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4月~5月上旬/Skeb漫画

skebリクエスト/コミック

赤猫さんからリクエストを頂いて6p漫画を描かせて頂きました。

・Sked掲載ページ

https://skeb.jp/@aochobire/works/9
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赤猫さんの創作一覧

獣の国について

漫画はこちらのヴィクシャルさんより。
獣の国の王、ヴィクターさんは血に由来する戦闘狂の性質を持ち、殺人に躊躇いは無いが、海の国から迎えた妻だけは例外。気弱な彼女の前では凶暴性を晒さらずにいて、王妃を掌中の珠の如く愛し、いじらしく慕い続けている。
王妃はヴィクターさんを恐れつつも、彼のひたむきな愛情に胸打たれるところもあり、憎からず思う。しかし、戦狂いの王を眺めるうち、故国も滅ぼされるという妄想に病み憑かれ、正気をなくし、哀れに思った夫により命を絶たれてしまう……という悲劇を前提にしていますが、逆なんですよね、多分。
戦闘狂の王が真心を示した唯一の期間、愛情を捧げた相手が王妃、シャルロットさんであったということで、結末は悲しいのだが、生前の結婚生活を振り返れば非常に手厚くもてなされ、心から深く夫に愛された、という流れもあり、氷河の過酷な流れのうちに咲く花のような、儚い一時の記憶……という印象があります。だから死の可能性がありつつ、暖かさや可愛い印象が同居しています。
彼等は一子をもうけており、彼の世代で獣の国は少し変化するかもしれません。星の国の姫君が嫁いでくるのです。

作画の話

休みなく全力で作画しても1pに1週間かかってました。世間の平均より大分作画が遅いことに割と悩んでいたのですが、漫画公開時にフォロワーさんが画面密度からして相応(時間かかって当然だよ、大丈夫だよ)と仰ってくださり、随分気持ちが楽になりました。
2p~3p目までのシャルロットさんは原作を踏襲した「海の国」風のドレス。4p目以降は私が着て欲しいドレスです(突然現れるファンの自我)

襟と袖が波っぽいイメージ。胸元の空き部分は肌が見えないかたち

ヴィクターさんは鼻筋通った美男だとおもうので鼻に返り血がついたら良いな!と景気よく血濡れにしたのですが血濡れすぎて表情がわからない。ベタ塗りになるから。あの手この手で血は残しつつ、表情を見えるようにとコマ割りをしていました。

ヴィクターさんはシャルロットさんと出会って人生が激変したひとなので、ただ美しいだけの泣き虫だといわれようとも(公式でそういう具合の立ち位置)ヴィクターさんの人生を変えるにはそれで充分であり、国の玉座に間接的に関わる問題でもあったので、やはりシャルロットさんは傾国の姫だ…とおもい、彼女の登場コマはこっそりあちこち光を散らしています。この上のコマは彼女の(存在的な意味での)光が特に目立っているきがしてます。演出パワー!
甲冑が1コマ登場していますが(ほんとは3コマあるが)初めて甲冑を調べて描きました。お金かかるんだってね~!?戦争は。だから甲冑が全軍にいきわたらないので、胸だけあるとかちぐはぐ装備の兵士もすくなくなかったそうです。全身を覆えるのは貴族とか地位の高い人だけだったみたい。膂力があればじかに敵を掴み、殺害する方法もあるのだと検索したり動画みたりして2p目のコマを作画していました。ヴィクターさんは膂力も十分だろうから兵士を掴んで殺しています。
シャルロットさんの髪は毛先に連れて巻の強くなるウェーブヘアで海の国の姫君らしくて素敵だな、と感じていました。彼女があんまり真っ白だから、雪みたい、とヴィクターさんが告げるシーンが原作にありますが、彼が「北の大国」生まれで(とはいえ出自に影があり、不自由な身ではありましたが……)雪が身近だったからだろう、とおもうとロマンチックです。
ネットではさすがにちいさな画像のみですが、納品物だけは原寸サイズなので縮小で表情がよくわからないコマも作者の赤猫さんにはしっかりみてもらえてるはず…とおもってにっこりです。描いててとっても楽しかった…!!