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読書録「10才から知っておきたい新しいお金のはなし」

10才から…とタイトルにあるように、小学校5年生のもも子と4年生のもち太姉弟が主人公。ある日となりに引っ越してきたのは、新しい事業をはじめるというパインさん。古民家再生プロジェクトを通してふたりに仕事やお金について教えてくれるようになる。「お金」という道具のおかげで、知らない人とでも助け合って生きていける。得意なことで誰かの役にたって、苦手なことは誰かに助けてもらう。その仲介役がお金。もも子ともち太がお金・仕事に関わる社会のしくみについて学んでいくストーリー。

「10才から知っておきたいお金のはなし」田内学 ナツメ社(2023.10.3)

子どもは高いものを買っちゃダメ?おこづかいを増やすにどうしたらいい?というような身近な話題から、お金の歴史や銀行の仕組み、為替、需要と供給、税金と社会保障制度、投資や寄付についてわかりやすく解説してくれる。社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生など具体的に何か知らなかったし、社会保険料についてもざっくりのイメージしかなかったので勉強になった。
素朴な疑問からはじまって、マンガやイラストを交えて読んでいくのでスイスイ頭に入ってくる。キャラクターが親しみやすく、金銭教育の副教材にもいいかも、と思った。本の通販サイトのメルマガでおすすめされた。

本文より

お金を貯める時間は、自分の中で本当にほしいものをじっくり考える時間にもなります。

お金は、だれか働いてくれた人に、そのお礼にわたすもの、つまり「だれかに働いてもらうためのチケット」とも言えるのです。

商品をほしい人がちゃんと買えて、売っている人が利益を得られる、それがちょうどよい値段になります。

ただし毎月の返済で生活するためのお金が不足してしまってはいけません。

民間の動きだけでは行きわたらないところに雨を降らせるのが政府の仕事なんです!

考えてみれば、その政府はわたしたち大人が選挙で選んだ人たちが仕事をしている場所だから、ちゃんとした人を選ばなきゃいけないですよね。

会社は株主にお金を返さなくていい代わりに事業で成功した利益の一部を株主に分配します。

投資の対象はまだ見ぬ将来のことなので、失敗する可能性もあります。しかし、失敗が成功のきっかけになったり、成長に時間がかかったりすることもあります。投資をおこなうには、長い目で応援する気持ちが必要です。

株価変動をうまく使ってもうけることを「投機」と言います。こちらは「投資」とはちがって事業を応援するものではありません。

将来のことは神のみぞ知る、だね。

実際に投資をおこなう場合、大事な4か条があります。それは、「長期」「積立」「分散」「余裕資金」の4つです。初めての投資は、それら4つの実践しやすい「投資信託」が適しています。

じつは、寄付は「他人のため」ではなく「自分たちのため」のお金の使い方です。寄付によってよりよくしようとしているこの世界には、同時に自分たちも暮らしているからです。

さいしょはラクしてお金持ちになれたらなーって思ってたけど パインさんといっしょにいるうちに ただお金があれば幸せってわけじゃないんだってわかった気がするんだ

今回、お金のことを勉強したら世の中のことが前よりもよく見えてきたでしょ?世の中にはまだまだ見えていないことがたくさんある!それを子どものうちに勉強して、もっともっと見えるようにしておくんだ!

ふしぎだよね お金は、人とのやり取りを手助けする大事な道具だけど、コミュニティの中では必要なくなる

もも子ともち太にお金について教えるパインさん。「最近、子どものお金教育がブームだし おもしろそうな動画ができそうな予感☆」と考える。

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