3か月経過しました。

 この記事を書いてから3か月が経ち、予断を許さぬ状況が続いているものの、日本の状況は小康を保っているといえるかもしれません。

 ただ、非常に残念なことに世界の他の国では逆に脅威が増しています。人類として、大規模な感染症の記憶が薄れている現代にコロナ禍は発生しました。今回よりもわずか前、韓国ではMERSという同類の感染症が発生しました。あの頃の朴政権は初動に躓き、その後の観光・経済不振も相まって大変な非難を浴びました。しかし、MERSはパンデミックに至らず、何とかその前の段階で踏みとどまることが出来ました。

 2015年のMERSの韓国での患者は200人未満で終息しました。だからなのか韓国ではMERSの頃も外出制限はなく、夜の街で食事をしている人が普通にたくさんいました。どの都市でもそうです。実は、韓国でのMERSの大きな感染源は病院であり、院内感染により拡張していった側面があります。COVID-19にかかっても、家族がその患者を看病することは(少なくとも日本でも、韓国でも)ありません。しかし、MERSの時には韓国では看病していた家族が感染した事例も多くあるそうです。つまり「患者からの社会的な距離の重要さ」がMERSの事例からはわかります。

 MERSの時は「どうやら病院が危ないようだ」と皆が思っていました。だから、病院から家に帰った患者さんもたくさんいます。事実、友人が経営していた、病院シーツの洗濯工場は倒産しそうになりました。患者がいなけれないシーツもない、ということです。しかし、それ以外の場所ではアルコール消毒があったわけでもなく、マスクもなかったのです。普通に飲んで食べて、買い物して...。現下の状況を考えれば、すごくのんびりしていました。それでも、WHOが定める終息の基準まで7か月で到達しています。終息の1か月前には、韓国の人はMERSを忘れていたかもしれません。

 では、今はどうか。院内感染は相変わらず起こりうる発生源に挙げられていますが、MERSの頃と違うところがあります。どういうわけか、韓国でも日本でも「夜のパーティ」的なものが感染源になっている点です。梨泰院のクラブのあるエリアは、日本の繁華街と似た雰囲気を持っています。日常生活に、より深くかかわっている感染症になっている印象を受けます。院内感染だけでなく、避けるべきものが本当に多くなってしまいました。

 なぜ、COVID19はこのような広がり方をするのでしょう。逆に、MERSはなぜこのように拡散しなかったのか。専門家ではないのでわかりませんが、個人的な興味として、同種の病気の拡散の違いに、何かこの問題を解決するために役立つことが隠されているかも知れません。

  

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