今年最高峰の傑作アニメ「Vivy -Fluorite Eye's Song-」がすごかった
この記事は2021年6月30日に公開した記事を再投稿したものです。
今年優勝!!!!!!最高のアニメ!!!!!!!!
失礼、思わず感情が荒ぶってしまいました。
進撃の巨人でおなじみのWIT STUDIOが制作したオリジナルアニメ「Vivy -Fluorite Eye's Song-」という作品をご存知でしょうか。
面白い作品、重い作品、泣ける作品を観たいならぜひこちらをおすすめしたい。
ひさしぶりにすごいオリジナルアニメに出会ったな、と感動してしまうほどに出来のいい作品で、もっと多くの人に視聴してほしいと思っているので、今回はこのぐちゃぐちゃになってしまった感情を込めてこの作品について語っていきたいと思う。
今回はせっかくなので無料で読めるエリアをかなり広げちゃおうかなと!
でも作中のネタバレがあるので、ネタバレ無しで作品を観たいという方はくれぐれも注意してください。
Vivy -Fluorite Eye's Song- とは
そもそもこの作品はどんなアニメなのか。ざっくりとかいつまんで説明すると、人とAIが共存する近未来でとある歌姫型AIの前に未来からきたというAIが現れる。そして告げられるのは100年後、AIは人に反乱を起こし大虐殺をはじめるというもの。その未来を変えるために100年前にやってきたのだと――。
ずばり、本作はAIものとタイムリープものとかけ合わせた作品だ。ありそうであまり見ないこの組み合わせ、実はとても新鮮なSF作品なのである。
本作の魅力は間違いなく、心を理解しきれていないAIが誰かのために心を込めて歌を歌おうとする姿だ。人間を理解しようとするAIの姿が、人に近づこうとするAIの姿が、そんなAIへさまざまな考えを持つ人々が現れる。
AIに名前をくれる者、AIを道具として扱う者、AIを人生の伴侶として選ぶ者、そしてAIに憧れるAI。
未来を変える任務の中で、主人公であるAIは出会いと別れを繰り返し、やがて歴史を変える大きな役割を担うこととなる。果たして主人公は心を込めて歌を歌うことが出来るのか、そして大虐殺の未来は変えられるのか。
そんなテーマ性がつまっているのがVivyという作品だ。
本作におけるAI
この作品におけるAIは自律型の開発過程において、使命という概念を持って生み出されている。AIはそれぞれ使命のために思考し、判断を下すというものだ。
主人公は歌姫型AIであり、その使命は「歌でみんなを幸せにすること」だ。その実現の方法に「心を込めて歌う」という方針がある。しかし主人公はどうすれば心を込めて歌えるのかわからずにいる。
そんな中で「人類の歴史を変える」という使命を持ったAIが接触することで、なし崩し的に歴史を変えるシンギュラリティ計画に参加することとなる。
しかしなぜ、他のAIではなく彼女なのか。そこには悲しい未来の事実があった。彼女は歌姫型AIでありながら、そう遠くない未来でステージから降ろされ、AI博物館で保管されてしまうのだ。しかしその結果、100年後の事件に巻き込まれなかった唯一のAIだったのだ。
彼女にとっての使命は「歌でみんなを幸せにすること」。しかしこのままではその未来はかなわない。そしてそれ以前に人類はこのままではAIによって虐殺されてしまう。
自らの歌姫としての使命の狭間で揺れ動きながらも、彼女の世界の歴史を変える100年の旅が始まるのだった。
AIだからこそできるSF演出
本作ならではの見どころは、主要人物がAIであることを逆手に取ったストーリーだ。作中では実際に100年という年月が経過し、任務と任務の間に20年の年月が空くこともある。
その間に人とAIの関係はすこしずつ変化し、主人公の環境もまたすこしずつ変わっていく。最初は観客がほとんどいない小さなステージで歌っていた主人公にも後輩ができる。初登場は子供だったはずの人物はいつの間にか大人になり、結婚して子供が産まれるほどになる。
それほど長い期間を描写しているからこそ、歴史を変えるという演出にも説得力がある。また時にはその時間の流れが残酷な現実を突きつけることも多い。
美しい作画、力強い戦闘シーン
止めの画面には水彩画のような綺麗な表現が用いられている。とくにサブタイトルにある通り、蛍石にたとえたAIの瞳の表現はあまりにも美しい。
そして進撃の巨人や甲鉄城のカバネリで培ったWIT STUDIOの迫力ある戦闘シーンも健在だ。ここぞというタイミングでものすごい戦闘作画を見ることができるのも本作の特徴といえる。
止めの美しさと、動の力強さが本当にすごい。作画オタクもこれには大満足。
すべての気持ちを浄化するエンディング
OPも挿入歌も素晴らしい曲ばかりな本作だが、何よりもEDがこの作品の真骨頂といっても過言ではない。歌詞のないインストのEDなのだが、不思議と作品の終わりにすっと心へと染み入るような素敵なピアノの音色の曲となっている。
なぜこのエンディングなのか。なぜこの曲なのか。それはこの物語を追っていくことできっと答えがあるだろう。
関係ないけどボクはもうエンディング聴くと涙が止まらない病気になりました。
さいごに
いくつかのポイントに沿って魅力を伝えてきたが、要するにあらゆる面で高水準にまとまったSFアニメなのである。この作品を視聴し終えたときの感情は、最近だとヴァイオレット・エヴァーガーデンが一番近いと思っていて、あの作品が好きな人には刺さるのではないかと思う。
あとは、とにかく観て欲しい。これは、人生が変わる。