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アンテーク好きは、他人と比べない? 本篇 

長く百貨店内の常設アンティークジュエリーショップにて販売の仕事をしてきた。

2-1 あなたを引き立てる額縁

お客様がとにかく素敵だった。
皆様それぞれ異なるバックグラウンドをお持ちで、世代もお好みも違った。多くは人生の大先輩。
彼女たちは高額品であろうが、ヴィンテージのノーマークのアクリルのネックレスであろうが、それぞれご自身で選んだ品をそれこそ体の一部の様にサラッと自然につけこなし、それがまたとってもチャーミングでお上品。
そのスケールの大きさは永遠にたどりつけない目標。
おかげさまで、ありがたいことに歳を重ねるのが全く怖くなかった。
言うなれば早く年を重ねて、もっといろいろ似合う様になりたかった。

彼女たちは、ご自分を信じ、大切にしている。
もちろんTPOは完璧に押えながらも、ジュエリーを選ぶ際も、
他人の目を意識していない。
だからブレない。

ご自身が好きか嫌いか。
気持ちが良いか否か。
だから、個性が強いと思える品を店頭で試着し
あたかも「ずっと前から愛用していますけど」といわんばかりにご自分に溶け込ませる。
ジュエリー達の「僕ここがいい」
「私はここ」と弾けるような声が聞こえてくるようだった。

この世界に入った頃何かで読んだ。
『アンティークジュエリーは、
人生をいろいろ経験した人が最後に行き着く世界』

バブル時代を経験した私にはその言葉はとても説得力があった。
ブランドに守られる安心感を必要としない域ということだろう。
とはいえ「現代宝飾は興味が全くなかったから、ジュエリーはアンティークが初めて」という方にお会いしたことがあるので、一概には言い切れないけれども、。

良い悪いは別として、ブランドのアイコン的品の陰にはプライスカードが見え隠れする。時として鎧にもなる。
でもレストラン等で良い席を案内されることもあるでしょうし、ショッピングの際丁寧に対応していただけることもあるでしょう。
どうせなら利用しちゃって良いと思います。

それでもいつかその鎧が重たく感じるようになったり、
目立つゆえにいつも同じものじゃあとお着替えするのが窮屈に感じた時は、是非アンティークのお店にお立ち寄りください。
誰かが貴方を見た時、あなた自身を引き立てる額縁になってくれるジュエリーとの出会いがあるでしょう。

そこには、他人の目を意識しない、自分だけの心地よい世界がまっています。



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