激流を制するは技術~第2期Σリーグ『ANC PURPLE BATS』第1節第1試合 ひげくじら選手視点
配信開始~試合前
11月1日20時55分。APBの最後のシーズンが始まった。
🦇「配信始まりましたよろしくお願いします」
🍵🐳🖋🐖「「「「よろしくお願いしまーす!」」」」
🦇「いい感じ!第1節はまだみんなテンション高い!」
🐳「そんな第2節以降テンション低くなること予定しないでくださいw」
🦇「けっこう長いから、皆慣れてくるから」
🐳「なるほどね」
今期がラストシーズンとなるAPB。
皆が挨拶に慣れてきた頃には、果たしてチームはどこにいるのか。誰しもが楽しみで、そして不安に思うことでもあるだろう。
皆に愛されてきた、そして今もなお愛されているこのチームの雰囲気が、このnoteを通して少しでも多くの人に伝わるための力となれれば幸いである。
対戦組み合わせ
東 『ぽんてんLv47』犬カルビ選手🐶
南 『縁』稚児選手👞
西 『 Luna de esperanza』かちゃまんた選手🎨
北 『ANC PURPLE BATS』ひげくじら選手🐳
🐳「いやもう楽しみでしかないですね、稚児さんと1戦目からあたれるのはめちゃくちゃラッキーだし、犬カルビさんは勝手にライバル視してるので。かちゃまんたさんは当たったことがないのでどういう打ち手さんなのかなって。いろんな楽しみが詰まってます。」
もともと当たりたいと意識していた2名に加え、残り1名も初めて当たる魂天。Σリーグの開幕にふさわしい、実に豪華な卓である。
🦇「調子はいい感じですか」
🐳「普通ですね。まあリーグ戦はしっかりギア上げていきたいと思います」
🍵「別卓だとヨーテルさん気になりますね」
🐳「間違いない」
🐖「あやねさまは三麻魂天ですね。今を時めくJK」
🖋「Pleiadesは2試合目がジョコラーさんなのでダブルJKですね」
🦇「B卓も、いきなり穹憧るかさん🔪出てきてますね」
🖋「立ち絵も例の包丁のやつになって」
適切 とは [検索]
🐖「アフターハロウィンですか?」
🦇「ちょっとホラーチックな」
🖋「常日頃から(私は)包丁に晒されてるので……」
🦇「るかさんとLusyabaさんの同卓も1回見てみたいね」
🖋「僕個人の一番の注目ポイントはえんぺん社のめりーさん🐏。この間まで雀士でしたけど毎日打たれて雀傑まで上げてこられたということで楽しみ」
🦇「新しい人いっぱいだから注目卓多いですね、C-2もぶるさん以外初ですもんね」
どこの卓を見渡しても魅力的な選手ばかり。改めてこのリーグのすごさを実感する瞬間でもある。
🖋「もはや3卓あるのが懐かしいですね」
🦇「あーポストシーズン入ると減っちゃうもんね、レギュラーシーズンって感じだね」
ひげくじら選手とは
試合内容に入る前に、せっかくの開幕節・個人初登板なのでそもそもひげくじら選手がどういった魅力を持っているのかということについて触れておきたい。
良い意味でオーソドックス。この言葉がひげくじら選手の強さを表すうえでもっともわかりやすいだろう。そのスタイルは、チーム曰く「超ハイパーウルトラミラクルアルティメットバランス派」とのこと。……はたして年内に正確に覚えられるだろうか。皆さん頑張りましょう。
また、小説に関しては読むのも書くのも好きとのこと。ドラフト後に投稿されたnote記事が絶賛の嵐だったことは記憶に新しい。ご本人曰く不定期連載とのことだが、ぜひ更新を楽しみにしたいところである。
また、個人的にひげくじら選手の人となりが出ているなと思ったポストがあったので紹介したい。
視点配信については好みが分かれるところでもあるかとは思うが、ひげくじら選手はしないことを選択。
その瞬間の当人のリアクションを見たい、控室との二窓もしたい。自視点がないとそういった需要には応えられなくなる。そのかわりに、自身の最善と思う打牌で回答とさせてほしい。せっかくの夢舞台、できるかぎり誠実に向き合いたい。そういった覚悟が感じられた。
実力と、そして確かに安心できる人柄を兼ね備えているひげくじら選手。この人ならば、きっと安定した結果をチームに持ち帰ってくれるはず。私はそう信じていたし、APBの皆様もきっと同じ思いだったことだろう。
🦇「北家スタートだね」
🖋「じゃあ無限連荘できますか」
🐖「朝までですか」
🖋「今日は裏3カウント誰がやりますか?」
多少の緊張もありながらも、実力を信じているからこそ言える。そんな会話も交えながら始まった観戦。
しかし、ここは私設リーグ屈指の魔窟、Σリーグ。ひげくじら選手のデビュー戦、APBにとっての最終シーズンの開幕は大荒れの船出となった。
第1試合ハイライト
東1局~猛犬注意報
🐖「おっ悪くない……けど犬カルビさんやばい」
🍵「なんかすごいことになってる」
🦇「ちょっと待ってもぉ~」
🐶「白ポン!中ポン!」
🐖「これは逆風オールバック」
🐳「知らん、發切り」
🍵「お、ナイス~」
🐶「じゃあ赤5mポンしてホンイツ聴牌」
👞「さすがにやばい、迂回」
🐶「ペン7m待ちだったけど6m9mシャンポンにしてトイトイもつけよ」
🐖「まずいですよ」
🖋「まあ山3から山1になったので🚩」
🐶「枚数が何だって?」
1本場
🖋「これは…(手牌速度が)ちょっとうちだけ(間に合ってない)」
🐖「そうね~」
🎨「チーして聴牌」
🐶「立直、69s待ち」
🎨「ドラ6s掴んだ、撤退」
🖋「まあ親にいかなかっただけよかった🚩」
🐳「こっちにも6s来たわ」
🍵「吸収吸収吸収!」
🐶「こっちにも6s来たわ」
🍵「うわ~強い」
🐖「東発から走りますね」
🍵「すごい、既に5万点超え」
ところでLusyabaさんさっきからフラグ芸人し過ぎじゃないですかね。
2本場
🐖「犬カルビさんがまたすごい。純チャン三色の1シャンテン?」
🍵「うわあ……すごい」
🐶「チーして聴牌、9m単騎」
🐖「うっわ、この9m2枚山よ?」
🍵「厳しい~」
🖋「誰も止まらない」
🦇「うっわツモる!強い、何それ~。敵チームながらあっぱれだわ」
🍵「平等に減らされていく……」
座っているだけで14300点の失点。あまりにもきつい洗礼である。
🦇「これは不憫ですか?」
🖋「完全に不憫枠ですね」
🍵🐖「www」
東2局~沈没、そして浮上
流局を挟んで4本場。ひげくじら選手の受難はまだ続く。
🐖「親の稚児さんと……ん?犬カルビさんの手やばくない?(3回目)」
🍵「四暗刻?」
🐖「いちおう三暗刻の1シャンテンですね」
🦇「打点いらないまであるから聴牌速いだけでも脅威だわ」
🐖「🐶は他の親を流せればいいやってスタンスだと思うので」
🦇「無理せず四暗刻になっちゃった、が一番怖い」
🖋「……実は稚児さんの手が大概やばいことになってる🚩」
🐖「片やこっちは白鳴けたらどうしよう、くらいの感じ」
👞「平和ドラドラ赤14p待ち聴牌、ダマ」
🖋「ところで白ポンすると4pが……🚩🚩」
🐖「あっちょっやばい待って待って!!!」
安全牌の南を抱え、先に逃したはずの4p。それが非情にも親の満貫に捕まり東2局にして早くも得点はマイナスに。段位戦なら300弱のポイントを失って終局してしまっていたところである。
しかし、この程度で屈するような選手であればそもそもこの舞台に立ててなどいない。
チームのお披露目配信で、ひげくじら選手が発した一言。
こんなことを言える人はそう簡単には折れない。折れるわけがない。
🍵「まだまだまだまだ!」
不憫?理不尽?知ったことか。
ここから、海底に沈んだかと思われたひげくじら選手の逆襲が始まる。
1本場
🐖「おっ配牌いいよ!ダブリーチャンス!……じゃないわ2シャンテンだ」
コータさん落ち着いてくれ。
🍵「ひげくじらさん練習でも追い上げすごかったから。いけるいける」
🖋「速度的にはうちが一番いいですかね」
🦇「速く曲げさせてあげたい」
🐖「滞空時間が長いとジレるんだよね」
🦇「鳴くと打点がなぁ~。速く聴牌を……」
控室の祈りが通じた11巡目、ついに立直が入る。
🦇「鳴かなかったのも、まだ気持ちが全然死んでないって感じ」
かちゃまんた選手から追っかけ立直が入ったものの、枚数有利のめくり合いを制して跳満ツモ。
🐖「さあこっからやこっからや、3着浮上」
🖋「全然2着は見える」
東3局~クイズ!3分クッキング
親のかちゃまんた選手の連荘で3本場。
🐖「あんまり好き勝手されるのもよくないのでそろそろ流したい」
🖋「しかし手牌的にはお休みですか」
🐖「そうですね」
🍵「厳しいですね」
🖋「今日のお便りのコーナーでも挟みますか?」
🐖「あんさん何かマシュマロ来てます?w」
🦇「コータさん宛にクイズが来てます」
※コータさんはクイズプレイヤーでもあります。
🐖「えっそんなばかな!急にそんなことある?」
🍵「クイズコーナーってこと?」
🦇「この中で一番長く続いたバラエティ番組は何でしょう?①HEY!HEY!HEY!②ごっつええ感じ③さんまのまんま④笑っていいとも!」
🐖「うわ~超ムズイ。でもこれアレですよね。レギュラー放送以外でもやってたらカウントはされますよね?」
🦇「それはわからないけど……^^;」
しかしさすがはクイズプレイヤー。既にスイッチが入ってしまっておられる。
🐖「えっとそうすると……さんまのまんまじゃないですかこれ?」
🦇「正解でーす!」
🍵「お~」
🖋「8888」
🐖「よかった~芸能ちょっといけるぞってこともアピールできた」
🍵「は~い、そんな感じでお便りコーナーをしている間にめっちゃ手が進んでおります」
🖋「そんなことある?」
🐖「劇的ビフォーアフターやん」
🦇「3分クッキング的な。『仕上がった手がこちらです』みたいな」
🐖「仕込んであったんかい」
しかしなまじ手が進んでしまったことが仇となったか、この局は最終的にひげくじら選手から犬カルビ選手への2000点(+900点)の放銃で終わることとなった。
🐖「自力で親を持ってきましたね!」
ものは言いようである。
🖋「とりあえずひげくじらさんにさっきのところのアーカイブ見ないように言っておきますか」
逃がしませんよ^^
南1局~不憫は腕で補える
東4局、親のひげくじら選手は聴牌までは到達するも、犬カルビ選手に軽く流されてしまい南入。
ラス目で南場を迎えたひげくじら選手の配牌は1面子できており、白が対子。筒子は3467の形。
🖋「いいですね……5pが既に1枚もないことを除けば」
🐖「開幕戦からそんな不憫属性ある?」
しかし、さすがは超なんとかかんとかバランス派。神視点厳しいかと思われたところから立直にたどり着き……
5pがいなくても8pはいた。鳴きたくなるような牌もぐっとこらえて面前で仕上げ、満貫のツモあがりで2着浮上。
ヽ(゚∀゚ )ノ<コータニキと私にはあがれない!
なお、親の犬カルビ選手はこのときしれっとチャンタドラ3の聴牌を入れていた模様。怖すぎる。もしかしたら狂犬なのかもしれない。
南2局~捲土重来
🐖「耐えてますね」
🍵「耐えてる耐えてる」
🖋「東2局で12000打ったところで本領発揮かと……」
🦇「何とかして不憫にしようとしてるw」
🐖「田植えじゃん。不憫の種を植えて半年かけて育てるつもりじゃん」
🐳「2s切って14s待ち立直」
🖋「茶柱曲げましたけど大丈夫ですか」
🐖「すごい不穏なことをw」
0本場はかちゃまんた選手以外の3選手の聴牌で流局。
1本場
迎えた1本場、ひげくじら選手に大チャンス手。
さらにここから第一ツモでドラの3mをさくっと埋める。
🦇「これは……ひげくじらさん最後の親番でドラマ見せちゃう?」
颯爽と69m待ちの立直にたどり着き、稚児選手からの出あがり。2着以下が競っていたところで、東2局の借りを返すかのように頭一つ抜け出した。
🖋「これオーラスで18000ツモったら……」
🐖「ほぼ犬カルビさんと並びですね」
オーラス~まだまだ上へ
南3局は稚児選手が見事な打ち回しで親のかちゃまんた選手から跳満を出あがり。
そして迎えたオーラス。ここでもひげくじら選手はじっと機を待った。鳴いての聴牌をここでも取らず。3段目まで力をためこんで満を持して立直へ。
ラス目のかちゃまんた選手から聴牌打牌の8sを打ち取り12000点の加点。
しかし反撃もここまで。最後は犬カルビ選手の満貫ツモで大波乱の第1試合は終局を迎えた。
試合後
🐳「いや~なんとか2着」
🍵「すごいです!お見事~」
🐳「いや~まじで東1で終わったかと思った。そのあと東2で12000放銃してアハーってなって」
🐖「あれはしょうがないっす」
🐳「でもそこからなんとかプラスにできて僕としては満足というかめっちゃ楽しかったです」
🦇「鳴いて聴牌ってところもけっこうあったけど鳴かずに」
🐳「諸説ありましたけど我慢寄りで頑張りました。チャット見たらヨプさんに『やっぱり麻雀は立直!』って言わせてたので最高に気持ちいいですね」
🦇「明日には違う事言ってるかもしれない」
🐖「手のひらクルックルなんでねあの人」
第2試合を待つまでの間、チームメイトと談笑をしながら自身の手を振り返っていたひげくじら選手の様子はいつも通りのようでいで、しかし心なしか普段よりも少し楽しそうに感じられた。
麻雀というゲームにおいて、理不尽や不幸というものはつきものである。時には、自分の責任ではないと棚に上げて嘆いてしまいたくなるようなこともある。
それでも、技術があれば多少の不運は打破できることを、確かに示してくれたひげくじら選手のデビュー戦であった。
ANC PURPLE BATS +14.8pt
追記:ひげくじら選手視点の振り返り
ひげくじら選手のnoteにもこの半荘の振り返り記事が投稿されました。併せてご覧ください。
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