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両建ては万全ではない?(FXの裏側から見る昨年年始の急激な相場変動についての私見もあり)

そういえばよく手法で質問をいただくた時にこの手の質問があるので書こうと思いました。

両建て”についてです。

"両建て"とは買いポジションと売りポジションの両方を持つことですが、よく利用されるのは取引の通貨数を同じ程度持つことにより、含み損と含み益のバランスを保つことで証拠金維持率の悪化を防ぐ方法として用いられることがあります。

これを手法として利用している必勝法などもあるようですが、FX運営側の立場からすると結構危ない持ち方なんです。

一見バランスが取れていて証拠金維持率的に安全のようですが、両方のポジションで取引量のバランスをとるということは取引量の増加に気づかない、もしくは安心しきって取引量を増加させてしまう傾向があるということです。その様な場合にスプレッドが開くと一気にリスクが発生します。

この手の質問は前から受けることはあったのですが、昨年年始の大きな相場変動の時は特に質問を受けました。アップルが業績の下方修正をしたために短時間に数円分の円高が発生し、多くのトレーダーが損失を被ったんです。

わたしの会社の顧客はプロの方が多いので年末年始はトレード自体を控える傾向が強く、それほどの影響はなかったのですが、タイミング的に年始の取引開始時と重なる上、あまり注視されていなかったため、SNS等を見ているとFX会社の責任にする投稿も結構見受けられ、大きく2つの事が言われていました。

・他社よりも変動価格が大きい

・スプレッドが開きすぎている

という内容です。実際どのようなトレードをされていたのかは分かりませんが、結果的に強制ロスカットがされるのはトレーダーの取引量が多いからであってFX会社の責任はないと思います。                ただ、これら2つに対しては"両建て"にも関連するので、FXの裏側を知っているわたしの私見をこの際お伝えしようと思いますので、今後のトレードの参考にしていただければと思います。

「他社よりも変動価格が大きい」

についてですが、これは当然のことです。少しだけFX市場のシステムの話になりますが、FX会社は相場価格を自社で作成しているのではなく別途取得しています。                             FX会社同士が通貨の売買を行っているのではありませんから、ユーザーの資金を市場へ資金投入する為の窓口の会社があります。          そこから相場情報を得ることができますが、資金投入にはもちろん手数料も必要ですから相場情報にスプレッドも上乗せさせることになります。   手数料に関しては市場状況で変化しますからスプレッドも変化するということです。いわば通貨の取引場のようなものです。            そしてこれはFX会社によりますが、最低1社から複数社の契約があります。

契約が1社の場合はチャートに表示される相場もそのままになりますが、国内FX会社に多いパターンで複数社との契約をしている場合は大抵がチャートの相場は各相場の"平均値"が取られて表示されています。        チャートとポジション価格の若干の誤差がある場合がありますが、このせいです。                               取引というのはこちらが買いたい売りたいと思っても相手がいなければ成立しません。わかりやすく言えばオークションと同じようなものなんです。 FXも同じで、状況によりどの投入会社で取引ができるかはその時でなければわかりません。その為にチャートは平均値で表示され、実取引は個別相場の値になります。

平時には特にそれ程の差はありませんが、全体の取引量が少ない時や急な相場変動が発生した場合は自分のポジション価格が、平均値表示されているチャート価格から大きくずれることもありますし、FX会社がどの投入会社と契約しているかで他のFX会社のチャート価格と大きくずれることもあります。実際そのことに関しては国内FX会社で約款に記載されている場合もあります。だからFX会社によって大きな相場の差があることもそういった特殊な時には当然発生するのです。

次に「スプレッドが開きすぎだ」

についてですが、「過去と比べてスプレッドが開いた」や「他社と比べて」等とあり、結局比較論になっていますが、先程の投入会社の話にリンクします。特に全体の取引量が少ない場合は投入会社としても手数料を乗せますから、スプレッドは開く傾向にあります。通常の年末年始でもそうなんですから、異常相場が発生すればスプレッドはより広がります。そうなるとタイトルでも書きました"両建て"トレードのトレーダーは直撃を受けて死活問題になってしまいます。

ただ、このスプレッドが開くことにあまり知られていない市場システムが関係しています、実はFX市場では基本"両建て"という考え方はないんです。

本来市場の考え方は買いであろうと売りであろうとポジションを保有している場合には追加で同方向のポジションを増やすか決済をするかのどちらかとなり、"買い"と"売り"のポジションを両方もつ"両建て"というのはないのです。                                この"両建て"はユーザーの要望が強くあがり、その結果そのようにシステム上なっているだけなのです。                     例えば買いポジションを$1,000持っている場合に売りポジションを$500持とうとした場合に、市場では両方のポジション保有になるのではなく$500の買いポジションだけが残るという状況もしくは別投入会社で売りポジションを別途持つということになるのです。                  両建てを行うトレーダーの多くはスプレッドは買いと売りの差とだけの認識になるので、その差がひらくのはFX会社がしたことの様に思いますが、FX市場ではそうではなく、「買う時にかかる手数料と売る時にかかる手数料はそれぞれ市場の状況により個別に設定され、それがスプレッドとして表示されているだけであり、開きという感覚で設定されている訳ではない」ということなんです。                            先程もわかりやすく"オークション"といいましたが、買いたい、売りたいの市場状況によって同じ商品でもオークション会場で価格差が発生しますし、その手数料もオークション会場で異なってくるというのと同じことなんです。                                その為にそれぞれの手数料が多く取られればそれだけスプレッドは開くのは当然の事なんです。

このことを知っていれば"両建て"が結構危ない持ち方でもあるというのも分かっていただけるかと思います。どちらにしても取引量を決めるのもトレーダーの裁量です。結局利率を求めて取引量を増やすことがリスクを高めているのです。

ちなみにわたしは昨年年始どうだったか質問されることがありますが、トレードはしていましたがそこまでの利率を求めているわけではないので何の影響も受けなかったです。

わたしが投稿してきた内容を知っていくと、ちょっとしたトレード手法では継続して勝つことは難しので、未だに90%以上のトレーダーが最終的には負けてしまうという有名な話につながることに気づかれます。       結果、わたしのトレード手法を教えて欲しいという流れになることが多々あります。

わたしの手法はリスク回避率を重視しているので、この手法にしてからは全く損失は発生していない手法になりますが、年利10~20%と低利率なので未だ将来の為に資金を追加しながらトレードをしています。        

ただ、これはわたしも実際は様々な手法を実践して失敗して損失を被むり、最終的にFX運営側になったおかげで知ることができた事実も踏まえて確立させた内容になりますので、お伝えする機会を設けるかどうかはまだ検討させていただければと思います。


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