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わたしの血肉の欠片たちへ

最近、感性やセンスをお褒めいただくことが増えました。
わたしは自分の好みのことを結構癖があって一貫性もあって他人に勧めた時に刺さる刺さらんの差が大きいなーと自己分析しているのですが、それはそうとセンスを褒められるのはかなり嬉しいです。ちなみにそれと同じくらい信頼していると言われるのも嬉しいです。

アニメは1話見ればだいたい好みかどうかわかるし、漫画も絵柄を見れば自分の口に合うかがひと目見て分かります。つまり、本当に、趣味が分かりやすい。

なのでわたしの好きなものをここに並べて書いておけばこのリストになくてわたしが好きなそうなものを他人がオススメしてくれるんじゃないかな〜という怠惰な期待があります。怠惰リストです。あと、わたしがオススメしたものを気に入ってくれた人が似たような別のものをこの中から探してくれるかもしれない。そうなるとわたしの好きを共有できて嬉しい。

これはそういう下心満載の記事です。

1.菅野彰著/中屋敷法仁演出『朝彦と夜彦1987』 朗読劇

この間まで上演されていた朗読劇です。これなしにわたしの好きは語れません。
80分、舞台の上には椅子だけ、役者はふたり、手には台本。極限まで削ぎ落とされた先で頼れるのは己の演技力ともうひとりの役者だけ。そんな美しい作品がありました。
同じ脚本でも演じる人、自分の人生経験、誰と見るかによって結末から受ける印象が大きく変わってきます。
かつて生きるのに精一杯だった人、人を信じたいと心から願う人、普通を渇望したことがある人、眠らない夜を過ごしたことがある人。そんな人たちに見てもらいたい作品です。もしまた再演されることがあったのなら、その時はどうか大切な友人と一緒に見てみてください。

2.ディズム作「カタシロ」CoC TRPG

上記の『朝彦と夜彦1987』が好きな人はこれも好きだろう、というツイートを見かけて知りました。
記憶喪失になった主人公が医者との対話を経て自分の深層心理を探っていく、そんな話です。「己とは何か」「己を己たらしめるものはなにか」といった自意識の根源を考えたことがある人にオススメ。
TRPGですが、即興劇バージョンもあります。そちらは『カタシロ Rebuild』といいます。
そんなに難しくないので、TRPGができる環境にいる方はぜひ自分で通ってみてほしい。できなさそうなら、自分の好きな属性の方が出ている即興劇バージョンのほうを見てください。

3.《月のワルツ》みんなのうた

幼少期CCさくらを見る流れで視聴していたみんなのうたに「それ」はありました。そうです、わたしが月属性の人間ばかり好きになってしまうようになった元凶です。
美しく少し恐ろしい映像に意味深な歌詞。この「美」と「恐怖」と「不思議」はまさにこの時代(ゼロ年代)を象徴するようなものではないでしょうか。
月が美しい晩、森に迷い込んだ少女。幻想に満ちた世界に誘われたい方はぜひ。

4.カードキャプターさくら アニメ

漫画の方は大学時代に友達に借りたんだか漫画喫茶で読んだんだかしたような気がしますが、記憶に新しいのはアニメ版のほう。幼稚園の友達に面白いのがあるよ、と終えてもらって見始めたのが最初で、そこから20年くらい経ってまた最近一気見して衝撃を受けました。
丁寧に愛の話が紡がれていて、これを「なんかオタクっぽいアニメだなあ」で一蹴した母親の情緒を20年越しに本気で心配しました。
あと全然関係ないけれどゲッダンとかで有名な(?)広瀬香美ってこのアニメの主題歌とか作ってたんだ……というのもびっくりした。

5.ギリシャ神話・ギリシア悲劇

はるか遠い国・時代の人々に思いを馳せるのが好きです。演劇や当時の宗教などがわたしの知らない世界に誘ってくれる。
現代日本に生きるわたしたちには確かに必要のないものかもしれない。それでも知っていることでより物語の見方が豊かになるかもしれないし、実際にそうであった経験がいくつもあります。
わたしがはじめてギリシア神話に触れたのは多分プラネタリウムの解説。どちらかというと星座神話のほうが近いのかな。どこが琴線に触れたのか分からないけど、幼い私が忘れられないような、わたしを形成するもののうちのひとつになりました。
それから長い時が経って20歳手前でギリシア悲劇に出会いました。独特の言い回しや知らなければ分からない前提知識はあれど、ギリシア悲劇の面白さはそれだけでは損なわれることはなく。むしろそこからアリストテレス『詩学』や後の時代の演劇への繋がりなど、よりわたしの観劇人生を豊かにしてくれたもののひとつです。



今回のわたしの血肉のかけらはここまで。
一気に書くとなるとなかなか辛いので、シリーズ物にしていけたらいいな。

もし「多分あなたはこういうのが好きだと思うわよ!」というのがあればコメントで教えていただけると嬉しいです。

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