泰然自若、高速卓を乗りこなせ!~第2期Σリーグ『ANC PURPLE BATS』第4節第2試合ひげくじら選手視点



対局前

卓組

東家 『麻雀以外麻雀じゃないの』柵@よーこ選手🎤
南家 『ANC PURPLE BATS』ひげくじら選手🐳
西家 『何でも鳴けばいいというものではない』Christ選手⛪
北家 『風林火にゃん』とうき選手🐈

『麻以麻い』からは前期『Pleiades』所属、完璧で究極のアイドル柵@よーこ選手。
前期王者『ななない』からは新星Christ選手。
『風林火にゃん』からは、厳しい結果に終わったリーダーの敵討ちなるか、とうき選手。
第1試合の華やかな見た目から一転、見た目からして厳つい卓となった。
しかし、ひげくじら選手もまた強者の1人。この荒波すら、きっと乗りこなしてくれることだろう。

前回のひげくじら選手

前回は犬カルビ選手の大暴れに巻き込まれたこともあって東2局で持ち点マイナスに沈むも、そこから見事な再浮上を決めて3万点越えの2着。たしかな技術の高さを見せた。今回もその磨き上げられたバランスに期待がかかる。

対局ハイライト

東1局~レッパンズ大暴れ

前回は厳しい序盤戦だったひげくじら選手だが、この日は東1局から配牌が良い。

🍵「わあ手いいですね」
🖋「めちゃくちゃ配牌いい」
🐖「おぉ!?なんだこれ」

ところが、自分の配牌がいいときというのは他にもいい人がいるもので……
🐈「ポン!」

とうき選手が發をポンしてこの形。
🐖「ま、まだ2シャンテン」
おまけに、1シャンテンの人もこの時点で存在した。

親の柵@よーこ選手である。
🖋「ヒサトイツだ
※ヒサトイツ:七対子1シャンテンの状態で孤立牌をすべて字牌にすること。Mリーガーの佐々木寿人選手が由来。

そのまま狙い通りに白を重ねて中単騎で立直に踏み切る。
🐖「あぁ~はぁ~」

これを見事仕上げて3200オールのツモあがり。
さらに1本場でも場は急速に動く。
⛪「立直」

今度はChrist選手が早々と立直にたどり着く。ひげくじら選手の手牌もじゅうぶんいい形なのにこの手で後手になるのはしんどい。
🦇「展開速い」

そのまま颯爽と一発で引き当てて満貫にしてみせた。
🍵「わぁ~すごい……」
🐖「いや~強いな」

強者揃いの卓では一瞬で場が動く。ちょっと良さそうな手が入っただけでは話はさほど進まなかった。とはいえ、開幕早々都合よく先制、とまではいかなかったものの手の入りは悪くないように見える。気を取り直して親番にいってみよう。

東2局~大技と小技

注目の親番、配牌は……

なんだかすごそうなのがきた。
🖋「おお、いい」
🐖「おおおおぉ~!?」
🖋「何色で染めたらいいかわかんない」
🐖「もう字で染めりゃいいんじゃないですか
🍵「なるほどw」

まだ手はバラバラだが引いてきた東も果敢な加槓。聴牌まで全力進行である。

しかし1シャンテンになったところで柵@よーこ選手から立直。

🐖「ああああ~、でもこれ47p25s入ったらさすがにいくだろうな」
もとよりそのつもりでなければ加槓などしないだろう。

なるべく安全そうなものを切りながら粘り、この5sをチーして47p聴牌で追いつく。こうなれば後は一歩も退かずめくり合いだ。
🐖「よし!よし!いい!」
🦇「いける!」
🍵「ナイス~!」

序盤から早くも勝負所。このめくり合いを制したのは……
「ツモ」

ひげくじら選手だった。
🐖「オッケイ、ナイスゥ!」
🍵「高め~」
🐖「素晴らしい、ブラボー」

安目でも符のおかげで9600あったが、高いに越したことはない。チャンスを逃すまいという勇気と進行の丁寧さがうまくかみ合った1局だった。

続く1本場では、各選手の技量の高さが光った。

Christ選手から立直が入るが、とうき選手はこの4pを鳴けば聴牌。
🖋「チーするとシャンポンのテンパイがとれる」
タンヤオに取ることもできるが、その場合出ていくのはドラ……

さすがに立直に打つのは危ない。ここは打7sとした。
🖋「ああ456ですね」

一方ひげくじら選手はここで手を崩して撤退。
🦇「点数持ってるからね」
🖋「これがスーパーアルティメットなんたらバランス」
【悲報】チームメイトですらまともに覚えていなかった。
🦇「もう(前略)バランス、でいいよw」
もはや誰のために命名された称号なのか。

ちなみに正解↓

🐳「超ハイパーウルトラミラt…ミラクルアルティメットバランス派です。…噛んだw」

APBお披露目配信より

本人すら言えてないのだからもはやそういう宿命だったのかもしれない。

さて話を牌譜に戻そう。

とうき選手はその後もカン8s聴牌でぎりぎりまで粘りを見せたが、4sを切れないと判断しここで打7sで撤退。
🖋「いやー甘えない、すごい」

そして、甘えない選手がもう1人。

🎤「チー」
柵@よーこ選手がこの7sに反応。海底をずらして自分にもってくる。

結果だけ見ればChrist選手の1人聴牌だが、そこに至るまでの過程で各選手の細やかな思考が光った1局であった。
🍵「すごい……」
🐖「深いな~和了こそ発生しなかったけどすごい局だこれ」

続く東3局は柵@よーこ選手が軽く鳴きの純チャンを作り、東4局ではひげくじら選手のドラポンをChrist選手がタンヤオドラ1でさくっと流す。

🍵「すごい、スピード速いですね」

南1局~山を読み切れ!

ひげくじら選手は微差ながらトップ目で南入。ここでも手牌は悪くない。

5トイツ完成。満貫以上が見える1シャンテン。
🐖「あっチートイだ。これ4m?4mだな」
🍵「もうチートイ」
🦇「攻守両方あっていいですね、今の状況で」
七対子は1シャンテンの時点でどれで待っても嬉しいように3種類の孤立牌を残すものである。

🐖「アッハーwwwwアハーハーwww」
🍵「そんな~」
🐖「そんなすぐにおらんでもええでないの」

どこぞの浩翔先生ならスジトイツ理論的なアレでとらえることができていたのだろうか。それにしてもたったの1巡で見事なまでに不憫なことが起こってしまった。よくよく見てみると7pがダブった時点で割と不憫だったのかもしれない。

ほどなくして親の柵@よーこ選手から立直が入り、結局この局は親の1人聴牌で流局となった。
🖋「これでけっこう並んじゃった」
🍵「上が並びましたね」

気を取り直して1本場

🐖「おっ悪くない。これは聴牌即リーですかね」
そう、この半荘を通してひげくじら選手の配牌は悪くないのである。しいて言うならその後の展開が速いことが状況を難しくしているというところか。

🐖「早く、早く聴牌を」
上が競っている展開。一刻も早く抜け出したい。しかしながら、そう思っていたのはAPBだけではなかった。

またしてもChrist選手が先制立直。
🐖「あぁ~」

しかしひげくじら選手も追いついた。
🐖「おっ聴牌った。これ赤ドラあるからカン4pぶつけるある」
🍵「あるっ!」
待ちは悪いが打点は十分。何より立直しないと役がない。

ここは追っかけ立直を選択。こんなカン4p何枚いるんだと思いたくなるところだが、なんとこの時点で2枚山。
🍵「ツモれ~」
🦇「ツモれ~」
🖋「出てもいいのよ」

このめくり合いを制して一歩抜き出したのは……

ひげくじら選手だった。
🍵🦇「ナイスー!」
🐖「でかいっ!」
🍵「でかいっ」
🦇「強いっ」
🍵「お見事~」
無論、このカン4pは考えなしに曲げたわけではない。手替わりを待つ選択肢もあった中で、精査したうえでの決断であった。(詳しくは試合後コメント参照)

南2局~甘くはない

勢いそのままに大量加点となるか、2度目の親番。

🐖「めっちゃいい、なんだこれwww」

大物なんていう言葉が軽く思えるほどのハイパーウルトラミラクルアルティメット勝負手。これは是が非でもあがりたい。

3巡目にして悠々と先制リーチ。待ちはこの時点で0山だが、ドラの發はともかく端の1sは手詰まった人から捉えられるかもしれない。
🖋「これ4s引いたら……」
🐖「3sノーチャンスになったよ!」
🍵「全部見えたっ」

しかし、この卓に座っているのは並の打ち手たちではなかった。1sも發も全て止め切って流局。
🦇「いやあ~」
🐖「まあまあまあ1人聴牌なら」

続く1本場も手牌は悪くなかったが、終盤でノーテンを選び南3局へ。5200のダマテンを入れていた柵@よーこ選手とケイテンのChrist選手の2人聴牌となった。
🐖「いや~ナイスバランス」
ダマテンの柵@よーこ選手の待ちはひげくじら選手の現物でもあった25p。そこまで読めていたわけではないだろうが、リスクをきちんと考慮していったん身を引いた冷静な判断であった。
少し抜け出した程度では許してはもらえない。残り2局、どんな波乱が待っているのか。

南3局~緩めるな

続く南3局、ひげくじら選手はここで積極的に動く。

🐖「おっ」
この5mを迷わずチー。タンヤオ・役牌・456三色の後々付けを見ながらの進行を選択。

41000点のトップ目とはいえ、少しでも緩めると何が起こるかわからない面々。特に親のChrist選手に連荘を許すと話は一気にややこしくなる。
こういうところで甘えずにきちんと前に出ることを選べるのもまた、ひげくじら選手の強さといえるだろう。

茶柱こと2sもポン。行くと決めたからにはアクセルを緩めるとかえって危険だ。上家の柵@よーこ選手がチャンタ気配の仕掛けなのも追い風か。ペン4やペン6の待ちになっても場合によってはあがれるかもしれない。

一方、親のChrist選手も前に出る。
⛪「ドラ北切ってタンヤオ見ます」
ドラの北はチャンタ模様の柵@よーこ選手にも北家のひげくじら選手にも打ちたくない牌ではあった。しかし、リスクを鑑みた上で前に出ることを選択。
🖋「ひげくじらさんドラバックでそんな仕掛けしないでしょってのもあったかも」

仕掛け合戦のなか、最初に聴牌に到達したのはひげくじら選手。急所の4mを引き入れて36s待ち。
🐖「おっ」
🦇「いいねぇ~」

とうき選手の立直宣言牌をとらえて2000点で1局進めた。
🐖「ナイスゥ」
🍵「ナイスあがり!」
ライバル目の親を落としながら加点。こういう仕掛けには怖さも伴うものだが、見事に仕上げきってみせた。

オーラス~決め切る技

🐖「親のとうきさんがラス目で両脇が2着争いで競ってるのであまり頑張らなくてもいいかも。自力でやれるならやりたいかも」

子の跳満ツモでも耐えている。十分に余裕をもって進められそうな状況である。

しかし、やはりこの卓は最後まで簡単にはいかなかった。
🐈「チー!」
ここまで苦しい展開に見舞われたとうき選手が動く。
🐖「Christさんもね~粘らないと3着になっちゃうから」
オリる理由が少ない者同士。噛み合ってしまうと親の大物手が生まれてしまうかもしれない。ましてや放銃に回ろうものなら大事件である。

一方、ひげくじら選手は發バック聴牌。自ら終わらせる選択肢も見据える。
ところが、ここで持ってきたのが3s。聴牌を維持するだけなら切る一択なのだがこんな終盤で親に通せるものなのか。
ひげくじら選手の選択は……

發。

これを同じく發バックだった柵@よーこ選手に渡すことで対局に終止符を打った。
🐖「おおおおおうまい!やるぅぅぅぅ!!!
🍵🦇「ナイスゥ~」
🐖「すごっ!!!!」
🍵「お見事~」
🖋「お見事でした」
🐖「お見事なのじゃ🐦」
決着の付け方は、何も自力だけとは限らない。確かな度胸と繊細な判断が光ったひげくじら選手、個人初トップとなった。

試合後

🦇「カン4pに痺れた」
🍵「ね~」
🐖「カン4pもだけど最後のあの發!」

「「「「おかえりなさい、ナイストップ!」」」」

🐳「いや~……良かった。
🐖「www」
🍵「お見事~」
🐖「勝負所でちゃんと決めたのがでかかったっすね」
🐳「そうっすね、カン4pがめちゃくちゃでかくて」
🍵「うんうんうんうん」
🐳「一気にトップ行けたなって感じでした」
🐖「いやいやいや素晴らしかった」

發切りについて

🐳「最後の發は諸説ある感じですけど結果最高でした。ワンチャン親と持ち持ちの可能性あったんでね。3sも親にけっこう打ちたくなかったので。別にノーテンでもいいし。あと上家さん(柵@よーこ選手)役牌バックかなって。2pよりも9m後だったからタンヤオじゃない可能性もあって。で、残ってる役牌がもう發くらいしかない」
🦇「読みが光る」
🐳「最後の方は鳴き散らかすお下品な麻雀やってましたが」
ヽ(゚∀゚ )ノ!?
🐳「まあうまくいってよかったです」
🍵「お見事でした~おめでとうございます」

カン4p立直について

🐳「このメンバーで勝てたのめちゃくちゃでかい」
🍵「ねー、展開速かったですよね」
🐳「最初聴牌速すぎてまた犬カルビ現象かよっていう」
🐖「wwww」
🐳「(東1局の柵@よーこ選手)七対子だと全然思ってなかったですよ」
🐖「あとそうだ、さっきあんさんが言ってた(南1-1)カン4pね」
🍵「お見事でした~」
🐳「いや~いてくれてよかった」

🐳「手変わり待っても良かったんですけど3p普通に危ないっていうのと、牌譜見てる限り、とうきさんけっこう立直入ると守備的に打つ傾向があったんで、それで4p合わせてないからひょっとしたら山にいるなって」
🐖「そういうところから相手を見ておいた方がいいってのはありますね」
🐳「そうですね、押し引き鳴きの傾向を見ておくとこういうところで役立つこともある」
🍵「おお~すごい!」
🐖「勉強になります」

不特定多数と当たる段位戦とは異なり、同じチーム•選手と何度も当たることとなるリーグ戦。
そのために必要なことをしっかりとやりきったからこそ、この牌譜は生まれたのだと実感した。

まとめ

当たり前のことといえばそれまでだが、Σリーグはやはりレベルが高い。しかし、レベルが高いのはAPBとて同じである。
このチームなら、このメンバーなら。
今の好調を珍事と言わせない戦いを、これからも見せてくれることだろう。

ANC PURPLE BATS +173.2pt
現在、暫定2位。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?