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『女龍神也の呪い』取材映像/2

※『取材映像/1』の続き。

W教授
「要約しますと、ある若い男性が沼沢沼で沼御前に遭遇して、何者かと尋ねたけれども相手は単に〝女の龍神〟としか答えなかったと。そこで、それ以降の彼女は単純に沼に住む御前様。ある種の女性の敬称ですね。つまり、〝沼御前〟とだけ呼ばれるようになったと。これはそういう、沼御前の名の由来を伝える記録のようでして。沼御前に言及した最初の資料ではないかと。それで、どうしてこの男性が沼沢沼を訪れたのかは書いておりませんので、そこに先ほどお話した、流星の記録が繋がって。沼にそれが落ちたので様子を見に来た男性が沼御前に会ったと。そういう流れがあったと、わたくしは思っているんですね」

H・N
「そうか、〝女の龍神なり〟。〝オナルヂラリ〟という言葉は、オンナノリュウジンナリ、が部分的に聞き取れたのかもしれませんね」

W教授
「ええ。その言葉と沼御前のルーツについて調べている(H・Nとシャルルは未公開動画に入っていた謎の音声の方面から、ピーターの事件を再調査していたらしい)と役場から聞いたとき、ピンときました」

H・N
「シャルルはどう? メリュジーヌがフランスから飛来した妖精なら、ぼくはこれで正解だと思うけど。あとは、あの音声が意味するものが何か……シャルル?」

シャルル
「……メ、リュウジンナリ」

H・N
「うん?」

W教授
「〝女の龍神也〟のことですか。確かに女を訓読みで〝メ〟とすればそんな感じにも読めますね。外国の方だからこそ気づく、日本語の不思議ということかもしれませんね。ところでメリュ……なんとかというのは? 問題の単語と関係が?」

H・N
「いや、それを話しますと少々ややこしく――待てよ」

シャルル
「そうだよ、女龍神也メリュウジンナリだ! これはメリュジーヌのことじゃないのか? この蛇女は名前を訊かれて、そう名乗ったんじゃないのか!?」

H・N
「そ、そうか。日本人が〝メリュジーヌ〟と聞いたから、〝龍神也リュウジンナリ〟と勘違いしたのかもしれない」

W教授
「いったい、なんのお話でしょう?」

H・N
「ええと、まあ説明しますと、ちょっとおかしな話題になりますが――」

※映像はここで終わる。

 W教授は翌日の土曜日に、自宅の浴室で溺死。入浴から戻ってくるのが遅いのを不審がった家族によって発見された。
 風呂場は内側から鍵が掛けられており、事件性も自殺するような動機もなかったため警察からは事故と判断されている。

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