幽霊と"呪縛"

 こんにちは、あかしょん♤です。
 とりあえず生きてます。

 さて、今回の記事ですが、題名だけ見るとホラーっぽいんだけども、実際は違うのでご了承(?)ください。
 まあ暇なら読んでってくれると最高・嬉しい・ピース(以下、SUP)。


フジカワさんについて

 中学時代から高校時代にかけて、同学年にとんでもない美人がいた。
 それがフジカワさんという女の子だ。
 どのくらい美人なのかと言うと、これまでの僕の二十余年の人生において彼女より美人な子は見たことがないくらいだ。

 僕は自分の美的センス、つまり綺麗なモノを綺麗だと判別する能力にはそれなりの自信を持っている。最近、僕は浜辺美波という女優さんを激推ししているのだが、同じ18歳だった頃を比べても、個人的には僅差でフジカワさんの方が美人だと思っている。

 フジカワさんについて、簡単に紹介しておこうと思う。
 他の女子より全体的に線が細く、初めて見た時はちょっと身体が弱そうな子だなというイメージを持った覚えがある。全身の肌がとても白いため、頬は血色で常に赤らんで見える。そのせいで彼女のことを「リンゴ病(伝染性紅斑。主に赤ちゃんが罹る病気)」だなんて揶揄する者もいたが、少なくとも六年間はそんな風な見た目だったので、彼女はリンゴ病患者ではなかったはずだ。……たぶん。

 しかしながら、皮膚が弱い病気に罹っているのはどうも事実らしく(詳しい病名までは知らない)、本人は「強い直射日光はできるだけ避けなきゃいけないから夏は好きじゃない」とケタケタ笑いながら語っていた。水泳の授業も休んでいたらしい。ということは、プライベートですら彼女の水着姿を拝むのは難しいということだろうか。それは人類の損失だ……。最悪・悲しい・ショボーン(以下、SKS)。

 関係ない話だが、彼女の自宅にはサウナがあるらしい。
 
何だそりゃ。そんなの羨ましいに決まってるだろ。

僕とフジカワさんの関係

 中学三年間では、フジカワさんとの間にこれといった接点はなかった。
 自分とは大して仲良くもない、しゃくれたサッカー部の陽キャがフジカワさんと付き合っているという噂を聞いて「いいなぁ~」と思った記憶はある。そりゃあ、あんな美人と付き合えるなんて、羨ましいに決まっている。しかし、そのしゃくれ野郎とはすぐに別れてたらしい。へへへ、ざまあみろ。すみません、陰キャで。

 明確な接点が生まれたのは、僕達が高校生になって半年くらい経った頃だ。僕にカノジョ(仮名:カナ)が出来たのだが、そのカナちゃんとフジカワさんが同じクラスで、しかもかなりの仲良しだったのだ。

 ちなみに、カナちゃんは初めは僕になど全く興味を示さず、中学時代からの知り合いである野球部の高身長イケメン野郎にメロメロ状態。面白くない。僕のことはその辺のジャガイモくらいに思っていたはずだが、彼女がその野球野郎にフラれるまで辛抱強く耐え抜いて弱った所に攻撃告白し、結果としてカナちゃんが折れて僕とお付き合いすることを了承してしまった、という裏話もある。どんな勝負も、長期戦になれば最終的にはメンタルが強い方が勝つ。これだけは覚えておいた方がいい。いや本当に。

 僕は最低のカス野郎なので、カナちゃんと付き合っている期間中も、フジカワさんこそが地球上で最も美しい顔面の持ち主だと思っていた。カナちゃんはとても鋭くて空気の読める子だったので、僕がそれを明言したことはなかったものの、そのことには何となく勘付いていたのではなかろうか。カナちゃんはブスでは決してなかったが、飛び抜けて美人という訳でもなかったと思う。すみません、本物のカス野郎で。

 放課後、カナちゃんを教室へと迎えに行くと、いつも僕はそのクラスの女の子達に暖かく出迎えられていた。それは僕が高身長のイケメンだったからでは決してなく、カナちゃんがガチガチの人気者だったからである。カナちゃんは陽キャの極みみたいな子だった。とにかく性格がイイのだ。僕はカナちゃんの人気のおこぼれにあやかる雑魚Aみたいな存在だったと自分では思っている。だってカスなんだもの。で、その女の子達の中に、フジカワさんもいた訳である。SUP。

 カナちゃんと付き合い始めてからフジカワさんとの接点が生まれ、それなりに仲良くなれたので、その点は本当に感謝している。今でも。カナちゃんは何かと忙しい子だったので、手が空くのを待っている間にフジカワさんと話す機会がそれなりにあり、僕にとってはそれが至福の時間だった。

 僕が同じ中学にいたということは、フジカワさんも辛うじて認識してくれていた。ただし、僕の姓は知っていても、名までは知らなかったらしい。軟式テニス部にいたことは把握されていたが、やはりその辺のタマネギくらいに思われていたようだ。……まあ、そんなもんか。当時は普通に悲しかった覚えがある。僕はバカか。

見え始めた"異常性"

 先に言っておくが、僕とフジカワさんが深い関係……所謂『男女の仲』になるようなことはない。カナちゃんと別れてからも、僕からは一定の距離を置いていた(フジカワさんは何も意識していなかっただろうが)。最早、崇拝の域まで達していた……と言うと流石に誇張が過ぎるか。しかし、彼女は美しすぎるので、カスでフツメンの僕とは釣り合わないことには早々に気付いていた。ワンチャンを狙う気にもならなかったのだ。

 それでも、フジカワさんの内面を知りたいと思うことはあった。彼女と話す時は常に緊張していたような気もするが、頑張って色々と話した。そんな様子を見たカナちゃんに嫉妬されることすらあった。その中で、いつのことだったかは忘れたが、フジカワさんがとんでもない話をしてくれた。

 曰く、フジカワさんは幽霊が見えるらしい。
 
それだけではなく、会話することも可能だったようだ。

 
僕がその話を初めて聞いた時は、冗談抜きで開いた口が塞がらなかったことを鮮明に覚えている。こんなしょうもない記事を読んでくださっている皆さんの中に、幽霊が見える人はいますか?もし、そんな人がいたら、僕のTwitterまで連絡をください。

 話を戻す。フジカワさん曰く、幽霊は割とどこにでもいるらしい。彼女の家の自室に現れたことも、授業中の教室の床に寝そべっていることもあったようだ。だが、僕が幽霊の見た目について尋ねると、「うーん……上手く説明できそうにないなー」と濁された。幽霊だと分かるのなら、普通の人間とは違う見た目をしているのだろうか?それともスピリチュアルな第六感的超感覚が働いて判別できるだけ?というか、彼女は幽霊に呪われたりしないのだろうか?僕なら、迂闊に幽霊を刺激して、その恨みを買ってしまうくらいのことはしそうなものだが……。うーむ。疑問は尽きない。

信じるか信じないかはアナタ次第

 僕はフジカワさんの話を信じていた。というのも、彼女が嘘を吐く理由がないように思えたからである。
 何と言うべきか、ちょっとカス寄りな言い方になるけど。大して美人でもなく、性格も良くないような女の子が同じ話をしたとすれば、その信憑性はガクッと低くなるだろう。他人の気を引こうとして嘘を吐いているんだろうとか、単なるキャラ付けだろうとか、そんな風に捉えられる可能性の方が大きそうなものだからだ。

 でも、よぉに考えてみぃや。ハンパない美人で性格も学力も普通やから友達がぎょうさんおるフジカワさんにゃあ、そないなことをする必要があらへんねや。せやから当時のワイも信じる気になれたっちゅうこっちゃ。もし、これが嘘なんやったらホンマ、何のためにそないな嘘を吐いてたんか知りたいモンやで。なあ、フジカワさん?哀れなワイに教えてや。

 とにかく僕はフジカワさんの話を信じていた。カナちゃんはどうだったんだろう。何となく確かめるのが怖くて、確認していなかった。カナちゃんとは、ちょっとアレな別れ方をしたものだから、今になって確認することも難しい。そもそも連絡先も知らないし。てかもう人妻になってそう。知らんけど。これに関しては心底どうでもいい。幸せになっていてくれれば。

 フジカワさんはどうだろうか。高校時代、ナイトくん(もちろん仮名)という同学年の男子(僕とも知り合い)と付き合っていたようだが、詳しい話は知らない。しつこくせがまれたから付き合うことにした、とだけ話していたような気もする。そもそも、幽霊なんて非現実的な存在が視認できるどころかコミュニケーションまで取れてしまうというフジカワさんは、普通の人間なんぞに興味を持てるのだろうか?僕だったら無理だ。

ちょっとした知的好奇心

 僕が今頃になってこんな記事を書いたのは、たまにフジカワさんとの交流を夢に見るからだ。起きた時、いつも少し幸せな気持ちになれる。すみません、ガチでキモくて。

 大学に進学して以降は、接点が綺麗に消失したため彼女と連絡を取ることもなくなった。そもそもLINEも知らない。聞いとけば良かったな……いやガチで。SKS。

 実は、僕の実家とフジカワさんの実家はすぐ近くにある。目と鼻の先という表現がピッタリ合う、歩いて三分くらいの距離だ。彼女が今も実家で暮らしているのかどうかは分からないが、確かめようと思えば確かめられる。どうにかして、ご家族から本人に伝えてもらえばいいからだ。でも、僕だけの思い出にしておきたいという気持ちもある。つまりは、そういう感傷に浸っていたいだけなのかも知れない。はたまた、幽霊云々を口実に、フジカワさんともう一度話してみたいだけ?たまに、自分の心の向きすら分からないことがあって、それが少し怖い。

 僕はフジカワさんという名の幽霊に呪縛されているのかも知れない。

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