ヤフー株式会社から子会社に転籍しました
最近流行りの「退職」エントリではなくて、「転籍」エントリです。
2019年2月中旬よりヤフー株式会社から、100%子会社のダイナテック株式会社に転籍しました。
手続き上は退職→入社のいわゆる転職なんですが、説明がややこいので周りの方には「転籍」と言っています。
これを書いた目的は僕が転籍した事実を伝えることよりも、ダイナテックというB2Bの会社自体と、知名度低いけど意外と事業イケてるじゃん!ということを少しでも多くの方に知ってもらいたいなと思ってのことです。
あと、ヤフーのネガな暴露話などは1ミリもないのであしからず。だってヤフー好きだし。
もくじ
■ダイナテックってどんな会社?
■僕は何をやるの?
■(おまけ)ヤフーで何やってたの?
■ダイナテックってどんな会社?
ダイナテックは1987年創業の老舗のホテルシステムベンダーです。従業員は100人くらい。
僕はお会いしたことないFounderの飯島芳樹さんが初代社長、ヤフー買収後、齋藤克也さんが出向し二代目社長をされてます。
事業内容は大きく分類すると2つで、ひとつめはホテル公式HPの予約システム提供、ふたつめはProperty Management System(通称PMS)というホテルの基幹システムを提供してます。
ダイナテックが提供する公式HP予約システムの流通金額は同サービスの中でなんと日本一!約3,800施設くらいが導入してます。
いくつかのOTA(楽天トラベルやじゃらんなどの”Online Travel Agent”)も無料で同システムを提供していたりしますが、そんななか月額有料で日本一のサービスを展開できてるのは超イケていると思っています、語彙力ないなw
なので宿泊予約でこの表現が的確かはわからないですが、昨今流行っている語彙で羅列すると、ホテル予約におけるD2Cをサブスクで日本で一番推進してきた会社です。創業30年以上の老舗中小企業ですが、一気にいま風の感じになりました!
■僕は何をやるの?
幸いながら、僕はヤフーに在籍しながら1年半ほどダイナテックに兼務出向(週一だけですが)で関わっていて事業の理解はありました。そして社長もなんでもやって良い、やるのは自由!という考えの方で、ここ1週間で業務を擦り合わせさせていただいたんですが、主に事業企画・B2Bマーケ、広報、採用戦略あたりからやります。
ただ、2つの事業の特徴が結構違うので、まずはホテルの公式HP予約事業、いわゆる「直販」事業の方に重きを置く予定です。
そのホテル直販市場規模ですが、ここはいま年間で6,000億円くらいです。日本の宿泊施設の総宿泊費は2017年で5兆円前後くらいだと思いますので、約12%前後ほどが直販。ちなみにOTAのGMVは2018年に3兆円に到達したと言われています。※僕調べ
そして直販はOTAに比べまだまだやれることが多いので、伸びる余地ありそうに感じています。
OTA市場は、僕の古巣の楽天トラベルやYahoo!トラベル、一休.comをはじめとして、海外勢やスタートアップもどんどん参入し、大規模なマーケティングや技術的な投資が常に必要な大活況な市場となっています。また、3兆円という市場の大きさに対して参入障壁があまり高くないので、新しいプレイヤーも毎年入ってきつつ、競争と淘汰が激しく行われています。
そんな中、6,000億円の公式HPの市場については、幸か不幸かあまり新陳代謝が活発ではく、数年に渡り10前後のプレイヤーがシェアを分け合っています。
ホテルの公式HPの歴史を遡ると、2000年前後が黎明期でダイナテックは初期からの参入プレイヤー、他に廣瀬無線やトランスネットが台頭。その後2004~2005年くらい?にじゃらん、楽天トラベルが無料のブッキングエンジン(HPDとTYMS)を配り始め、SYSの拡販もあり、成長期に突入。その後アビリティコンサルタントなどが参入し、ここ数年は各社のシェアが横ばい、成熟期に突入、現在に至る感じです。
今のところ、公式HPのブッキングエンジンはあくまで直販の「機能」としてだけ存在し、多少の機能差分や価格面でしか評価しにくくなっています。
じゃあ、今後どのように進化させ、差別化させていくべきかというと、細かい手法はネタバレになるので割愛しますが、マーケティングをすることが本業ではないホテルの方々向けにも直販を伸ばす「手段」としての武器を自動で提供していきたいと思っています。「手段」の要素は直販比率の高いホテルグループやOTAの過去事例がたくさんあるので、それを要素化して最終的には自動化させたい、ホテルスタッフの方々ができるだけ顧客サービスに時間を使えることを重視したホテルシステムを作っていきたいと思っています。
また、直販シェアが伸びることで、結果としてエンドユーザーの方にもよりお得な宿泊体験を提供できると思っています。なぜなら、大前提として直販は一番安い(ことが多い)!
ただ、現状ホテル直販の市場規模(金額)は伸びているますが、 残念ながらシェアはほぼ横ばいです。ただ、北米のホテル直販比率は、Marriott、Hiltonなどが牽引し、日本の数倍近くのシェアがあり、市場シェアも成長しています。
日本はリアルな旅行会社の販売比率が高いですが、直販比率を高める仕組みを作ることで、旅行会社から自分たちの在庫を取り戻すことを各宿泊施設の皆様と取り組んでいきたいと考えています。
PMS事業についても色々書きたいのですが、情報量多すぎなのでまたどこかのタイミングでまた書ければ。ただ、ここもいま超過渡期です。アリババが昨年12月にオープンしたホテル「FlyZoo Hotel(菲住布渴)」を中心にHoteltechみたいな造語も出てきていますし、今後テクノロジーが更に入っていく領域だと思います。
ちなみにダイナテックが同じことやるわけではないですが、そのFlyZoo Hotelってこんな感じです。
チェックインはスマホから顔認証
ロボットが部屋までご案内
ルームキーも顔認証
モバイルオーダー後、ロボットが料理の配送してくれる
(Photo by ロボスタ・Fliggy)
未来感じる!
これがきっと近い将来のスタンダードなんだと思うし、そんな未来を作っていかないとなと思います。
また、宿泊業は昨今人材難で今年4月からの特定技能ビザの緩和による外国人労働者も本格化してくると思いますが、根本的に代替できる人的作業をテクノロジーで置き換えていき、よりホテルの方々が宿泊者にサービスを提供できる時間を増やしていく、シンプルだけれでも挑戦しがいのある課題解決にチャレンジしていきたいと思っています。
そもそもPMSも30年前は紙の予約台帳だったことですし、もっとそういう進化をさせていきたい!
■(おまけ)ヤフーで何やってたの?
ヤフーでは主に営業からスタートして後半の3年くらいは事業開発をしていました。
営業というのは「予約革命」と題したYahoo!トラベルの手数料無料のOTA立上げ時の、新規契約獲得営業。
その後一休.comがグループインしたタイミングで、事業開発職として一休とのPMIや事業シナジーに関する部分を最前列で担当、そこで結構がんばった(自画自賛)ので、小澤隆生さんからお声がけいただいて、一休の1年ほど前にグループインしたダイナテックの5ヵ年計画のアップデートや、その推進、新規事業企画とかに携わらせていただいていました。ダイナテックと僕の出会いはここ。
そしてヤフーでの最後の業務は、先日プレスリリースが出たSoftBank Vision FundポートフォリオカンパニーのOYOの日本進出のサポートを行っていました。主に日本法人のプロパーの方々が入社されるまでの日本のPMFのプロマネ的なこともやり、インドにも行って案の定翌日高熱だしましたw。人はインドに行くと人生観変わるとよく言いますが、人生観まではいかないものの、海外に行ったら歯ブラシゆすぐ際もミネラルウォーター使った方が良いということを学びました。そして、インドのカレーは超おいしいけど辛くはないことを知りました。
OYOオフィスでの一枚。CEOのRiteshとも会えた!
そして僕がヤフーにいて一番忘れられないことは、とある新規事業立ち上げ調査と企画案を小澤さんから求められ、なかなか領域的に難しいお題だったので「ちょっと難しいかもしれません」とポロっと言ってしまい、完全にやらかしてしまった!と思ったけれどもなんとか案を捻りだして再度持って行った際に
「俺は忘れないぞ、お前は最初できないといったことを!」
と冒頭に言われあーやっぱりやってしまったな、これは見切られたなと思たら
「でもがんばって考えたら出てきたじゃないか、お前は必死になればできるから、ただ、お前はそうやって、いままでいくつのチャンスを逃してきたんだろうなw」
と言われたことは忘れないので、それからすぐできないとかネガティブなことは言わないようにしている。ネガティブは人生のチャンスを逃す。世の中にないものなんて、きっとできない理由が100個くらいあるからなんだろうけど、色んな成功事例を調べまくって、たったひとつでも成功の要素を見つけてそれを深堀して当てはめていくときっと可能性は現れる。これ大事。それからはかなりポジ男だし、前にもまして色々調査するようになった。
という感じで、主にヤフーでは子会社や関連会社との連携や立上げ系をやっていたので、がっつりヤフーの既存事業に携わる!というわけではありませんでした。なのであまり社内の知り合いは多くいませんでした。どんなまとめだよ。
まとめ直すと、僕はしばらくは宿泊施設の皆様のパートナーとして、日本の宿泊D2Cをゴリゴリ推進していこうと思います。
これから会社の人数も増やすそうなので、少しでもご興味ありましたらいつでも連絡ください!
では!
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