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ちくちくぽつぽつ

ちくちくぽつぽつ
みんみんみんみんみんみんみんみん
じーじーじーじーじーじーじーじー

梅雨明けはしたけれど、
朝からうす曇りな空模様。
少し控えめなセミさんたちの鳴きごえ。

夫実家の居間のソファーに深く腰掛けて、
朝から
ちくちくちくちく
ぽつぽつ模様に刺し子を縫う。

ちくちくちくちくちくちくちくちく
ぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつ

ちくちくちくちくちくちくちくちく
ぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつ

あーなんてのんびりな朝なんだろう。

じいじばあばのあとを追って
あちこち動きまわる娘。

コーヒーを淹れて、
友だちが焼いてくれた
スペシャル白ぱんを朝ごはんにして、
ミニトマトをつまむ。

あーなんて幸せな朝。

1年に1回、
なーんにもしないでいい夏休み。
やりかけの手仕事と
読みかけの本をかかえて
のほほんと過ごす夏休み。

ぺらりぺらりと雑誌のページをめくり、
誌面にわくわく入り込み、
自分のわくわくボタンをみつけなおすじかん。

夏はあたまが空っぽになるほうがいい。
暑さで何にも考えられないくらいに
太陽のきょうれつなエネルギーで
小さなことは気にしていられなくなってしまうくらいに
ぽーんと空っぽになったほうがいい。

やがて秋がきて、
空っぽになった分だけ、
深く内省の季節に入っていける。
自分の内に向かっていける。

だから、夏は
くらくらするくらいの暑さも
ちょっとのはめはずしも
ぐーたらも
ぜんぶ大事でぜんぶ必要。

のんびりのほほんな今日にありがとう。


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