ある産婦人科女医の無痛分娩立ち上げ奮闘記

安産支援医・無痛分娩普及医/小迫優子。女性がお産を楽しむ権利は残念ながらまだまだ日本で…

ある産婦人科女医の無痛分娩立ち上げ奮闘記

安産支援医・無痛分娩普及医/小迫優子。女性がお産を楽しむ権利は残念ながらまだまだ日本では認められていません。これを可能にする無痛分娩の普及、立ち上げを10年来各施設でしてきた私が、日常診療ではゆっくり伝えられないシンプルな安産の秘訣をかなり突っ込んでシェアできたらと思います。

最近の記事

私は無痛分娩至上主義では無い

私は無痛分娩を普及させたいとは思っています。それは希望のある妊婦さんに対してのみです。希望もないのに無痛分娩を進めたり、無痛分娩をしないからと言って差別したり、軽視したりは全く致しません。そうなんです。無痛分娩とは手段であって目的ではありません。では目的は?もちろん安全に、無事にお産をする事。これにつきます。お産は実は一般の方が思う以上に危なくて命を落とす事も時にあります。それを証拠に私の周りの医師に聞いてみると母体死亡を経験した先生が殆どです。産婦人科医が少ないと言えどもそ

    • 私が無痛分娩立ち上げを始めたきっかけ

      仲良くなった妊婦さんによく聞かれる質問ですが始め聞かれた時はハッとさせられました。それこそがまさに私が無痛分娩を始めそしてこの無痛後進国である日本で普及拡大に尽力するモチベーションの根源であったからです。  産科医師失格 まだ研修医だった頃、何かと忙しく外来業務が終わって病棟に上がるとそこには難産に喘ぎ苦しむ妊婦さんがいて、応援することしかできずそのままその方が帝王切開になったりするということが続いた時、そのご本人はもちろんのこと、同様に心身ともに疲弊しきった私は”これ以上