北海道の冬は日暮れが早い。夕方4時を過ぎた歩道をスキー靴とスキー板を背負った中学生二人が夕日に向かって黙々と前に進む。「いやホント助かったわ。俺んち遠くてさ。」え、聞いてないけど。マジか…。ハラの中に異様な熱を感じながら、深二はずんずんと先に立って歩を速めた。「はえーよ!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?