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トベラ

公園で今花が咲いている木。「トベラ」。
海岸などに自生する低木で、下の方から枝を広げて茂り、
海岸では這いつくばったように生えるそうで、この様子を見るとなんとなくわかる。
でもこちらはこんもりとしている。高さ2~3m。
花は5弁花で、咲き始めは白いのが、
咲き進むにつれて白から黄色に変わっていく。
色の変化が、ちょうど今藪や植込みで花が咲いているつる植物のスイカズラに似ている。
花には芳香があって、これもスイカズラっぽい。
トベラ」は雌雄異株とのことで、これは雄しべが目立つので雄花。
今回見たのは雄株ばかりだった。残念!!
雄花は花が終わると枯れていく。
葉は、ツヤがあってしっかりしたヘラ型。
ふちが反り返って裏側に巻いている。
葉の付き方は互生だけど、枝先では車輪状になる。
これは11月に海岸で見た「トベラ」。
これは雌株で、こんな実がゴロゴロぶら下がっていて、
少しはじけて赤い種子がのぞいているものも。
さらにはじけると3裂する。
種子が赤いのは野鳥に食べてもらうために赤い実に似せているから、とされているとか。
鳥がついばんでも、柔らかく消化可能なのは表面の薄い仮種皮のみで、
表面は粘着質で鳥のくちばしにくっついて運ばれるそう。
少し時間がたって乾燥した様子。

トベラ」を漢字で書くと「扉」なのを知って面白いなあと思った。
根や枝に臭気があり、節分の時に「扉」につけて魔除けにした風習から、扉の木 ⇒ トビラ ⇒ トベラと変化したのだそう。別名「トビラノキ」。
ヒイラギの枝に焼いたイワシの頭を刺して玄関に飾る「柊鰯(ひいらぎいわし」と同じような魔除けの風習みたいだ。
おもに暖地の海岸に自生し、海辺の地域では防砂林や防風林として植えられ、公園や道路沿いなどにも植えられる。
Wikipediaによると、「潮風や乾燥に強くつやのある葉を密生することなどから、日本をはじめ欧米でも海岸の公園などの庭園樹、生け垣、また街路樹として道路の分離帯などに栽培される。」
とあって、「シャリンバイ」や「マサキ」も確かそうで、海岸近くに自生する木は絶えず潮風にさらされる環境に適応して肉厚でツヤのある葉を持つのだなと思う。それが結果的に大気汚染や乾燥にも強く丈夫ということで道路沿いなどに植えられるのだな。

トベラ(扉、、学名: Pittosporum tobira
トベラ科トベラ属の常緑低木。花期は4~6月。
太平洋側は岩手県、日本海側は新潟県から沖縄まで分布。

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