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tea & library bar 青淵-Ao- カクテルコンセプト
飲みものの原点としての植物そのものへ
私たちは生きているうえでさまざまな飲みものを口にする。おおくの場合、その原料となるのは植物だ。お茶ならチャの木の葉、コーヒーならコーヒーの木の種子、ワインならブドウの実、煮出した漢方薬も飲料の一種と捉えるなら植物の皮や根まで、人間が採取したり栽培したりする植物のいろいろな部分を、さまざまに加工して飲みものに変える。植物への人類の創意工夫が、ゆたかな飲料文化をもたらしてきたのだ。飲みものの歴史は、人類と植物の関係の歴史の一側面である。こうした気づきのもとに、ふだん何の気なしに飲んでいる飲みものに使う材料を植物という観点から再定義したい。
飲みものの原点である「植物」そのものへ。
では人類は、植物をどのように対象としてきたのか?
かつてこの東アジアにおいて、植物を対象として記述する学問は自然のみを対象として記述する学問ではなく、人間の歴史や文化、民俗をも巻き込んで記述するぶ厚い記述を伴っていた。植物についての記述は人間を映しこむ記述でもあったのだ。それは近代以前のこと、この学問を日本や中国、朝鮮半島ーー東アジアーーでは本草学と呼ぶ。
では青淵-Ao-はどのように植物を再定義するのか?
16世紀末の李時珍が著わした、本草学の歴史の中で最も重要な書物である『本草綱目』において、自然物の分類は以下のように続く。水、火、土、金石、草、穀、菜、果、木、…。これに服器、虫、鱗、介、禽、獣、人間が連なる。水、火、土、金石、植物と並んでいるのは五行の思想を前提としており、薬草書でもあることから植物の記述が増え、さらに五つに分割された上で草、穀、菜、果、木と並ぶのである。
分類とは、世界の理解のしかたそのものだ。複数の元素(エレメント)によって世界は構成されているという思想・世界観が、こうした分類を支えている。
青淵-Ao-もこれに倣い、植物を五つに分類し、捉えなおす。一つの植物を全体ととらえて、その部分を「葉」「皮」「実」「種」「根」と分類し、それぞれのエレメントに属す素材そのものを見つめなおし、さまざまに加工したうえで飲みものにして提供する。お茶をベースに据えつつ、使う素材は本草学に敬意を表し、アジアの素材を使っていくこととする。
カクテルの一例のご紹介
【The Emperor's Car 】
構成要素
ヘネシーVSOP、熟成番茶、シナモンジンジャー、レモンジュース、メスカル
Hennessy VSOP, Aged roasted tea, Cinnamon Ginger, lemon juice, Mezcal
「実」:ヘネシーVSOP
「葉」:熟成番茶
「皮」「根」:シナモンジンジャーシロップ
「実」:レモンジュース
「葉」:メスカル ※原料のリュウゼツランは正確には花茎ですが「葉」の変形要素として分類
素焼きの器で提供。器のざらざらした手触り口触りがメスカルの荒々しいテクスチャーと結び合う一杯。大地と植物を同時に感じていただけるようにと考案。
店舗情報
tea & library bar 青淵-Ao-
中央区日本橋兜町3-5 K5ビル1階
営業時間:
14~17時 ティーサロン
17~翌1時 バー
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