トリハダ6を書くきっかけ

お仕事振り返るシリーズ第3弾。

今から10年ぐらい前のことでしょうか。深夜にテレビをつけると、ドラマか映画が流れていました。見たことない俳優さんが演じていて、セリフが極端に少なくて、異様な緊張感が漂っていました。時計を見ると、深夜の1時過ぎ。今ではそんな深夜にドラマをやっているのは珍しくないのですが、当時はあまりないケースで、「なんだろうこれ?」と思って見ておりました。

お話は、アパートに一人暮らしの若い男性が隣の部屋から喘ぎ声が聞きます。耳を壁に当て、聞き耳を立てていると、薄暗い部屋に壁から1点の光が差し込んでいることに気付きます。壁に小さな穴があるのです。若い男はその穴から覗こうとしますが、中は見えません。壁の向こうからしゅるるるという回転音が聞こえます。その瞬間、目の前に壁から電動ドリルが飛び出します。「はずしたな」という男の声が壁の向こうから聞こえてきます。若い男が目を凝らすと、壁には無数の穴が空いていたというところでドラマは終わります。(記憶違いのところありましたら、すみません)

「こわっっっっっっっっっっ!」


これが『トリハダ』との出会いです。

深夜に変な番組をたまたま見てしまい、トラウマ級に記憶が残る。夜中にやっていた世にも奇妙以来の衝撃です。こんな出会い、ひさしぶり。

ちなみにこれは『トリハダ3』の「甘い誘いは死へのいざない」という作品です。主演は、当時はまだ無名でいらっしゃった柄本佑さんでした。

その後も、計6本の短編が放送されて(1本正味5〜7分)、あっというまの1時間。

大興奮した私は、ツイッターかブログかフェイスブックに、このことを書いたら、

そのPさんさんなら知ってますよ〜。紹介しましょうか?」


ある芸能事務所のマネージャーさん(やり手女子)から返信がありました。

こうして、Pさんと会うことができて、プロットを送って、トントン拍子で脚本を書かせていただくことになりました。

(3を見て、書いたのが6だから、3は再放送だったのか?)

それがこれ。

・第一話「計画された別れの演出と戦慄」

・第三話「保身に必要な最低限の代償」

・第五話「天使の中にある恐るべき残酷」

の3作品の脚本を書かせていただきました。

第一話は、弓削智久さん主演。以前ブラジルで上演した『辻褄』の1シーンをアレンジ。第三話はPサイドですでにオチのアイデアがあったものをドラマ脚本に仕上げました。第五話は子供を使った怖いやつやりたかったので、オリジナルです。

好きなドラマを見て、書きたい!と言ったら、書かせていただける。なんと幸せな経験でしょう。


本日の教訓:

書きたい作品は書きたいと言いふらす!その際、SNSはけっこう便利!


ってことです。

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