怖い、だからこそ前に~第2期Σリーグ『ANC PURPLE BATS』第20節第2試合日菜むい選手視点

当日の日菜むい選手の視点配信↓



試合前

第1試合終了時点

10位 ANC PURPLE BATS      -224.2pt
11位 縁              -357.6pt
12位 Emperor Peng Inc. Σ Branch  -361.1pt

🐳「むいさんに託すしかない」
🐖「いやでもこれは、めちゃくちゃいいバトン」
🍵「ね、繋いでいただいたんで、プレーオフに繋げられるように頑張ってきます
🦇「がんばって~」
🐳「頼もしい」

卓組

東家 『ANC PURPLE BATS』日菜むい選手🍵
南家 『Emperor Peng Inc. Σ Branch』椎凰いと選手🐧
西家 『LogicArt』ダイゴ選手🔺
北家 『麻雀以外麻雀じゃないの』ふみKUN選手(^o^)

前回の日菜むい選手

前回は苦しい展開が続く中で4p単騎七対子成就から一気に反撃し3着。
ただ優しいだけではなく、凛とした強さがあるからこそ、最終戦でも登板を託したいと思えるのだろう。
各チームが1人の選手に運命を託したレギュラーシーズン最終戦。育成枠の選手で唯一の登板となった日菜むい選手。はたして、結果はいかに。

対局ハイライト

東1局~ホンイツ模様?

東家スタートの日菜選手、まずはホンイツを目指して発進。
🍵「もうホンイツでいきますか」
🖋「むいさん最近こういうの鳴いてプレッシャーかけるようになった」
🐳「いいね、縮こまってないのは」

しかし先手を取ったのはふみKUN選手。
🍵「さあふみKUNから立直」
🐖「あーまずい」
🐳「来ちゃったねえ」


この局は1人聴牌で流局となった。
🍵「うん、58s。よしよし、まずは落ち着いて」
🐳「はい、偉い」
🐖「OKです。偉い。親は流れたとはいえこれだったらOKです」

続く東2局、この巡目でドラが重なる。
🍵「重なるんだ……ちょっと待ってね?」
🦇「中重なったわねえ」
🐳「重なったねえ」

ダイゴ選手から立直を受けながらも大物手の聴牌に到達。
🐖「偉い」

しかし競り勝ったのはふみKUN選手。タンヤオで流す。
🍵「ん~~~~」
🦇「まあ負けるかあ」
🐳🐖「「まあまあまあまあまあまあ」」
🐳「中で跳満あがってればそりゃあ楽なんですけど悪くはない展開」
🐖「ちゃんと前向けてるんで大丈夫ですよ
🐳「うん、今の勝負はよかったですね」
🐖「いいですいいです、全然OK」

あがりにこそ繋がらなかったが、しっかりとすべきことを進める。
勝負はまだ始まったばかり、ここからどうなるか。

東3局~跳満の応酬

一番あがってほしくない椎凰いと社長から立直。一方で、日菜選手はリーのみの聴牌。
🦇「張った」
🐳「あ~~~~」

ここは強気に立直で勝負。
🍵「う~ん、立直で、いいのかなあ」
🦇「中筋」
🐳「うお行った」
🖋「しっかり押し切った」
🐳「ぼくビビッてダマにしちゃいそう
🐖「ちゃんと触れてますね腕、こういう状況にできてるのは🐳のおかげ。2着で帰ってきてくれたから」
🐳「だとうれしいねえ」
🦇「ギリギリだと怖いもんねえ」
🖋「頑張ってるよ。最悪いとさんのツモ以外なら何でもいいよ🚩」

フラグ芸人Lusyaba、レギュラー最終戦でも健在。
🍵「ん~……(カットイン)あっ高い」
🦇「あっ神様~」
🐳「これは強い」

裏1で倍満まであった大物手を成就させ、えんぺん社が活路を見出す。
🍵「25m……わー三色ついてる、おわ~」
🐳「あぶない」
🦇「こわっ」
🐖「まあまだトップ3着なんで」
🖋「ダイゴさんが押しやすい状況にはなっちゃってる」

東4局、さらに事態は悪化する。

親被りでラス目に落ちたダイゴ選手から颯爽と立直。
🍵「白暗刻だったらホンイツも見えてたね(苦笑)」
🐖「その豆腐はいらんのよ……」
🦇「ぐぬ」
🖋「えんぺんとしては嬉しいですよね、APBをラスにしたいので」

日菜選手が4枚目の豆腐を引いた直後、ダイゴ選手からツモの声。
🍵「高い?……(カットイン)高い!」

ドラ単騎を力強くツモりあげて跳満まで仕上げてみせた。これで日菜選手がラス目に。
🍵「ん~~~みんな高い。わあ赤を引いていく~。それは、お高いですね」
🐳「つ~~~よ」
🦇「よりによって赤で」
🐖🖋「「いやいやいやいや」」
🦇「や~~~裏まで」
🐳「まあまあまあ、ここでの頑張り次第だな」
🐖「トップラスかつ57300点差条件なのでまだ大丈夫です」
🍵「さあこの親番、頑張んないとまずいですね

南1局~勝負のラス親

このまま終わるわけにはいかない。反撃の糸口がほしい親番。

🍵「いきますね、これは」
🐳「あ~ペン3mだ」
最後の親番、12000からの勝負手を仕上げて立直。まだ余裕があるとはいえトップラスの並びは作られてしまっている。果敢に攻めて安全圏に復帰したい。
待ちのペン3mは1山。引き当てられるか。
🖋「さっきいと社長は引いたよ(ラス1の5m)」
🐖「そういうのは平等にあっていいと思うんだ」
🖋「もしくは6m引こう」
🐖「そうね」
🦇「後スジにしちゃおう」

🐳「いや~勝負どころ」
🖋「お願い」
🐖「ここは引かせてくれ」

🍵「あーやめて!うわ~……キツい……!」
「「「「ああああああ~~~~~」」」」
しかし現実は非情であった。ダイゴ選手の追っかけ立直に捕まり3900放銃。
🦇「ぐぬ」
🐳「ただダイゴさんがトップになった」

南2局~いと社長を止めろ!

🐳「むいさん冷静に打ててるといいけどなあ」
🦇「メンタル強いから大丈夫よ
🍵「さあちょっと、落ち着いていくしかないですね。ペンチャン嫌って払うべきだったかなあ?」
最後の親番が落ちてしまったが、まだ上は見える立場。厳しいながらも、前を見ながら打つしかない。

しかし風は依然として逆風。苦しい配牌を丁寧に進めるがふみKUN選手から立直。
🐳「あ~~~」
🐖「白白かこれは」

🐖「あっ」
🐳「あっいった」

希望をつなぐためにはとにかく稼ぐしかないえんぺん社、いと社長。カン6pで押し切って7700の加点。
🍵「その横移動は助かる、正直」
🖋「🍵の着浮上が見えたのは嬉しい」

いと社長の猛攻は続く。続く1本場では7700は8000の加点に成功。
🍵「わあいとさんがすごい」
🐳「裏はなしか」
🐖「これ、そろそろ止めないと
🦇「やばいやばい」
おぼろげながら見えてきた、57300という数字。
麻雀において、『ありえない』はありえない。不穏な空気が漂ってきた。

続く2本場、目一杯に構えた矢先にいと社長から立直。
🍵「1シャンテンは取るべき?(立直)そうなんだよね、それに対して無防備になっちゃうからどうしようかなってなってました」
🖋「あー聴牌っちゃった」
🐖「えっ」
🦇「噛み合ってるねえ~」

なんとか現物待ちの聴牌にたどり着くが、持ってきた牌は……
🍵「赤5p……!」

🐳「あぶねえ~~~~~」
🦇「こわ~~~~~」

一番放銃してはいけない相手に対しての危険牌。筒子の染め模様のダイゴ選手も不穏。

しかしここは力強く押し切った。覚悟を決めて突っ走る。
🍵「(通る)うわあああ怖っ」
🐖「えらいっ、えらいっ、えらいっ
🦇「強い!
🐳「かっこいい……

その後も立て続けに危険牌を引くが全て押し切り……

執念が結実した。えんぺん社の希望を打ち砕くロン和了で3着目に浮上。
🍵「キツイ…キツイ……!はぁ~~~~このリー棒は助かる。あ~怖い怖い怖い怖い。一旦ね、一旦一旦一旦一旦」
🐳「おーしおしおしおしおしおし」
🦇「ナイス押し~」
🐳「えらい;;えらすぎる;;
🐖「超偉い、超偉い、うん
🐳「かっこいいなこれ、ほんと
🦇「女は度胸ね
🖋「僕なら折れてる
🐳「シャーペンの芯くらいバッキバキに折れてそう

🍵「ラスはダメなんだよ~」
4着になってはいけない。だからこそ、黙って座っていてはいけない。
怖くても、それでも前に出る。卓に座っているときにはなかなかできないことだが、この正念場で打ち切ってみせた日菜選手の姿は、視聴者もチームメイトも感動させるものだった。

南3局~まだまだ!

ラス目を抜け出した日菜選手だったが、相変わらず展開は芳しくなかった。ダイゴ選手に軽く連荘されてからの1本場

何とも反応に困る配牌。
🍵「ホンイツ見つつ……」
🖋「白2枚あるから勝ち!ヽ(゚∀゚ )ノ」
🐖「それはもうアレだよ、ヨで始まってプで始まる……プでは始まってねえわ
🐳「みんな落ち着け」

そして迎えた9巡目、事件が起こった。

🍵「あっ、それはラス回避にはめちゃくちゃ助かるけど、それは痛いふみKUN」
ダイゴ選手がふみKUN選手から12000をロン和了。
🦇「あっ出た」
🐳「これは嬉しい」
🐖「これは超嬉しい」
🐳「ふみKUNさんには悪いけどこれは嬉しいわ」
🐖「うちとしては超嬉しいわ」

とはいえふみKUN選手にはラス親が残っている。終わるまでは安心ができない。

それは日菜選手も承知のうえ。続く2本場、中バックでダマに構える手もあったがここでも立直。
🍵「さすがに枚数?さすがに枚数か」

ここでの日菜選手の迷いは待ち取りのみ。中バックダマは最初から頭になかったのか、カーソルは迷いなく立直ボタンを押していた。

両面で先手を取った日菜選手だが、ここでも試練が襲い掛かる。ふみKUN選手から追っかけ立直。
🍵「あっマズい。いやでも14mなら出やすい?ある?」
🐳「うおおおおおおお捲り合いになっちゃった」

一瞬肝を冷やしたが、見事に競り勝って5200は5800の直取り。
🍵「おお。よかった~~~」
🐳「おおおおおお」
🦇「ナイス~」
🐖「偉い、偉いです」
🐳「こういうシチュエーションできっちり立直にいける強さ!
🐖「偉い」
この半荘だけで何度言ったか分からない、「偉い」という言葉。その言葉の数だけ、日菜選手の選択の強さが伝わってくる。

オーラス~未来に繋ぐ

オーラスは、ダイゴ選手から試合を決めにかかる立直がくるもふみKUN選手が意地の連荘で1本場へ。

🐳「冷静に、冷静にいこう、冷静に」

🍵「もうラス回避で終わらせよう、ちょっとでも素点ほしいけど」
🐖「今回はちょっと戦えそう」
🐳「うちが一番よさそう」
🦇「終わらせにいこう」

🦇「えぇ~↑」
🐳「おっほっほっほww」
🐖「567三色だw」
🖋「倍満ある?」
🐖「567三色直撃でこれ2着あるよ」
🐳「ありますね、とはいえ聴牌取れるなら鳴いたほうがいい」

さすがにそこまで都合よくはいかなかったが、最後は自分であがりきって決着。
🐳「出た」
🐖「ありがとうございます……!」

🐳「とりあえずこの卓では耐えた!
日菜選手は苦しい展開が続く中で、最後まで果敢に攻め抜いて3着を勝ち取った。

🍵「ごめんなさいラス回避しかできなかった~!いや~申し訳ない、ごめんなさーい!
しかし当の本人は対局直後にこのリアクション。謝ることなど何もないのに、少しでもいい結果を持ち帰りたいという思いが強かったからこそだろう。最後の最後、ぎりぎりまで3着でいいやではなく上を見ていたことがひしひしと伝わってくる言葉だった。

そしてすべての卓が終了し、結果は……

APBは10位。ファイナルシーズンはまだ終わらせない。プレーオフ進出を決めた。

試合後

🖋「お疲れ様でした、ナイスファイトでした」
🍵「あ、お疲れ様で~す」
🐖「お疲れ様でーす」
🍵「いや、本当に最低限のことしかできなかったというか」
🦇「いやいやいやいや」
🐖「最低だけど最高よ、うん
🍵「ラスだけは回避しようと思って、なんとか、なんとかいけて」
🐳「いやーナイスファイトでしたよ」
🍵「最悪の事態は免れてよかったです、はい」
🐖「ナイスファイトナイスファイト」
🍵「ありがとうございます、(コメント欄の)皆様もお疲れ様ナイスファイトありがとうございます!」

敗退の2文字がちらつく中で、厳しい展開を最後まで果敢に戦い抜いた。結果こそ3着だったが、間違いなく見ていて心を打たれる半荘だった。

おわりに

Xでもお伝えしましたが、私の私生活上の都合により観戦記はここまでとさせていただきたく思います。
本当はプレーオフやお疲れ様会まですべて書き切りたかったのですが、最後の方は更新速度も大きく落ちてしまい申し訳ない限りでした。当初やりたかったことを10としたら、3くらいの盛り上げしかできなかったなあというのが正直なところです。

それでも、今期のAPBの戦いを一視聴者として見られたことは本当に楽しかったですし、将来自分もこういうことをできる側になりたいと改めて強く思いました。
1人でも多くのどこかの誰かにとって、この観戦記がプラスの影響を与えていたのなら幸いです。


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