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【入門編】事業企画・事業開発職って意外と重宝されるんじゃないかと思ったので必要スキルを書いてみる

ご無沙汰しております。チバシゲです。
前回のnote投稿してから1年ちょい経ってました。

いま何をしてるかと言いますと、引き続きZコーポレーション(旧ヤフー)系列のホテルシステム会社で直販事業のサービス企画とレベニュー責任者やってます。

旅行業×ITの経験の幅が広がったので、そのアウトプットでもしようと思ったんですが、今回はちょっと職種軸のこと書こうと思います。

僕のキャリアのスタートは営業職でしたが、気付けば事業企画・事業開発職系のキャリアの方が長くなり、結構この職種が板についてきました。
ベンチャー、大手、老舗中小企業の3社(ビズリーチ・ヤフー・ダイナテック)で事業企画・事業開発職を経験したんですが、改めて思うのが

 ・事業企画/事業開発は結構特殊スキルに思われがちで、重宝される
 ・実は会社規模に関わらないスキルの再現性があり、且つ汎用的
 ・なのでもっと同じ職種の仲間を増やしたい

と日々感じているので、その辺を簡単に私見で書いてみようと思います。

もくじ
■なぜ事業企画/事業開発が重宝されるのか
■「これができれば大体この仕事で食っていける」と思っているスキル
■(おまけ)僕が社内MTGの時に使うテンプレ。これあれば議論は大体いける。

■なぜ事業企画・事業開発職が重宝されるのか

まず事業企画/事業開発とはなんぞや、そのふたつの役割は違うので一緒に語るべきではない、という側面もありそうなので僕なりの前提を記しておきます。

 ・事業企画:既存事業の戦略部分を担い、主に1→10にする役割
 ・事業開発:新規事業の立ち上げや推進を担い、主に0→1にする役割

と定義させてください。
既存事業の上流やるのか新規事業の上流やるのかの違いはあれど、結構やることは似通っているので、今回は一色単にしてしまいます。
(そもそもどちらかの部署名で役割が線引きされていない組織も多い)


さて、本題です。
まず、いきなりタイトルと矛盾するんですが、スタートアップや小規模の会社の場合、この役割は主にCEO/COO/CMOあたりが担っていることが多いので職種としてあまり必要ありません。
しかし、事業規模や人数が一定以上になると、それぞれ経営幹部の管掌範囲や役割も変化し、彼らはより業務の時間配分を「判断すること」に割いていかなければいけなくなります。

そうなると必然的に「自分の代わりに事業の未来を考える材料を集めて加工し、すぐに判断できる状況を作り出してくれる人」というポジションが非常に重宝がられます。これは身を持って体験しました。

そしてもうひとつの側面として、そもそも経験者が少ないので希少性を産んでいます。
営業・開発・マーケティング・管理のいわゆる職種四天王は事業運営に不可欠な場合が多く優先的な人員配置が行われますが、戦略系職種は経営幹部が気合と根性で回し続ることも可能なのと、労働集約型の職種でもなく多ければ多い方がいいということもないので、1事業あたり2–3名程度で回せてしまうので、そもそもの枠が少ない、人材が少ない、よって経験値に希少価値が産まれ重宝される、ということもあります。
ちなみに人材が少ない要因のもうひとに、戦略系職種出身者は起業家になる確率が他の職種に比べて高い気がするので、「雇われの身のまま中途採用市場に居続ける」という人が少ないということもあるんじゃないかと。

また、希少価値が高い決定的な理由は次の見出しのスキル面でちゃんと書きますが、複数の職種の知識を総合的に持つ必要があり、それが一般的な職種についていると培われにくいということかと思います。
開発なり営業なり、まじめに働いていれば自然と1職種の深堀はできますが、総合的な知識をもつ必要もなくなるケースも多いので。

このような理由で、一定の条件がそろった企業においては事業企画・事業開発職は重宝される存在となりうるのではないかと思っています。

■「これができれば大体この仕事で食っていける」と思っているスキル

端的に、6つだと思います。上から順に重要です。

 1.調査スキル
 2.要約スキル
 3.応用スキル
 4.プレゼンテーションスキル
 5.コミュニケーションスキル
 6.セルフモチベートスキル

まずひとつ目の「1.調査スキル」ですが、ここは基本のキです。
よく勘違いされがちなのが、事業企画/事業開発は「ひらめき力」が求められる、という思い込みです。たまに天才がいて、自己のひらめきが世の中のニーズとドンピシャにあって成功するケースもありますが、それはただのラッキーパンチです。

成功するために一番角度が高いやり方は、国内外にある事業の成功事例を調べて、その中にある成功の要因を真似ることです。
これは僕の師(と勝手に思っている)のビズリーチ 南さんやヤフー小澤さんが良く言う「成功の原理原則」であり、そのための調査スキルは必須です。
また、調査という観点ですと、自分たちの事業課題を相対的に見つけるために自社の状況を調べる力も必要となります。

二つ目から四つ目までの「2.要約スキル」「3.応用スキル」「4.プレゼンテーションスキル」ですが、これは特にサラリーマン事業企画・事業開発職には大事な部分です。
我々の職種の仕事のアプローチの仕方は

相対的な事業課題を見つける(調査スキル)>他社事例を調べてまとめる(調査スキル・要約スキル)>課題に対して他社の成功例を自社用にカスタマイズする(応用スキル)>カスタマイズした策で実施の承認を取る(プレゼンテーションスキル)

という順番になっており、職務権限規定上重要な決定権を持ていないサラリーマン戦略職は承認を取ることが第一歩です。
そのためには調査内容を要約し、自社であてはめた場合どういう実現方法があるのか応用し、きちんと論点整理した上でプレゼンテーションする、というスキルは必須です。ちなみにスキル不足でこのハードルを一定期間超えられなく営業や開発職に戻される人を何人か見てきました。

承認が取れたら、次は実行フェーズです。ここでは「5.コミュニケーションスキル」がめちゃくちゃ大事です。
要は、事業企画・事業開発職だけでは自分たちでモノを作って、売り、お金を回収する、ということができないので、各職種と連携を取らないといけないです。
ここで陥りがちな罠は、「自分たちは経営層の承認を取ったから、PJメンバーはこの資料のロードマップに沿ってがんばってください、以上!」だと全然進まないという、あるあるです。

前段で複数の職種の知識を総合的に持つ必要があると書きましたが、それは最適なコミュニケーションを取るために必要で、それぞれの職種メンバーが動きやすく伝えることがコミュニケーション能力だと思っています。

例えば「2」を作りましょう、となった際に、開発職は「1+1」で伝わりますが、営業職は「1+10–9」という伝え方の方が納得するケースもありますし、はたまた職種によっては違う計算式の方が理解しやすいケースもあります。
正しくシンプルなことを言うことがこの職種におけるコミュ力の高さではなく、目の前の人が最短で正確に行動に移せる言葉を自ら考え、相手の立場になって伝えることが本当のコミュニケーションスキルだと感じています。

そして最後に「6.セルフモチベートスキル」ですが、事業企画・事業開発職は期限はあるものの上から降りてくるKPIもなければ複数人で全く同じ業務を行うというケースはほぼなく、自分で仕事を作り期限までにアウトプットを出す、というのをやり続けないといけません。
サボろうと思えばいくらでも楽できますが、そういう人はそもそも向いていないので、事業貢献するために自らモチベートして仕事をやり続けるという能力は、結構地味ながら大事なことだと思っています。

以上、僕が考える事業企画・事業開発職に必要な6つのスキルでした。

■(おまけ)僕が社内MTGの時に使うテンプレ。これあれば議論は大体いける

この職種のお客様は社内のステークホルダーであり、彼らの意思決定をサポートし、事業を前に進めていくことがゴールです。

そのため、社内MTGが決戦の場になることが多いのですが、その場で意思決定をしていただくための材料が大体そろうテンプレートを作りました。

構成は下記の通り。僕はGoogleのスプレッドシートで型を作り、最近はこればっかり使っています。

■趣旨
 ・ほげほげ
■理由
 ・ほげほげ
■補足
 ・ほげほげ
 ・ほげほげ
■検討パターン
 A.XXX
 B.YYY
 C.ZZZ
■メリデメ
(ここに検討パターン毎のメリデメを表にする)

シンプルですが、この型に埋めれば大体物事が判断できます。
これのいいところは、何かを意思決定する場合かならず複数案を出すこと。
捨て案も含めて、議論の土台にあげること、これがマジで大事です。

昔それこそヤフー時代に小澤さんから「俺に1案で持てくるんじゃねえ」
と何度も言われ、如何なる時も複数パターンを検討する頭になりましたし、意外とステークホルダーによっては我々と見る観点が違うので、自分のレコメンドしたパターンじゃない結論になり、結果自分の想像を超えて事業がスケールするということも結構あります。

なので、繰り返しになりますが、意思決定の場に案を持ていくときは、かならず複数案を提示すること、これは本当に全事業企画・事業開発職の人に試してもらいたいと思っています。

という訳で、僕のバイアスにまみれた事業企画・事業開発職のスキル紹介でしたが、本当に一定規模以上の組織では必要な役割だと思っておりますので、是非興味を持てもらえればと思います。

では!



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