見分けられる。

イロハモミジ」の名前は、葉に、手のひらのように5~7つに裂ける裂片があって、この裂片を「いろはにほへと」と数えたことからだそう。

イロハモミジ(いろは紅葉・伊呂波紅葉・以呂波紅葉、学名:Acer palmatum)別名、イロハカエデ、タカオカエデ(高雄楓)
ムクロジ科カエデ属の落葉高木。花期は4~5月。
本州の福島県以南~九州の太平洋側に多い。
低山の日当たりのいい谷沿いなどに生える。
高さ10~15m。
葉は5~7裂。
果実は葉の上。

ヤマモミジ(山紅葉、学名:Acer palmatum)
イロハモミジの亜種または変種とされることもあるが、オオモミジ(ヒロハモミジ)の変種とされることもある。
ムクロジ科カエデ属の落葉高木。花期は4~5月。
北海道と本州の北中部(青森県から島根県)の日本海側に多い
高さ5~10m。
葉は7~9裂。
果実は葉の下にぶら下がる。

モミジの中で最も多くの園芸品種が作られ、アオシダレやベニシダレなど枝垂れ生の品種もこのヤマモミジから作られた。
盆栽にもされる。

オオモミジ(大紅葉、学名:Acer amoenum var.amoenum)
高さが10m以上になる。
東日本では太平洋側に、西日本では日本海側に多い。
葉は大きく、基本は7裂、縁は一重の規則的なギザギザがある。
果実は葉の下にぶら下がる。
果実もイロハモミジより大きい。
庭木にされ、新葉が紅紫になるノムラモミジはこのオオモミジの園芸品種。

葉の大きさは、イロハモミジ < ヤマモミジ < オオモミジ
でも、果実以外で見分けるのは難しいらしい。

そういえば、大阪府箕面市の「箕面の滝」周辺の土産物店では「もみじの天ぷら」が売られている。
これは無農薬で特別に栽培されている葉を、水洗いした後、1年以上塩漬けにしたものなのだそう。
モミジの葉に味はないので、衣の味なんだけど、料理の天ぷらとは違っていて、甘みのあるしっかりした衣でカリっとしていた記憶がある。
わりと近くに住んでいたので、「箕面の滝」と言えば「もみ天!」だった。なつかしい。


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