【初インド】初日から初対面の男の家にホームステイする事になった話
JAN 2019
ニューデリー空港に到着後、朝日が登るのを待ち、SIMカードも無事アクティベートでき、心に余裕ができたところで街に繰り出した。
タクシーでの失敗談をこれでもかと聞いていたのでメトロでの移動を選んだ。
値段は確か60INRくらい。窓口でトークンを買って改札でスキャンするシステムだった。
空港を出てすぐに地下鉄の乗り場に降りることができるので、少なくとも周りの人に聞けば迷う事は無い。
空港からニューデリー駅まで向かう人が多いと思うが、一つ手前のShivaji Stadiumという駅で降りると声かけしてくる人が少ない&ニューデリー駅からメインバザールに行く間にトラブルがよく起こる鉄橋を渡らなくて良い、と聞いていたので、Shivaji Stadiumで下車。
それでも、でかいバックパック背負ってカメラぶら下げているアジア人なんて200%旅行者なのが確定しているので、声をかけて付いてくる人はもちろんいる。
駅を出て3秒くらいで横にピッタリ付いてきたおじさんが、「日本人の友達がいる」とか「日本に住んでた」とか言ってきたような気がする。
これは実際に来てみて分かったけど、一部の観光客目的のインド人がどうやって騙しにかかるのか、外国人(特に日本人)が何故こんなにうまいこと引っかかるのか、どれだけ事前に調べてて心の準備ができてて、全部無視してやる、断ってやるってなってても、そんな事には1ミリも構わず、彼らは普通に嘘を付いて言葉巧みにだんだん自分のテンポを確率して、なんか「へー」って思ってしまう様な話し方をしてくる。
ピッタリ付いてくるおじさんと並びながら歩いていたら開けた場所に出てきた。
確か電車のチケットを安く買えるからとか言って、私とおじさんは最終的に街中の旅行代理店みたいなところに到着していた。
でも、これはインドであるあるのパッケージを申し込まされるという流れなのが分かったので、その店にいた別のデカい兄ちゃんと少し話してその場を去った。
ちなみに、彼とは後から思わぬ場所で再開することになる。
そのまた3秒後、少し若めの違う兄ちゃんが繁華街のキャッチ如くピッタリ横についてきた。
私の格好が旅行者なのを全面に出し過ぎてると指摘してくれた。ありがとう。
アリンと名乗る彼はデリー出身の27歳学生で、授業がない時は街にきてぶらぶらしているらしい。
こんな昼間から街にきてぶらぶらしているので、怪しい度は高めだったけど、不思議と話しやすく、また旅行代理店に連れていかれる気配も無かったので、話しながら歩きながら、両替所、昼ご飯、メインバザールなどへ連れて行ってもらった。
グルドワーラーと呼ばれるシク教の寺院
デリーの市街地にあるシク教の寺院にも足を運んだ。
インドではターバンを巻いている人をよく見かけるが、彼らは皆シク教徒。
他宗教の人は一定の場所までしか入れなかったが建物の敷地内は広く、公園のようなスペースもあり開放的な場所だった。
そのあとはMyBarというバーレストランで15時くらいから飲み始めたのだが、金曜日のせいなのかこの時間でも結構な人がいることに驚く。
17時くらいなると、もう0時回ってるんじゃないかと思う様な雰囲気に気分も上がり、アリンともいろんな話をしていた。
アリンは本名では無く、亡くなった友達の名前だった事、世界各国からきた旅行客と友達になる事が多いので、簡単なスペイン語やフランス語が話せる事(フランスなまりの英語モノマネが激うまだった)、アメリカ人の彼女がいた事、昔デリーで知り合った日本人の女の子とSEXした時の事。
もはやどれが嘘か本当かよく分からなかったけど
お酒が入ったのもあり、お互い初対面だから話せることを笑いながら話した。
そろそろバスの時間が近づいてきている事に気づき、アリン(仮)に伝えると、ここからバス停までは結構かかるけど自分の友達が旅行代理店(またかよ)をやっているから、そいつに頼めばどうにかなる!とのことで、何がどうなんとかなるか分からなかったけどとりあえずその代理店へ向かう事に。
代理店のお兄さんは、「時間的に結構危ないよ」との事。ここで一気に焦り始める。
渋滞があるので、地下鉄で向かう方が良いと言われ、アリンと私はダッシュでメトロに乗り込んだ。
メトロも人はいっぱいでゆっくり動く電車にイライラが募り始める。
降りた瞬間猛ダッシュでバス乗り場まで向かう。アリンは私のバックパックを持ってくれていた。
到着したのは発車時刻ちょうどくらい。出発地点のガソリンスタンドに大型バスが何台か止まっている。
日本のバスとは違い、行き先がはっきり書いていないので運転手一人一人に確認したところ、私の乗るバスが見当たらない。
インドで時刻前に出発なんてありえない、と思いしばらく待ってもバスはこない。
別のバス停があるかと思い、歩いてみたがそれらしきものは無かった。
念の為1時間くらい待ってもバスがくる気配は無かった。
あぁ、初日から気が緩んでバスを逃してしまった。
しかし落ち込んでいても仕方ないので、予約サイトで明日のバスを予約し今日はデリーに宿泊する事にするか。と切り替え2人でトボトボ地下鉄で市街に戻った。
2人ともバックパックダッシュでかなり体力を消耗していたし、アリンは自分の責任だ(完全に私の責任だけど)と謝ってきたり、最初は少し暗い雰囲気ではあったが街に戻ると、せっかくだしデリー最後の夜を楽しもう、と私の頭は切り替わった。
切り替わった時に、路上でヘナタトゥーをしてくれるおばさんを見かけたので、何故かこのタイミングでヘナタトゥーをする事にした。
ちなみにこの時のヘナは薄くなるものの二週間〜三週間ほど持った。
そしてなんとここで、昼間に旅行代理店で出会ったデカい兄ちゃんとばったり再開した。
事情を説明して少し話していたら、自分はこれから夕食を食べに行くけど一緒にくる?との事でアリンと私は同席する事にした。
代理店の兄ちゃんは恐らく観光に精通していると思い、近くにこの時間からチェックインできる安め宿があるか聞いたところ、1件ホテルの名前をくれた。
その後3人で飲んでしばらくすると代理店の兄ちゃんは先に帰ると言い、先に3人分の支払いを済ませてくれていた。
レストランを出て兄ちゃんに聞いたホテルを探しに出た。アリンはまだ付いてきてくれている。
地図を見ながら近くを歩いたが、なかなか言われたホテルが見つからない。
やっと見つかったと思ったらなんだか暗い雰囲気で値段も言われていたのと全然違う。
ここで私は疲れていたのも重なりストレスが爆発して一気に周りの人間を疑い始めた。
ホテルの名前をくれた代理店の兄ちゃん、ホテルのフロントマン、アリン。
追い打ちをかけるようにアリンが一緒に泊まると言い出し雰囲気急変。
私は一緒に寝るつもりはなかったし、ここへきて結局そういう目的だったのか、と
がっかりした気分にもなり彼に冷たく当たった。
お酒も入っていたせいか不信感はエスカレートし、私は夜のデリーで一人でホテルを探すからいい!誰を信じたらいいか分からない!もう帰ってくれと怒鳴り、これまで助けてくれたアリンを突き放した。(今思うと相当な自己中である。)
しかし彼は帰らず、こんな夜に一人で置いていけるわけないだろ!と二人とも怒鳴りあってしばらくしてから、最終手段としてアリンは自分の実家に泊まるようにと言ってきた。
こうしてデリーから30〜40分ほどリキシャーにのって彼の家族が住む家に上がらせてもらう事になった。
リキシャーの道中、ちゃんと母親がいるからと言って電話をかけて変わってくれた。
英語が伝わらないので会話はできなかったけど母親と思われる女性の声を聞き、ここまで気を使ってもらっている事に気づいてアリンに対して申し訳なくなった。
到着したのは団地のような場所でアリンの家族がすむ部屋はお世辞にも広いとは言えなく、ベット2つで部屋がいっぱいになっていた。
そこにいたのは、アリンの母親、妹、姪2人、甥2人、親戚のおばさん。
家に入った瞬間から全く嫌な顔をせずに迎え入れてくれた。
アリンの妹、姪、甥
アリンの母親
夜遅いのにも関わらずカレーとチャパティーとチャイを出してくれた。
子供達はいきなり来たアジア人の訪問者に驚きながらも興味を持ってくれて、仲良くなることができた。
その日は、大きいベッドに私、母親、妹、姪、甥が寝て、小さいベッドにアリンと甥が寝た。
ただでさえ大人数で狭いベッドの上にどこから来たかもよく知らない私を招き入れてくれた彼女たちには感謝しきれない。
翌朝、団地内で結婚式が開かれるらしく朝から賑わっていた。
アリンの友人らしく彼も夕方から参加するとの事だった。
アリンの家族に別れを告げる前に何かできることがないかと思っていたら
母親が私の100均で買った小さなポーチを見てVery nice!と言ってきたので中身を抜いてそのポーチをあげる事にした。
子供たちには持っていたお菓子を渡し、皆とさよならした。
その日はアリンとSIMMBAというインド映画を映画館で見た。
インド映画は3IDIOTSしか見たことが無かったのだが、やはり長かった。
1.5時間+休憩+1.5時間の3時間超の滞在。
残念ながら全編ヒンディー語でお送りされる為、言葉は分からなかったが動きやリアクションが大きく話も分かりやすい、あとは3分の1くらいはダンスの時間なので、映画として個人的にはとても楽んだ。
バスの時間までチャイを飲んだりしながら時間を潰し、アリンはバス停まで送ってくれた。
最後にアリンに感謝を伝え、自分の行動を謝り、さよならをした。
彼のおかげでインド初日からかなり濃い目の出だしとなった。いい意味で。
ちなみに、この時にはほぼ明らかになっていたのだが、昨日のバスは乗り逃したのではなく、バス会社側がキャンセルをし決行になっていた事が分かった。
なんとも言えない感情。
そしてここからラジャスタン州のジャイサルメールへバスで半日以上かけて移動する。
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