今一番マジックのストーリーを楽しめていないのはヴォーソスではないのか

いつも以上に攻撃的内容です。

本日、デザイン演説2023が発表されました。

その中で機械兵団やPWの灯の喪失について、SNSで改めて批判的意見が多く噴出していました。
そのことについて私の意見を書かせていただこうかと思います。

私はヴォーソスではありません。背景世界は好きですが、それを含めたマジック全てが好きなので。

機械兵団の問題点

機械兵団の進軍のストーリーにおいて問題点とされるものは主に以下のものです

・エリシュ・ノーンはじめ新ファイレクシア勢力の内乱及び無計画な進軍
・1セットにまとめたことによる駆け足のストーリー
・バトルの存在から多くの次元の戦いを期待していたが小さくまとまっていたこと

駆け足のストーリーに関しては反論しようがないですね。1セットでこのストーリーをやることは無理があったことは確かです。
とはいえ、カードデザインの面からは同じテーマで2セット使うことは難しく、またメカニズムを分割して収録するなども今の機械兵団のものだけ見るとやはり難しいでしょう。一章としてファイレクシアの侵攻、二章でエルズペスとエリシュ・ノーンの対決と考えた場合、二章に当てられるメカニズムはあまりありません。

各次元の戦いに関してはサイドストーリーでしっかり語られており、私は十分に思えます。また、もはやヴォーソスへの挑戦状とも言えるバトルやプレインチェイスカードは新たな情報をもたらしました。

エリシュ・ノーンや新ファイレクシアに関しては、新ファイレクシアはファイレクシアではないというところが論点になります。
新ファイレクシアは色を持ったことでマナに影響された一種の感情とも呼べるものを持つことになります。
エリシュ・ノーンの独善的価値観はシステマチックなファイレクシアと近いようで全く反対であり、自分の正しさを絶対とするために間違った判断を下しました。
ファイレクシアであれば、自分が正しいかどうかを正当化する必要はありません。それは機械の父、ヨーグモスという絶対の存在の意思のもと疑いようのないものだからです。
しかし、新ファイレクシアには様々な派閥、多くの考えがあり、エリシュ・ノーンも力による統一を果たしただけで焦りがありました。
この焦りがヒステリックとも取れる、全くファイレクシアに似つかわしくない行動を取らせ、自滅を迎える。
「新」ファイレクシアの最後としてこれほどふさわしいものはないと私は思います。

PWの灯の喪失について

ファイレクシアとの決戦の後に描かれた一部PWの灯の喪失。
こちらに十分な説明がされていないことは確かです。
しかし、今全てを語るということは今後のストーリー展開に大きく影響します。演説でも触れられていた通り不安はありますが、ここですべてを語られてもそれはそれで楽しみがなくなるというものでしょう。

また、収録内容についても不満が見られました。もっとその後を知りたいキャラクターがいっぱいいるというものです。
確かにメインキャラクターの今後は気になります。しかし、このセットは収録枚数も語るべきストーリーも意図的に小さくしてあるセットです。
これは「エピローグ」なのです。映画のスタッフロールでちょっと見えるその後の姿、それも後半部分のサブキャラの一枚絵くらいのイメージです。
実際収録されたキャラクターを見ると大きくストーリーを動かすというよりかは小ネタ的要素が強く、また、メインでの役割を終えたキャラクターも多いです。
おそらくメインストリームからは外れていくだろうキャラクターに最後の見せ場を用意してあげた場所がここだと思っています。
サムトは侍臣になってアモンケットを再興しているんだ。テジェルとも仲が良さそうで何より。
オブは自業自得、因果応報がついに回ってきちゃったね。可哀想だけどちょっとスッキリするかも。
サルカンはもう悠々自適だね。いつまでもドラゴンと楽しんで。

これに関しては公式での発表が悪かった点もあるかなと思います。
マジックを大きく変える重大な発表が!というには不明点が多かったので。

一部のヴォーソスたちを見て

上記のような批判意見が出てくるのは仕方のないことです。
実際にマジックのストーリーは過去のものとは大きく変わっています。整合性の取れない部分や説明不足の点もあるかも知れません。
一部ヴォーソスの強い言葉での批判も今まで大事にしていたものを適当に扱われたような気持ちを考えれば分からなくもありません。

しかし、それを見て新規ユーザーがストーリーに興味を持つでしょうか。
面白くない、ここがおかしい、と言われているストーリーを読みに行くでしょうか。
そして今のストーリーに興味のないユーザーが過去のストーリーを知りたいと思うでしょうか。

改善を求めるための論理的批判意見は重要です。間違っていることは正す必要があります。
しかし、ストーリーを楽しむことを一番としているヴォーソスが不満だけで楽しいことを語らなかったら誰がその魅力を伝えるのでしょうか。
大筋が気に入らなくても、細かい部分でここが好き!というものはありませんか?
今のものでなくても構いません。過去のストーリーでこんな面白いことがあったよとか、今回収録のこのカードは実は昔…というようなものもいいでしょう。

改めてストーリーを楽しんでみませんか?
本当に全部が楽しくなかったですか?
もし楽しことがあったなら、その楽しさをどんどん伝えていきませんか?

あらゆるコンテンツは楽しそう!が入り口です。
楽しいことをしましょう。

以上。


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