告白の翌日

「嫌なことはちゃんと言ったほうがいいよ」と言われて、チクっと胸が痛んだ
その通り、嫌なこと・悲しかったことを私は言い出せないから

でもね
嫌じゃないんだよ
「身体に悪いよね」と苦笑いしながら、煙草を吸う姿が好きだった

匂いも、身体に悪いことも
そんなの本当にどうでも良いんだ

もうその姿も見られなくなるかもしれないんだし
って思いながら、向かい合わせの私に煙が行かないように煙草を吸っているのが申し訳なくなって席をずらして
それを見て彼は「嫌って言いなよ」とまた笑って
私たちはどこまでも似ているしすれ違ってばっかりだったなあと笑っちゃった

告白は、直接したかったけどやっぱりできなかった
最後になるかもしれなかったんだから、お互い腹割って話したかったなあ
いつから君を好きだったかとか、どんなところに惚れているとか
あの時私のこと好きだったんじゃない?とか、人生で大切にしていきたいこととか
将来のこととか

何でもないかのように手紙を渡しちゃったけど
本当はもっと大切にしたかった
自分の気持ちも大切にしてあげたかった
それでも、今の私には震える手で手紙を渡すのが精一杯だった

昨日の夜は、溢れてくる言葉をスマホのボイスメモに残して、日記に書いて
音楽を聴いて踊ったり、今度は泣いたりして過ごした
簡単に眠れると思っていたのに中々寝付けなくて、浅い眠りの中で彼の優しい笑顔を見てすぐに目が覚めて
不思議なことに、手紙を渡した昨日までの日々より、今朝の方が彼との具体的な未来を想像できている
全てのことが小恥ずかしいけど、そうありたいと思う日々

まだ答えは聞いていない
今はもう待つことしかできないけど
どうであれ、もう好きじゃないフリはしなくて良いんだな

煙草を吸っている姿、実は好きだったんだ
でも健康のことはもうちょっと気にしてほしいな

いつか伝えられたら良いんだけど

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?