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タイサンボク

めったに通らない通りに入ったら、街路樹に、大きな白い花が見えた。
この通りは、街路樹が「タイサンボク」だった!
赤い〇が上の写真の花。
花の時期じゃないと気づけなかったので嬉しいめぐり合わせ。
直立した樹形で、葉が垂れずに放射状にたってつくのが特徴で、
知っていれば遠目でもわかりやすいのだとか。
花は時期をずらして咲くので花期は長いとのことで、
多くはないものの、いろんな段階の花がある。
つぼみは、寒い時期には毛が生えた皮をかぶっているのだそう。
モクレン科モクレン属で、この仲間では最後の開花。
開きはじめの頃はモクレンのようだ。
開くと直径20cmほど。国内で見られる樹木の花としては最大級とのこと。
ひとつの花は3日間ほど咲くのだそう。
(同属のホオノキは花は似ているけれどやや小さく直径15cmほどでクリーム色がかっている。
ホオノキの花も近くで見たいもの。)
花の中央の上側には雌しべが、下側には雄しべが集まっている。
「雌性先熟」で雌しべが先に成熟、雄しべは2日目以降に成熟して花粉を出し、その後落ちる。
甘く爽やかな芳香があり、香水や化粧品の原料として使われるそうだけど、
残念ながら香りを嗅げるところには花はないのだ。
花粉は、おもに甲虫によって媒介される。
10~11月に果実(集合果)が熟し、割れて赤い種子が出てくる。
花被片(萼片と花弁が分化していない)は基本は9枚で、12枚のものもある。
シベの部分は最初は白いのが黄色くなっていくとのことで、これは終わりかけ。
肉厚でツヤのあるパリっとした感じの葉で潮風や煙害などにも強い。
葉の裏側は褐色の毛が密生するのだそう。葉の付き方は互生。
春から初夏(花期)に落葉するそうで、下には落ち葉があった。

北米南東部原産で、世界中で植栽されている樹木。
アメリカ合衆国の東南部を象徴する木で、ミシシッピ州とルイジアナ州の州木なのだそう。日本に入ってきたのは明治時代初期と。
名前の由来は、牧野富太郎博士は、花の形を大きな「さかずき」に見立てて「大盞木」(たいさんぼく、盞は「さかずき」)とし、その後「泰山木」の字があてられたという説を主張したのだそう。他に、葉や花も大きいので「大山木」とつけられたという説などもあるようだ。
「高木」で高さが20mになり、大きなものは30mを超すこともあるそうで、本来は街路樹、ましてや庭木には向かないんじゃなのか?と思ってしまうけれど、よく枝分かれして剪定にも耐え、耐寒性も耐暑性もあって放任でもよく育ち、花を咲かせる強い木だということ。
多くの品種が作られていて、矮性の品種もある。

タイサンボク(泰山木、学名:Magnolia grandiflora
モクレン科モクレン属の常緑高木。花期は5~7月ごろ。
ダイサンボク、ハクレンボクなどの別名がある。

Wikipediaによると、「タイサンボクは強いアレロパシー(他感作用)を示すことが知られており、他の植物の発芽や成長を抑制するため、タイサンボクの樹冠下では植物が少ないことがある。」



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