恋愛短編小説を書くときに考えていること
こんにちは、夏八木です。
昨日フォロワーさんと「短編を書くこと」みたいなことを一言二言雑談しまして、そのあと自分でも考えてました。
考えたことをまとめておきたいと思います。
本noteは、短編の恋愛小説を書いてwebアップする人の頭の中をちょっとでも言語化しようという試みであり、主に私が書く話のうち、短編にしようと思うときと、長編にしようと思うときの違い、また、短編を書くときに留意していることなどをまとめます。
メモ書きなので、ふーん、と思って暇つぶしに読んでもらえれば嬉しいです。
初めに
短編は短距離走なので、火が灯った瞬間に勢いで書いて終わらせます!
あと、本文内に書くことをかなり制限します!
内容としては以上ですが、もう少し詳しく文字にしたいと思います。
①勢いで書く
趣味でwebの無料媒体に載せるだけなので、思いついたら勢いで書き終えて、書き終えたら投稿します。
この話はおもしろいんだろうか?果たして本当にこのエンディングでいいんだろうか?などと考えだしたらおしまいです……!書く気がなくなります。無駄なことを考える隙を自分に与えないように書き終えます。
そのために大切なのが、思いついたときにすぐ指を動かせるようスマホで書くこと、あとはテーマ決めです。
②テーマ決め
書きたいことを決めます。
手が止まらないようにするには、ここの熱量というか、瞬間風速を出せるかが大切だと思います。
これが見たい!と思ったことを仮タイトルとかにして、メモ帳の頭などに書いておきます。
※書いていくうちに変わることもあります。
粒度的には下記のような雰囲気で、(あ〜これ見たいな〜)って思ったことをきっかけとし、頭の中でどんなハッピーエンドにするかまでを決めて、あとはキャラに任せてノリで書きます。
最近の話①:
めっちゃアホは明るい話が読みたい→猫……→可愛い女の子に猫耳つけないでヒーローにつけよう。猫耳は自分には似合わないと思ってる人につけるのが一番可愛いんですよ!→可愛い暴走気味の女の子と比較的常識人なヒーローっていいね〜→政略結婚夫婦のちょっとしたすれ違いを猫耳で解決することにしよう。
→完成品:「魔法のアイテムで照れ屋な夫を誘惑しようとしたら、語尾が「にゃー」の屈強な騎士が誕生してしまいました。」1.5万文字弱
最近の話②:
女騎士好き…!→仕事優先しすぎて婚約破棄されるだろうな〜って思っている女騎士と別れる気がないヒーローが見たい→ヒロインの意思を尊重するヒーローが好きなので分からせはしないけどちゃんとくっつくところが見たい
→完成品:「とある行き遅れ女騎士の結婚事情 」2.2万文字
ブクマが多め①:
プライドがくそ高い王子が書きたい。→心を許す人限られそ〜。男装好きだから男装騎士を出すぞ→上司と部下だし本当に男だと思ってたから今更女扱いできるか!って思っていたけど真面目なので頑張って夫婦になる話にしよう
→完成品:「恋より愛が先」2万文字弱
★その話は短編で書けるのか問題
ここで、長編になるか短編になるかの違いなのですが……短編と長編の違いとはなんでしょうか?
それは文字数です!
文字数が少ないということは、描写できることが少ないということです。
短編として書き上げるには、本当にその話、短編でかけます??っていう視点は必要なのかなと思ってます。
そうしないと書いているうちにどんどん長くなって結局長編になるか(よくある。2万文字で終わらせようとしたら20万文字になったこともあります)、文字数が伸びなかった場合は、あとで読んだときに(いやもうちょっと説明してほし〜!ここ未解決では?!)ってなるかと思います。
短編の題材選び
というわけで、短編にしたいときは、小難しい課題設定は避けます。
私が書くのはハッピーエンドの恋愛小説なので、基本的に二人の気持ちが通じ合ったら終了です。短編にしたいときは、話の冒頭と終わったあとの二人の関係性の変化はあまりダイナミックにしないようにします。
また、話の中で描く問題を「二人の関係」に絞ります。
たとえば、ここで政治的な問題や、親子関係、兄弟関係など、主役二人と関係ない超複雑なミステリーばりの問題を解決しようとすると、話が膨らんでしまいます。
なので、ほかの話を絡ませたいときには連載、二人の話だけで終わりそうなら短編、というのがざっくりした目安になるかもしれません。
※これは結果論ともいえます。明らかに終わらないだろ〜っていう話は最初から連載にします。
逆に、長編にする場合は二人の関係だけを煮詰めても文字数が難しいかなと思いますので、二人の関係を描く上で必要になってくる課題解決をメインプロット以外の枝葉として設定して、解決に導いていくことになるのではないでしょうか。
短編のキャラ選び:主役二人の人間性の成熟度について
短編で仕上げたい場合、私は主役二人をそれなりに成熟した人間にします。少なくともお互いを人間同士と認め、挨拶と会話ができる信頼関係でスタートさせます。
これがヒロインまたはヒーローを成長させないと自己開示できないですとか、外部的な諸事情で自分の素直な気持ちを言えないなど、そもそも恋愛関係に発展するほど関係の土台が整っていない状態でスタートした二人を、短編で両思いにしてさらにRシーン(大人向けなので)まで持ち込むのは、私には無理of無理なのです……!
ただ、ここは私が、二人の馴れ初めとお互いに惹かれた理由を説明して、そこに自分が納得した上で、ちゃんと人間同士としてお互いを尊重できる二人がハッピーエンドになるTL小説を書きたいからこういう選択をしています。
③テンプレを利用する
テンプレは、自分の書きたいこと以外に読者の方に認知負荷をかけないようにするために使います。
基本的には恋愛小説なので、二人の恋愛関係を読んでほしいと思っています。そのため、そこに集中できるように、新しい情報や認知負荷がかかる(理解に時間がかかる)情報は二人のことに絞って書きます。
テンプレを利用する(キャラ編)
人間の性格を「明るい人」「怒りっぽい」など、文字で既定していくのは難しいな〜と思うわけですが……あまりにも複雑な人柄を、短いストーリーで書き切るのは無理、というか、長くても無理です。一人の人を書き切るのはどんなに文字数があっても無理です。
人間は一緒にいる人間や置かれた環境、そのときの体調、また経時的にも性格が変化しますが、それを全て小説で描写することはできませんので、そのキャラの人格のうち、この短編内で見せる顔というのを制限します。
そして、「その人がそういう人だ」というのを伝えるために、ある程度テンプレを利用します。キャラの関係性の変化を読んでもらうために、キャラの人間性の理解のフックははしょるみたいなイメージです。
例えば、元気なキャラは登場するときに「大きな声で挨拶する」とか、おとなしいキャラはしゃべる前後に多少間があくとか、喋り方や発言で、「はいはい、こういう人なのね」というイメージを早めに示して、読んでくれる方の中にわかりやすいイメージを持ってもらうという感じです。
私の場合は「夫が好きな明るい妻」とか、「穏やかな夫」とかが割と多いのですが、ここに関しても短編の場合は人物のレッテルをあまり複雑にしないようにして、サクッと人物紹介を済ませます。
ただし、これは「明るい人」以上にキャラの掘り下げをしないということではなくて、明るい人として描きたいならそこまでにしておくが、「明るくて社交的に見えて実は繊細」な人が書きたいなど、このストーリー内でどういう性格のキャラにどうなってほしいのかを決めて、それ以外の性格の多面性については詳しく描写しないという選択を示します。
テンプレを利用する(世界観編)
とか
など、世界観とか地理とかを描いているとそれだけで3000文字とか超えると思います。政治、社会、経済、教育、福祉、医療、魔法のあり方などもこれにあたります。
私の場合はただの恋愛小説で、二人の関係を書きたいだけなので、短編の場合は世界についてはほぼ全く触れないようにしています。
※世界を描きたい小説なら省く理由はありません。
異世界の場合は、魔法がある・ない、だけは決めておきます。
異世界を描くときに使うのが、ナーロッパ常識です。
公爵だったら王族に連なるレベルで超偉そう〜!とか、侯爵はめっちゃ偉い、男爵とかだとそうでもないし一代限りの設定でもいけるか、とか。
あと、特になんの描写もなければヒーローはイケメンだろうな、とか?
説明しなくても読者の方の頭の中にうすらぼんやりある世界をお借りして書いていきます。
ファンタジーであれば、エルフ(森と縁の深い長命種)とか、エルフと人間のハーフ(長命種と短命種の間に生まれて複雑な家庭環境っぽいな)とか、簡単な設定だけで先入観を持たせられるワードがありますので、説明しなくてもキャラの背景を想像してもらいやすい可能性があります。
私がよく使うのは、兄弟がめっちゃたくさんいる末っ子の姫(甘やかされてそう)とか……。
というわけで、短編でキャラや世界を描くときには、テンプレや読者の方が持っているフィクションの常識をどんどん使っていくと、自分一人で世界観を描くよりも、豊かな世界の中で物語を展開できるんじゃないかと思っています。
まとめ
以上が、短編小説を書くにあたって私が意識していることです。
まとめると、
①考えすぎないで、勢いで書き終えてしまう
②短編で書き切れる内容を選ぶ
③書きたいところ以外はテンプレなどの外部リソースを利用する
普段は、「××を見たい!」「よし書く!」「おしまい!」みたいな、勢いだけで書いて投稿しているんですけれども……振り返ってみると長編を書くときと短編を書くときは意識してることが違うなと思って文字にしてみました。
短編小説として上手な小説を書くとなるとまた必要な要素は違うかと思います。いつか、(うわっ、短編うま〜〜!!この文字数でこの満足度!!)みたいな話も書けるといいのですが……それはまた別の機会にチャレンジしたいです。
本noteがどなたかの暇つぶしになれば幸いです。
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