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読書録「うつ消しごはん」

「健やかに生きるベースとなる栄養をしっかり摂る」

精神科医で心療内科クリニックの院長である著者は、治療の中で栄養療法を大切にしている。この土台がしっかりしていないと、薬物療法やその他の治療法も効果がない。

病気とまではいかなくても「すっきりしない・だるい・おもい・つらい」という低空飛行の続く「うつ病予備群」の人も、栄養を見直すことで心の健康を取り戻すことができるという。その栄養療法について書かれた本だ。

具体的には、まず「たんぱく質と鉄分をしっかり摂る」、そして「精製糖質は控える」。

たんぱく質は神経伝達物質の原料となっている。たんぱく質が足りないと、セロトニン(リラックス)・ドーパミン(喜び)・ノルアドレナリン(やる気)などのホルモンを十分に作ることができなくなる。
神経伝達物質を作るために重要なのが鉄分。女性は鉄不足が多い。
栄養をエネルギーに変えるためにビタミンやミネラル類も重要。
そして精製糖質は、代謝の際にビタミンやミネラル類を多く消費してしまうので制限する。

肉・卵をよく食べて、白米や小麦粉製品・白砂糖などは控えめにする。
食事での摂取では足りない場合はプロテインやサプリメントを使う。
本の後半は詳しい摂り方や症例集が載っているので、興味があれば参考にできる。

著者 藤川徳美 発行 方丈社(2018.11.15)

育児関連のブログでおすすめされていたので図書館で借りてみた。
後半はビタミン剤やプロテインの宣伝本だろうか…と思った。
栄養の質を良くすること、たんぱく質やビタミン・ミネラル類の摂取に気をつけて糖質は控えるなどは、健康のためにやった方がいいだろうとは思う。
体は食べたものでできている。

本文より

食べる絶対量が少ないために起きる栄養失調は”量的な”栄養失調です。食の細い女性や高齢者に見られる症状です。一方、必要量は満たされているのに栄養不足が理由で不調が起きることを”質的な”栄養失調といいます。精神的な不良を訴える人の中には、この質的な栄養失調に陥っている人が少なくありません。

人生を豊かにするためにも、食の楽しみと健康を両立させていくことが理想です。

食事の摂り方、栄養の摂取の仕方は、あなたが思っている以上に心の健康に影響を与えます。

うつ的な症状を消し去る食事法をお伝えする私としては、食事そのものも「暗い食事」ではなく、「明るい食事」にしていただくとうれしく思います。

そもそも糖質制限をするときには、たんぱく質や脂肪はしっかり摂ることが必須ですが、それをせずに糖質だけを減らす人が多いことが問題です。特に女性が糖質制限をはじめるときには、まずは高たんぱく質の食と鉄の摂取で体質を改善しつつ、緩やかな、継続可能な形での糖質制限が望ましいと思います。

ここで鉄とたんぱく質をしっかり摂り、栄養状態がよくなると、神経伝達物質が適切に分泌されるようになり、柔軟な考え方ができるようになります。些細なことは軽くやり過ごすことができ、ちょっとやそっとでは動じなくなります。何かあって一度は落ち込んだとしても、落ち込んでも立ち直りが早くなります。気持ちが切り替えられるようになるのです。

オーソモレキュラー(栄養療法)のアンドリュー・ソウル博士も「doctor yourself(あなた自身が医者)」といっています。健康管理を医者任せにしないことと、あなたの主治医はあなた自身であることを強調しているのです。

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