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月刊読んだ本

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毎月読んだ本をまとめる。もっと本を読めという自分への戒め。
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#リディア・デイヴィス

読んだ本【2023.05】

読書からはじまる  長田弘 (ちくま文庫)  読まれない本に価値がある。図書館の本を全部読めるわけがない。でも、それはそれだけの書物を有している文明という証である。確かに。それは知識の量である。 「蓄える」文化という考え方はすごく納得がいった。  読書するための椅子の話、子供の本の話。そういう視点で読書に向き合ったことはないので新鮮だった。  それから解説がとてもよかった。 サミュエル・ジョンソンが怒っている リディア・デイヴィス/岸本佐知子 訳 (白水Uブックス)  

読んだ本【23.04】

13歳からの地政学 田中孝幸 (東洋経済新報社)  全人類読んだほうがいい。中学生の時にこういう話を聞きたかった。でもいま読めたのは幸運なことなんだ。世界には文字が読めない人だって大勢いる。日本人は日本語が読めて日本語の本が出版されて容易に手に取れることを大いに感謝しなければならないし誇りに思わないといけないと思った。それと同時にそうではない国のことを考えなければならない。自分はたまたま恵まれた環境や時代に生まれ育っただけだとあらためて自覚する。中学生のときに聞きたかったの

読んだ本【2023.02】

火星の人 アンディ・ウィアー/小野田和子 訳 (ハヤカワ文庫)  最高だった。じゃがいも食べたい。 『オデッセイ』という映画の原作。映画も面白かった記憶が薄っすらとあるけれど、原作も名作だと聞いて読んだ。今年の目標はSFを読むことなのだ。  全編通してワトニーのユーモアが楽しいし、数々の困難を切り抜ける頭脳と行動力に感動する。想定しうるアクシデントを丁寧に描いていて出来うる対処をさせている作者の力量に脱帽、という感じだ。(おそらく)科学考証がしっかりしているため、引き込まれ

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