【ドラマ感想】アンナチュラル2話 死にたがりの手紙

こんにちは、関係性厨の日辻です。

アンナチュラル2話は、とある家で発生した煉炭集団自殺のお話です。
被害者のひとり「ミケちゃん」が、一酸化炭素中毒ではなく凍死であること、胃からダイイングメッセージが取り出されるところから始まります。
アンナチュラル2話、かなりヒューマンホラーみが強くて……
狭いところが怖い傾向があるわたしにとって臨場感あふれるピンチシーンが本当に怖くて、周回できるか心配です。

1話のときも思いましたが、ストーリーの構成がキレイですよね。冒頭に振り撒かれる「スマホ(ガラケー)」やら「マグロ(サーモンピンク)」やら「温泉」やらの本当に些細な伏線がたまらないです。
「温泉いきたいなー」匂わせのおかげで、場面が「海」じゃなくて「温泉」に移っても突発感がない。ミコトが久部くんを温泉に誘うという関係性オタクに優しいシーンだって入れてしまえる。

所々で描写される、解剖医たちのちょっとトんだ倫理観が結構好きですね。
「花ちゃんの最期の晩餐(胃の内容物)のメニュー」という言い回しが絶妙に生々しくて、じわじわと気持ち悪い。それを「とてもいいお茶」を飲みながら考察しているシーンが、一線を画した異世界感が出ていて面白いです。

2話の最大の山場は、やっぱり冷凍車に閉じ込められるシーンだと思いますけど、あれ本当に怖いですね。「暗くて」「狭くて」「寒い」は、私だけじゃなくて全ての視聴者が共感しやすい「恐怖」ですよね。マジで怖かった。久部くんとミコトが無防備に冷凍車に乗り込むときの「イヤァアアア!!」感は、多くの視聴者が「イヤァアアア!!」ってなったはず。

狭い冷凍車内で水責めにされるシーンは、本当に「怖い」ですね。
それが万国に共通する「普通の感覚」なんだけど、ミコトが決して冷静ではないのに「(この状況でダイイングメッセージ書いた)ミケちゃんすごいな~」とメモを残したり、車内に侵入してきた水質を調べて中堂さんに託したり……もう死ぬという寸前で、次の日にデートをしようと誘ったり(関係性オタクの意見)修羅場を潜り抜けた猛者感がたまらないです。

(これは関係性オタクの意見ですが、久部くんをご飯に誘うシーンほんとエモかったな~)(久部くんも一緒に笑ってるのがエモいなぁ~)
(ミコトの手をつかんで息を吐きかける久部くんも見れたなぁ~)
(中堂さんが淡々と「(ミコトは)水の中です、トラックごと沈められて」って説明するの、言葉にできないエモさがあるな~)

「ミコトの背景(無理心中の生き残り)」「身勝手な毒親」……
別々の話が同時進行しているように見えて、でもすべてつながっている。
個人的にミケちゃんの火葬を見送る花ちゃんのそばに、花ちゃんご両親がいなかったのが印象的でした。

「それ」以上の絶望を知らないからこそ、絶望しないミコトだけど
煉炭事件を久部くんに話したのは、死を間近に感じていたからなのかな。
それにしても煉炭自殺の回想シーン、睡眠薬ボリボリ食ってる母親の演技が怖すぎる。

ミコトはかわいくて賢くて仕事ができて、感情的なところがあって……
「普通」な感性をもった彼女は、特別なギャップとかを狙ったようなキャラクターではない印象だけど。その「普通」が「無理心中の生き残り」というキャラクター性を際立てるのですね。

2話は全体的にヒューマンホラーな恐怖で構成されている印象ですけど、それと対になる数々の関係性がエモいですよね。
ミコトと久部くん。ミコトを助けた中堂さん。ミケと花。
二人で見ることができなかった百夜。

今回、犯人の動機がはっきりと描写されなかった印象です。
やらかしてる悪事がほかにくらべてレベチなのに。
こいつなんだったんだよ……って思うけど、このスッキリとしないモヤモヤ感が「不条理な死」をより際立たせるのかな。

アンナチュラル2話、本当に面白かったです。
何度見ても、二人で冷凍車に乗り込むシーンが怖すぎる。
ミコト…というか石原さとみの演技が凄まじくて、こっちまで呼吸が苦しくなった。

「中堂さん頭いいんでしょ、人にバカって言えるくらい」のやりとりが好きすぎる(関係性オタクの意見)

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